fc2ブログ

山本周五郎時代小説『壺』

初めに久しぶりに山本周五郎の時代小説を読んだ。時代小説は歴史小説とは一線を画し、登場人物や出来事を史実に合わせる必要がない。それだけに自由度は高いのだが、反面作家は時代背景、仕える藩の状況、屋敷の佇まい、庭に咲く草花に至るまで、非常に幅広い知識が要求される。少なくとも、読者に対して真実味を与える作品とするならば、このようなことを知り尽くしていなければとても書けないのである。山本周五郎の作品を読んで... 続きを読む

私の心の拠り処とする大河ドラマとは?

私の生き方を大きく変えた大河ドラマとは?つい最近YOU TUBUで1970年NHK大河ドラマ「樅ノは残った」が登場し、ウェブサイトからリンク可能になったので紹介する。尚、この「樅ノは残った」大河ドラマ版は数十作にも及ぶ大河ドラマの中で、87年に放映された「独眼流政宗」とともに数少ない(二作品)仙台藩に関するものであることをお伝えしたい。本日は総集編の前編と主な配役と見どころなどについて解説したい。伊達騒動(... 続きを読む

樅ノ木は残ったハイライトその2

 樅ノ木は残ったハイライトシーンその2山本周五郎原作NHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」、本日は前回に引き続きそのハイライトシーンその2についてお伝えする。今回も読者の皆様への便宜を図り、主な配役を掲載する。これは主人公の原田甲斐がある晩、首謀者の伊達兵部を訪ねるシーンである。大老酒井雅楽頭と組んで仙台藩のっとりを企てた兵部は幼君の亀千代(仙台藩四代目藩主)の毒殺を図るが失敗(かつて甲斐の家臣であった... 続きを読む

樅ノ木は残ったハイライトその1

 不朽の名作「樅ノ木は残った」の全容に迫る最近歴史ものに傾注する傾向の強い本ブログであるが、私は昨年の末頃から山本周五郎原作の「樅ノ木は残った」に関心を持ち、ずっと追いかけてきた。これは伊達騒動と言われる仙台藩の内紛(幕府を巻き込んだ一大事件)に関するものである。1970年NHK大河ドラマで放送されたこの作品はビデオが普及する前ということもあり、わずかに総集編版(上下二巻)が残るのみである。私は出入... 続きを読む

「樅ノ木は残った」クライマックスシーン

伊達六十二万石取り潰しを防いだものとは?去る6月21日午後、私は出入りの図書館に趣き、山本周五郎原作「樅ノ木は残った」NHK大河ドラマ版ビデオを三度目の鑑賞に及んだ。きょうはそのクライマックスシーン(結末の部分)をお伝えしたい。これは大老である酒井雅楽頭忠清(右)が老中の久世大和守広之から伊達六十二万石の分割に関する密約書の存在を指摘されたシーンである。外様大名である伊達藩を撮り潰すのは幕府の思惑が... 続きを読む

原田甲斐屋敷から見た経ヶ峰、仙台城跡

仙台藩士原田甲斐が350年前に見た風景とは?きょうの早朝に私はかつて仙台藩の重臣の屋敷があった片平町を訪ねた。位置としては仙台市の中心部よりやや西よりの部分で、近くには東北大学や東北学院大学もあり、文教地区である。また広瀬川を見下ろす河岸段丘には高層マンションが建ち並び藩政時代の面影はほとんど残されていない。少し前にも本ブログで紹介した原田甲斐仙台屋敷は道路の右側の木が生い茂っているところである。... 続きを読む

「松の花」に見る我が国の良妻賢母像

山本周五郎「松の花」1942『婦人倶楽部』発表山本周五郎「松の花」あらすじ紀州徳川家の佐野藤右衛門は千石取りの家老である。彼は六十四歳になるが髪に少し白髪が増えたのと視力がやや衰えたのを除けば壮年の者を凌ぐほどの健康を有していた。彼は年長者への配慮により長年勤めたお勝手役の職を解かれ、代わりに藩史編纂の担当を任ぜられていた。昨今彼は「松の花」と言われる紀州家中の烈女、節婦といった誉れ高い女性たちの... 続きを読む

原田甲斐は逆臣ではなかった?今までの伊達騒動の定説を覆す歴史大作!

1970年放映、山本周五郎原作NHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」三連休最後のきょう、私は仙台市図書館で山本周五郎原作のNHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」のビデオを三時間に渡り鑑賞した。 裏切り、憎しみ、破綻…、この世で不安のない人はほとんど居ない。この動画をご覧頂きたい。強風になびく竹林はあたかも人の世に風雲急を告げる様々な厄難を彷彿させる。そして鬼の面、おかめの面は様々に表情を変えゆく波乱の人生を... 続きを読む