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歴史小説「金色の九曜紋とともに」第九話「帰国と信仰」 

 歴史小説金色の九曜紋とともに   第九話「帰国と信仰」1620年8月初旬、支倉は従者6名とともにソテロをフィリピンに残し朱印船でマニラを出港した。支倉が渡航するとほぼ同時にソテロがメキシコに送還されるはずだったが途中で船が嵐に逢い、再びマニラに引き返してきた。支倉は順調な渡航を続け8月末には長崎に着いた。そして長崎でキリシタン迫害を逃れようとした従者3名と別れた。支倉を含めた残りの3... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第八話「最後の望みをかけて」 

  歴史小説金色の九曜紋とともに    第八話「最後の望みをかけて」 パウロⅤ世との謁見から三週間余りが過ぎた1615年11月20日、ローマ市街に市議会の招集を告げる鐘が鳴り響いた。この日の会議で満場一致のもとで支倉と従者7名(ソテロと通訳も含む)に「ローマ市民権証書」が贈られることが決まった。また支倉には貴族位も贈られることになった。ローマ市議会はその理由を支倉が徳や高貴さにおいて卓越... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第七話「ローマでの栄光」

  歴史小説金色の九曜紋とともに     第七話「ローマでの栄光」 きょうは当時ローマ法王であったパウロⅤ世に敬意を表し、バチカン市国国歌の吹奏をリンクする。まるで宗教音楽を彷彿させるような深く荘厳な趣のメロディーを味わって頂きたい。また2分22秒からは歴代の法王の画像が登場する。 Vatican National Anthem  「すべての道はローマに通ずる」とは17世紀のフランスの詩人ラ・フォ... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第六話「名誉の洗礼」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 そろそろこの歴史小説も佳境に入って来た。きょうは今回のメインであるイスパニア王国(現スペイン)に敬意を表し、同国国歌をYou Tubeにてリンクする。最初にお断りしておくが、この国歌「国王行進曲」が作られた時代は支倉がスペインを訪ねた時よりも、ずっと後になってのことである。但しこの曲の極めてゆったりとしたテンポ、かつ荘厳なメロディーが往時の日の沈まぬ大国の威厳を... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第五話「セビリアでの使節」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」    第五話「セビリアでの使節」 一行がスペインのサンルカール・デ・バラメダに到着したのは1614年10月5日のことだった。大西洋に面したこの地は地中海の入り口とも近く、秋とは言えこの日はまだ汗ばむほどの陽気だった。支倉らの使節三十名を乗せたサン・ヨセフ号はグァダルキビル川の河口に沿った大きな港に入った。ここで一行はソテロの口利きでアルマダ海戦(1588... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第四話「大西洋を初めて渡った日本人」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」   第四話「大西洋を初めて渡った日本人」 1614年7月22日、支倉ら30名ほどの使節を乗せたデ・アントニオ・デ・オケンド司令官の率いる船団はメキシコのベラクルス港を出港した。この航海が一般の大西洋航路と違うのは出航時期が三ヶ月ほどずれていたことであった。ここで気の早いハリケーンに遭遇すれば万事休すことになる。それだけにこの航海は危険と隣り合わせであ... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第三話「 メキシコでの使節団」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 第三話「 メキシコでの使節団」 1614年1月末、サンファン号はまだ開港したばかりのメキシコのアカプルコに入港した。月浦を出てから既に三ヶ月が経っていた。この時代船が外国の港に入るときは敵意がないことを示すために礼砲を鳴らすのが慣わしだったがサンファン号もこれに倣って十数発の礼砲を鳴らした。「あれはイスパニア(スペイン)式のガレオンだぞ!」次の瞬間、... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第二話「 太平洋に挑む」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 第二話「 太平洋に挑む」 文明の利器もなかったこの時代に500トンもの大船を無事に沖に送り出すには三つの条件が必要であった。一つ目は引き潮を利用すること。二つ目は適度な風が吹いていること。三つ目は大安吉日であることであった。そしてこの三つを満たす日が西暦1613年10月28日であった。この出航日の決定にあたっては事実上のブレインとも言えるビスカイノの... 続きを読む

これが小説執筆の舞台裏です

   創作活動に必要なものとは?皆さん、今晩は。実は30分前まで現在連載中の歴史小説「金色の九曜紋とともに」の第二話のサンファンバウティスタ号の出航の模様をアップする予定でしたが、きょうが先負ということなので、縁起を担ぎ次の大安が来るまで掲載を待ちたいと思います。ちなみに四百年前にサンファンバウティスタ号が船出した1613年10月28日も大安吉日でした。私もこれに倣って船出の記事の掲載を次の大安に... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第一話「波乱含みの幕開け」

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 第一話「波乱含みの幕開け」奇しくもこの侍が仙台領月浦港を出港したのは今からちょうど四百年前、時代は戦国の世を経た徳川時代であった。数奇な運命を辿った侍の生涯を語る上において、そこには泰平の世を迎えつつ、果てしない野望を生涯持ち続けた主君が存在したことを忘れてならない。侍は主君の命令が全てである。主君から出陣の命があればいつでもこれに従わなければならない。... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」プロローグ

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」        プロローグ 伊達政宗はひときわ金と関わりの深い武将であった。言うまでもなくこの時代の金は戦国大名を支える大きな経済基盤となるもので、佐渡島の佐渡金山、山梨の湯之奥金山、宮城の大谷金山と有力な大名はこぞって金山を探し当てようと必死になった。政宗もこの一人であった。彼はこの金を秀吉や家康への貢物として、或いは自藩の軍事力増強に用いて、何度もお家... 続きを読む

歴史小説掲載します

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 この装飾品をご覧頂きたい。このブローチは今から四百年前、奥州王伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節団がヨーロッパから持ち帰ったとされる黄金のブローチである。この黄金のブローチは政宗の墓所である仙台市の瑞宝殿から政宗の副葬品として発掘されたものである。政宗は終生に渡ってこのブローチを大切にしていたという。このブローチに極めて似たものを紹介する。瑞宝殿の扉に施され... 続きを読む

命をかけた私の使命(後編)

前編をお読みでないかたはこちらをクリックしてください。↓↓↓http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/23968797.html日本ブログ村、短編小説ランキングに登録しています。クリックしていただくとランキングと注目度が上がります。↓↓↓↓↓https://novel.blogmura.com/novel_short/ ノンフィクション小説「支倉常長と私」後編第3章『新たなる決意を誓う』男は侍のような強い心がほしかった。そして心の傷(ブログ休止にともなう最近の一連... 続きを読む

命をかけた私の使命(前編)

日本ブログ村、短編小説ランキングに登録しています。↓↓↓↓↓https://novel.blogmura.com/novel_short/はしがき平成17年冬、初めて単身赴任を経験した私にうつの病魔が襲いかかった。自分だけはうつにならない…という考えはもろくも崩れ去った。この作品は私のうつ病との壮絶な戦いと、自らの使命に命をかけた一人の数奇な運命をたどった侍の対比を描いたノンフィクション小説である。ノンフィクション小説「支倉常長と私」前編第... 続きを読む