人はいざという時友情と恋愛のどちらを選ぶか 武者小路実篤「友情」1919年(大正8年) 武者小路実篤の詩や絵画に触れて、彼の生き方に興味を持ち、小説を読みたくなった。最初に何を読もうかと迷った。今回はこの「友情」を読んでみた。本作品は彼の代表作の一つでもあり、題名に何かとっつきやすさを感じたためである。 長さは短編と中編の中間くらいのボリューム(約70ページ)である。尚、ユーチューブに動画化されているところを見るとこの作品はかつて映画化... 続きを読む
武者小路実篤の「向日性」とは? 武者小路実篤の持つ向日性とは? 「単なる同調だけでなく、切磋琢磨しつつ相手を慈しむ友達関係」、もし真の友情のありかたを問われた時、また親友というものが本当に美しいというのならまさにこのような関係を言うのではないだろうか?武者小路実篤と志賀直哉は生涯を通じて無二の親友であったというが、きょうはこの二人の友情のあり方についてスポットを当ててみることにする。その前に実篤の残した絵画と詩をご覧頂... 続きを読む
亀の如き人生を愛す 愚鈍と言われてもいい、我は亀の如き人生を歩むなり 早春の日差しに誘われ外出してみた。ここは仙台市郊外の崖の縁、時折音を伴った強風が激しく吹きすさぶ。まだまだ春霞とはほど遠く春の嵐の真っ最中だった。何か飛んで来ないだろうか?そんな懸念も頭をよぎるほどの荒れようだった。しかしながらそれは天候のことであり、心の中では寒い冬と別れを告げられる喜びが嵐の厳しさに勝っていた。それと新たな季節の到来が自... 続きを読む