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津軽半島と太宰治

   あれから一年… 真冬の津軽半島出張からちょうど一年経った。それは私にとって生涯忘れぬことのできないものとなった。 つい最近、その貴重な体験を更に自分の心に深く刻む意味でこんな本を購入した。「太宰治と旅する津軽」新潮社¥1575この本は太宰執筆の「小説津軽」の写真入り解説書と言っていいだろう。 皆さんはこの写真を見てどう思われるだろうか?これは主要道路を外れた幹線道路である。(2011年1月撮... 続きを読む

連載小説『現代版津軽』その8偉大なる津軽に別れを告げる

        小説『現代版津軽』その8     偉大なる津軽へ別れを告げる(完) 仕事の都合で昨年末から今年初めにかけて、延べ25日間に渡って真冬の津軽半島を訪れた。津軽半島を訪れたのは二度目だったが、前回は一年半前にバイクツーリングで通った程度だった。したがって龍飛崎、観瀾山などの名所を除いては私はこの地をよく知らなかった。今回出張中の私が休日を利用して津軽半島各地を訪れる大きなきっかけとなっ... 続きを読む

哲学者太宰治の真髄を表した言葉

 小説『現代版津軽』その7         恍惚と不安と二つ我にあり 三分の二世紀前の太宰の足跡をたどる旅で私が金木駅の次に向ったのは芦野公園駅だった。小説津軽で太宰は芦野公園での逸話を次のように披露している。『その昔金木町長が東京の帰りに上野から芦野公園までの切符を求め、そんな駅はないと言われ憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言い、駅員に30分も調べさせ、とうとう芦野公園の切符をせし... 続きを読む

小説『現代版津軽』その6 斜陽館に秘められた呪い

小説『現代版津軽』その6          斜陽館に秘められた呪いとは? 澗の日本酒が回り、金木に着いた時はほろ酔い気分だった。私がこの町を訪れたのはちょうど二年ぶりで二度目だった。一度目は斜陽館(太宰の生家)を見たくらいであったが、今回はこの太宰の生誕の地をとらえ探索したかった。 したがってこの地に来てほとんど誰しもが訪れる斜陽館は今回は外観のみの見学とした。斜陽館の代りに私の心... 続きを読む

連載小説『現代版津軽』その5 地吹雪の中を走れ!メロス号

             小説『現代版津軽』その5   友を救うために地吹雪の中を走れ!メロス号 快速列車五能線「リゾート白神」に乗った私は、津軽鉄道乗り継ぎのため五所川原駅で降りた。五所川原市は現在人口6万強(現在は太宰の出身地の旧金木町も合併して五所川原に含まれる)、津軽半島の付け根のほぼ中央に位置し、津軽平野北半部の経済、文化の中心地として栄えた町である。太宰が小説津軽執筆時に訪れた昭和19... 続きを読む

連載小説『現代版津軽』その4地吹雪の津軽平野

       小説『現代版津軽』       その4 地吹雪の津軽平野 『地吹雪の津軽を見ずして津軽は語れない…』昨年末に津軽半島東海岸を列車で訪れた私はその思いを強くしていた。そしてついにその機会がやってきた。平成23年1月9日(日)私は2/3世紀前に太宰が小説津軽執筆のために訪れた津軽半島の足跡をたどるべく、津軽平野(板柳~五所川原~金木)の旅に出発した。 私は旅館で早い朝食をとり、まだ薄暗い蟹... 続きを読む

小説「現代版津軽」その3外ヶ浜

               小説「現代版津軽」          その3 外ヶ浜 列車が蟹田駅を出発したのは11時20分過ぎだった。「カタ・カタ・カタ・カタ…」ディーゼル列車は独特のエンジン音を鳴り響かせて走りだした。雪景色に覆われた津軽の原野に点在する小さな集落は寒村という表現が一番相応しいのかも知れない。それは日本文化独特のわびさびの観念に近いもので私の心をとらえ、一層本州最果ての地への旅情... 続きを読む

小説『現代版津軽』その2蟹田町

ノンフィクション小説「現代版津軽」            その2蟹田津軽半島東岸のほぼ中央に位置するのが蟹田(現外ヶ浜町蟹田地区)である。(写真参照) 蟹田はその名の通り、蟹の名産地としても有名である。昭和19年5月13日に蟹田の親友N君の家に泊った太宰はその夜猫脚(猫の足のような形をした脚がついた御膳)にお山のように積み上げられた蟹とリンゴ酒で歓迎を受ける。そして話題が先輩でもある一人の50年配... 続きを読む

小説『現代版津軽』その1はしがき

 小説「現代版津軽」                      その1 はしがき 現代社会はあまりにも便利になってしまった。インターネット、パソコン、携帯電話、家電製品、自動車…それだけに今回の津軽半島行きは私にとって大きな意味があった。  恵まれた環境を絶つことによって万物のありがたみを知り、現代社会の利便性に慣れきっていた自分自身をリセットする。そのような期待が私の頭をよぎった。それは... 続きを読む