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歴史小説「我がルーツと大河北上」(下)

歴史小説「我がルーツと大河北上」(下)この作品には上巻がございます。まだご覧でないかたは「我がルーツと大河北上」上をご覧ください。仙台藩士・細谷十太夫の電光石火ぶり話は一気に幕末に飛ぶ。我が仙台藩の幕末の行く末に目を向けるならば、藩祖伊達政宗公の築いた62万石の上に安閑と居座り、さしたる大義もなく(往時の仙台藩は徳川幕府をあくまで支持する佐幕派と薩長同盟を受け入れ会津を討とうとする尊王派がお互いに... 続きを読む

「我がルーツと大河北上」上

歴史小説「我がルーツと大河北上」三つ子の魂百までも父方祖父について、今になって思えば、軍人あがりの昔気質で頑固な性格となろうが、幼い私にはその片鱗すら感じさせなかった。菊の花と酒をこよなく愛した祖父に溺愛された私は、祖父のそのような本質を見通せなかったのである。祖父は時としてあぐらをかいて机に向かうことがあった。恐らく遠方に住む叔父や北海道に嫁いだ叔母に手紙を書く事があったのだろう。祖父の机の引き... 続きを読む

歴史エッセイ「佐沼城玉砕」

歴史エッセイ「佐沼城玉砕」佐沼城を訪ねたのは五月の連休中のことである。司馬遼太郎は自著の『馬上少年過ぐ』の中で、政宗の事を梟雄(残忍で強かなこと)と呼んでいるが、自らの策略がしくじりに終わった時の口封じに対して行われた仕打ちがそう言わせしめたと私は解釈している。天正18年(1590年)、伊達政宗が豊臣秀吉から北条征伐の命を受けた時、二十四歳の彼の心情を推し量れば、恐らく激情が走ったに違いない。「成... 続きを読む

随筆「平安時代を奔放に生きた貴族の墓を訪ねて」

随筆「平安時代を奔放に生きた貴族の墓を訪ねて」私は以前から名取市の農村部を走る東街道というものに限りない憧憬を感じていた。奥州合戦で源頼朝の率いた大軍が通過したのは東街道だったと言われている。旧道の多く消え去った昨今、その東街道の一部が往時の面影を留めている場所があるという。東街道への尽きない興味とともに、私の脳裏にふと浮かんだのが平安時代の貴公子・藤原実方(実方中将)の存在である。※藤原実方生年... 続きを読む

平安時代の貴公子の墓を訪ねて

私は今月に入って二度、或る人物の墓を訪ねた。その人物とは平安時代の貴公子藤原実方(別名:実方中将)である。一度目は10月1日(日)息子と岩沼市のゴルフ練習に行った帰り道に立ち寄った。二度目が10月12日(木)である。なぜ二度も訪ねたかというと、彼に関しての歴史エッセイを書きたいという強い願望があったからである。二度目の訪問の際は神罰が下って、彼が落馬したとされる道祖神社(佐倍乃神社)も訪ねた。名取... 続きを読む

名取市佐倍乃神社への探訪

木曜日は仕事が休みである。私はこれを利用して仙台市南部に隣接する名取市に向かった。県道(仙台-岩沼線)沿いに道祖神社の立札が立っている。道祖神社は佐倍乃(さのえ)神社とも呼ばれる由緒ある神社である。この脇道を入って行くと間もなく佐倍乃神社である。Google航空写真で佐倍乃神社の位置を確認して頂きたい。赤●の部分が佐倍乃神社である。すぐ北に「藤原実方の墓」とあるが、藤原実方(実方中将)は佐倍乃神社と関わ... 続きを読む

随筆「東奥の君子国相馬の生き残り」

※本作品は去る7月19日に掲載した記事「相馬の本城があった小高城址を訪ねて」を見直し、加筆や修正を加えて歴史エッセイとしたことを初めにお断りする。初めに「東奥の君子国」とは民俗学者故岩崎敏夫氏が自らの郷里である相馬を評した言葉である。岩崎敏夫氏(1909~2004)福島県相馬市生まれ。先祖は修験(山伏)で代々相馬家の祈願院だった。旧制相馬中から國學院大学高等師範部へと進む。大学では折口信夫、金田一... 続きを読む

歴史エッセイ『夜討坂ロマン』

歴史エッセイ『夜討坂ロマン』※前書きこのエッセイは先月二度に渡って訪ねた宮城県亘理町の旧道「夜討坂」を訪ねたことを基にいくつかの文献を調べ、史実を転用し、それに私の見解を加えて歴史エッセイとしたものである。一部において、過去に更新した記事との重複があることを始めにお断りしたい。ちなみに歴史上の事実のみを並べた郷土史史書と歴史エッセイは似ていながら根底で異なるものである。読者様には一部に私の想像を加... 続きを読む

歴史エッセイ『忠義か因果か?佐藤為信の生涯』

ミック挨拶この作品は三年前に東北福祉大学教授である岡田清一氏の歴史講座「戦国後期における伊達と相馬」http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31525745.htmlを受けたことをきっかけに、その後様々な文献を参考にし、数度に渡る現地取材を経て創作に及んだ歴史エッセイである。史実には忠実に書いたつもりだが、資料をすべて読んだわけでなく自信はない。また、一部には私の私見を加えた部分もあることを始めにお断りしたい。いず... 続きを読む

随筆「相馬藩士志賀直道の生き方」

本記事は過去の更新記事の随筆「相馬藩士志賀三左衛門直道と志賀直哉」を推敲したもので、相馬郷土史研究会に寄稿したものであることを最初にお断りする。歴史エッセイ「相馬藩士志賀直道の生き方」文豪・志賀直哉の生家は宮城県石巻市の住吉町にあった。これはずっと後年になって知ったことであるが、奇しくも小学生の低学年の際、私は彼の生家の前を通って毎日通学していたことを知り、その時から何か特別なものを感じている。中... 続きを読む

相馬藩士・志賀直道屋敷跡を訪ねて

 志賀直哉の祖父が住んだ屋敷跡昨日は有給休暇を使い、或る文豪の祖父(相馬藩士)の屋敷跡を訪ねた。少なくてもインターネットではヒットしない超マイナーなものである。情報収集には地元の図書館が一番。そう思った私はAM10時の開館と同時に相馬図書館を訪れた。その文豪とは志賀直哉である。彼の祖父の直道に関しては様々な研究がなされているが、相馬に於ける居住地はほとんど記されていない。このようなマニアックとも物好... 続きを読む

小説「我が後半生と武士道」

中編小説「我が後半生と武士道」後編  第三節「支倉常長への成りきり」発病から二年を経てうつを脱した私は「躁」という前代未聞の何物に向き合わなければならなかった。躁に変わりたてだったころ、私は所構わず大きな笑い声を上げた。恐らく今思えば快感を司る物質が体内から分泌されたからと思われるが、これが周囲の人に不快感をもたらすものだと気付いた時はだいぶ後になってからのことであった。それだけこの病は自覚するの... 続きを読む

中編小説「我が後半生と武士道」前編

※ミックコメント連休を利用して新たな中編小説に取り組みました。私がこの世に生きた証としてこの作品を残したいと思います。原稿用紙で30枚ほどの中編になるため、二回に分割しました。読者様に於かれましては何卒今後とも宜しくお引き回しのほどお願い申し上げます。中編小説「我が後半生半と武士道  」                               &nbs... 続きを読む

歴史小説金色の九紋竜とともに第九話「帰国と信仰」 

  歴史小説金色の九紋竜とともに       第九話「帰国と信仰」※日時指定投稿1620年8月初旬、支倉は従者6名とともにソテロをフィリピンに残し朱印船でマニラを出港した。支倉が渡航するとほぼ同時にソテロがメキシコに送還されるはずだったが途中で船が嵐に逢い、再びマニラに引き返してきた。支倉は順調な渡航を続け8月末には長崎に着いた。そして長崎でキリシタン迫害を逃れようとした従者3名と別... 続きを読む

歴史小説金色の九紋竜とともに第八話「最後の望みをかけて」 

  歴史小説金色の九紋竜とともに      第八話「最後の望みをかけて」 パウロⅤ世との謁見から三週間余りが過ぎた1615年11月20日、ローマ市街に市議会の招集を告げる鐘が鳴り響いた。この日の会議で満場一致のもとで支倉と従者7名(ソテロと通訳も含む)に「ローマ市民権証書」が贈られることが決まった。また支倉には貴族位も贈られることになった。ローマ市議会はその理由を支倉が徳や高貴... 続きを読む

金色の九紋竜とともに第七話「ローマでの栄光」

  歴史小説金色の九紋竜とともに     第七話「ローマでの栄光」 きょうは当時ローマ法王であったパウロⅤ世に敬意を表し、バチカン市国国歌の吹奏をリンクする。まるで宗教音楽を彷彿させるような深く荘厳な趣のメロディーを味わって頂きたい。また2分22秒からは歴代の法王の画像が登場する。 Vatican National Anthem  すべての道はローマに通ずるとは17世紀のフランスの詩人ラ・フ... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第六話名誉の洗礼

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 そろそろこの歴史小説も佳境に入って来た。きょうは今回のメインであるイスパニア王国(現スペイン)に敬意を表し、同国国歌をYou Tubeにて吹奏する。極めてゆったりとしたテンポの重厚かつ荘厳なメロディーは日の沈まぬ大国の威厳を感じさせるに十分である。 Himno Nacional de España       第六話「名誉の洗礼」既にマドリード入りして二週間が過ぎた1615年1... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第五話

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」    第五話「セビリアでの使節」 一行がスペインのサンルカール・デ・バラメダに到着したのは1614年10月5日のことだった。大西洋に面したこの地は地中海の入り口とも近く、秋とは言えこの日はまだ汗ばむほどの陽気だった。支倉らの使節三十名を乗せたサン・ヨセフ号はグァダルキビル川の河口に沿った大きな港に入った。ここで一行はソテロの口利きでアルマダ海戦(1588... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第四話

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」   第四話「大西洋を初めて渡った日本人」 1614年7月22日、支倉ら30名ほどの使節を乗せたデ・アントニオ・デ・オケンド司令官の率いる船団はメキシコのベラクルス港を出港した。この航海が一般の大西洋航路と違うのは出航時期が三ヶ月ほどずれていたことであった。ここで気の早いハリケーンに遭遇すれば万事休すことになる。それだけにこの航海は危険と隣り合わせであ... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第三話

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」     第三話「 メキシコでの使節団」 1614年1月末、サンファン号はまだ開港したばかりのメキシコのアカプルコに入港した。月浦を出てから既に三ヶ月が経っていた。この時代船が外国の港に入るときは敵意がないことを示すために礼砲を鳴らすのが慣わしだったがサンファン号もこれに倣って十数発の礼砲を鳴らした。「あれはイスパニア(スペイン)式のガレオンだぞ!」次... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第二話

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」     第二話「 太平洋に挑む」 文明の利器もなかったこの時代に500トンもの大船を無事に沖に送り出すには三つの条件が必要であった。一つ目は引き潮を利用すること。二つ目は適度な風が吹いていること。三つ目は大安吉日であることであった。そしてこの三つを満たす日が西暦1613年10月28日であった。この出航日の決定にあたっては事実上のブレインとも言えるビス... 続きを読む

これが小説執筆の舞台裏です

   創作活動に必要なものとは?皆さん、今晩は。実は30分前まで現在連載中の歴史小説「金色の九曜紋とともに」の第二話のサンファンバウティスタ号の出航の模様をアップする予定でしたが、きょうが先負ということなので、縁起を担ぎ次の大安が来るまで掲載を待ちたいと思います。ちなみに四百年前にサンファンバウティスタ号が船出した1613年10月28日も大安吉日でした。私もこれに倣って船出の記事の掲載を次の大安に... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」第一話

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」    第一話「波乱含みの幕開け」 奇しくもこの侍が仙台領月浦港を出港したのは今からちょうど四百年前、時代は戦国の世を経た徳川時代であった。数奇な運命を辿った侍の生涯を語る上において、そこには泰平の世を迎えつつ、果てしない野望を生涯持ち続けた主君が存在したことを忘れてならない。侍は主君の命令が全てである。主君から出陣の命があればいつでもこれに従わなけれ... 続きを読む

歴史小説「金色の九曜紋とともに」プロローグ

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」        プロローグ 伊達政宗はひときわ金と関わりの深い武将であった。言うまでもなくこの時代の金は戦国大名を支える大きな経済基盤となるもので、佐渡島の佐渡金山、山梨の湯之奥金山、宮城の大谷金山と有力な大名はこぞって金山を探し当てようと必死になった。政宗もこの一人であった。彼はこの金を秀吉や家康への貢物として、或いは自藩の軍事力増強に用いて、何度もお家... 続きを読む

歴史小説掲載します

 歴史小説「金色の九曜紋とともに」 この装飾品をご覧頂きたい。このブローチは今から四百年前、奥州王伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節団がヨーロッパから持ち帰ったとされる黄金のブローチである。この黄金のブローチは政宗の墓所である仙台市の瑞宝殿から政宗の副葬品として発掘されたものである。政宗は終生に渡ってこのブローチを大切にしていたという。このブローチに極めて似たものを紹介する。瑞宝殿の扉に施され... 続きを読む

命をかけた私の使命(後編)

前編をお読みでないかたはこちらをクリックしてください。↓↓↓http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/23968797.html日本ブログ村、短編小説ランキングに登録しています。クリックしていただくとランキングと注目度が上がります。↓↓↓↓↓https://novel.blogmura.com/novel_short/ ノンフィクション小説「支倉常長と私」後編第3章『新たなる決意を誓う』男は侍のような強い心がほしかった。そして心の傷(ブログ休止にともなう最近の一連... 続きを読む

命をかけた私の使命(前編)

日本ブログ村、短編小説ランキングに登録しています。↓↓↓↓↓https://novel.blogmura.com/novel_short/はしがき平成17年冬、初めて単身赴任を経験した私にうつの病魔が襲いかかった。自分だけはうつにならない…という考えはもろくも崩れ去った。この作品は私のうつ病との壮絶な戦いと、自らの使命に命をかけた一人の数奇な運命をたどった侍の対比を描いたノンフィクション小説である。ノンフィクション小説「支倉常長と私」前編第... 続きを読む