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志賀直哉「清兵衛と瓢箪」

   志賀直哉 「清兵衛と瓢箪」 本ブログでは今までに志賀直哉の長中短編の作品を4つ紹介してきた。(長編:暗夜行路、中編:和解、短編:城の崎にて、小僧の神様)今回は短編の中でも代表作の一つとされる清兵衛と瓢箪を紹介する。                              清兵衛と瓢箪粗筋 清兵衛は十二歳の少年である。瓢箪が好きで、毎日瓢箪のことばかり考え、磨いたりながめたりしている。しかし... 続きを読む

魔界への逃避

フランツ・フォン・スッペ「軽騎兵序曲」「軽騎兵」序曲  フランツ・フォン・スッペ いつもの通勤途中の仙台市郊外の田舎道、忍び来る秋を前にして心なしか稲穂が黄色く色づき始めたようだ。私は路肩に車を止め、朝もやに霞む仙台市街地を眺めた。  都心のビル街は何とか見えるものの、その向こうに連なるはずの奥羽山脈の山並みは全く見えない。もしこ地に初めて来た人ならあのビル街の向こうに一体何があるのか全く分か... 続きを読む

炎天下の山形路のバイク旅

 気温34度の山形盆地を疾走する もしあなたは暑いのになぜバイクで走るのか?と問われたら「そこに風を切って走れる道があるからです。」と私は答えるだろう。  私にとってきょうは久しぶりの山形路だった。これは宮城-山形県境の関山トンネル入口であり向こう側が山形県である。高地ということもあり、AM10時ころの峠の気温は27度、これくらいだと暑さはさほど気にならない。これは関山峠近くの山形路だが、きょ... 続きを読む

百年前の仙台平野を描写した小説「南小泉村」

 明治42年出版、真山青果著小説「南小泉村」皆さんはこの航空写真を見てどう思われるだろうか?ここは仙台市中心より3キロほど南西部に行ったあたりで若林区の南小泉地区である。 この航空写真を見る限り、100年前のこの地域がのどかな農村だったと推し量れるものは何も感じられないが、すぐ近くには遠見塚古墳や法領塚古墳もあり、中世からの多種多様な歴史の足跡が顕著に偲ばれる地域でもある。 ※黄色の○印が前回取... 続きを読む

自己ブログの図式化と今後の方向性

  自分のブログは客観視しなければならない既に半年前に公開しているが、これは約半年前(2012年2月24日時点)の私のブログの各書庫の記事数の統計である。そして本日、ブログの設定から「統計」をクリックしてみた。皆さんには両者の違いがおわかりだろうか?黄色で囲んだ「自作エッセイ」が一挙に5位に浮上、しゃれたCafeは半年で8記事を追加、「近世以前のもの」と「旧道を訪ねて」がそれぞれに大幅に増えたことがお... 続きを読む

アルゼンチンマテ茶が美味しい都心のカフェ

  William Tell 序曲  William Tell Overture  秋を感じさせる澄んだ空気のもと青葉城へ めっきり朝夕涼しくなった我が町仙台、虫の鳴き声が日増しに増え、心地良ささえ感じる昨今だが、この日の気温は30度、まだまだ残暑はあるものの湿度が低めなのでだいぶしのぎやすかった。  午後1時半、私は愛車KRを駆ってもっとも仙台らしさを感じる青葉区青葉山の仙台城上り口に来ていた。これは青葉城脇櫓のそば... 続きを読む

東北太平洋側4県の食堂&ランチ紹介

 ランチは食の原点であり、人のやる気を左右するものでもあるきょうは6月~8月に外食したランチを紹介します。まず最初は青森県むつ市の「レストラン吉田」です。時期は確か6月20日前だったと思います。 場所はむつ市の中心部にあります。人口は5万ちょっとのむつ市ですが下北半島の中心都市です。ここはむつ市の中でも繁華街にあたる田名部という地域です。地方都市独特のローカルな雰囲気が漂い、なかなかグー!です... 続きを読む

緑の定義街道とワーズワース的心

   旧道定義街道を行く小旅曇り空で太陽が遮られ、ややしのぎやすかった本日、私は仙台~定義山(じょうぎさん)に向かう定義街道を通り目的地の広瀬文化センター図書館へと愛車シェルパを走らせた。道ばたには旧道らしくこのような祠があちこちに立っている。最初の祠から100メートルちょっとで次の祠に遭遇。ここは登山道「見晴らしの森」の入口にあたる場所である。地図で本日の走行ルート(定義街道)と写真撮影地点を確... 続きを読む

法領塚古墳と南小泉集落の関わり

 古墳探訪シリーズ第3弾「法領塚古墳」の探索 当ブログではつい最近、東北の古墳の探索について掲載する旨を皆様にお伝えしたが、本日は①宮城県名取市の雷神山古墳②宮城県仙台市若林区の遠見塚古墳に次ぐ三番目の掲載として宮城県仙台市若林区の法領塚古墳とその周辺の現南小泉地区との関わりについて取り上げ、お伝えすることにする。  盆休みである本日、私は仙台市中心部より1キロほど南西に位置する荒町を通って法領... 続きを読む
[タグ] 法領塚古墳

早朝散歩のもたらす効能

 散歩が心に余裕を生み、新たな思考に繋がるきょうから年次休暇を入れ11連休に入った。私は本日昨今の朝の涼しさを実感するために散歩コースの一つである近所の公園に足を運んだ。時刻はまだ5時前、途中犬を連れた一人の散歩者と逢ったきり誰とも遭わない。公園に近接する地主の家には昔ながらの立派な屋敷林が残る。こんな屋敷林を眺めるのも散歩の楽しみの一つである。 ここはブログの書庫の「旧道の探索」で紹介したところ... 続きを読む

30t超の鉄の塊が大地を力強く疾走する

 津波に襲われた田園地帯に入る重機 ゴォ~!ディーゼルエンジンが怒ったような唸り声を上げる。 次の瞬間、鉄輪がが大地をグリップ! 強大なトルクは30トンを越える鉄の塊を軽々と前に進める。 その迫力たるや、マシンから50メートル離れたところでも地響きが伝わるほどだ。 きょうの仕事帰り、私は全く偶然にこんな建設現場に出くわした。 左が転圧(重さや振動を利して大地を踏み固める建設... 続きを読む

仙台七夕と青葉城恋唄

 きょうの仕事帰り、私は買い物のため郊外の高台にあるスーパーに立ち寄った。昨日もきょうもにわか雨に見舞われた仙台市内だが今宵はこの通り、まあまあの天気だ。  きょうは仙台七夕中日である。七夕飾りや街中の混雑もさることながら、地元に住む私にとっては「また今年もこの日が来たんだな。ああ、今年の夏もいよいよ折り返しだな。」という気になる時節でもある。  今年は七夕の三日間がウイークデーということ... 続きを読む

群青色の無双な人生を歩む

 夕焼けがきれいな晩だった。週末の薄暮、夕日と雲の織りなすファンタジー(幻想曲)が私を魅了した。ピンクから紫、ブルーへと到る様々な色彩は人間の奥底に潜む複雑な心理とも似ていた。  日中は大空の片隅に漂うだけだった浮き雲が夕がたになって主役になった。やがて浮雲は夕日をいろんな角度に反射させ、たそがれの空を七変化に演出した。私はその感動を幻想曲「Charitos of Fire」に重ねた。その雲のさまは様... 続きを読む