FC2ブログ

自作短編小説「雪玉遊び」

   少年時代に熱中した冬の遊びとは 鉄人28号や鉄腕アトムといったロボットが少年のヒーローだった時代、男の子の遊びと言えばかくれんぼ、鬼ごっこ、ケン玉、ビー玉、パッタ、ベーゴマ、プラモデルといったものが主流だった。私が石巻に居た小学校低学年時代仲よしだった遊び仲間は5人。  私の他のメンバーはやんちゃで女子のスカートめくりばかりやっていた問題児の引田、大人しくて何をするにも目立たなくて人づき合... 続きを読む

「人生の分水嶺と或る上司の死」

Queen Too Much Love Will Kill Youhttps://youtu.be/Ln43KXwDKpM※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※          私小説「人生の分水嶺と或る上司の死」  雲の中にに一滴の水があったとしよう。そしてその水が雨となって地上に落ち、ちょうど分水嶺(分水界に当たる山脈、水の流れる境目)のところに落ちたとしよう。当然ながらその一滴にとってこれから流れる水系は選択肢に於いて二という数字はなく、一しかない。... 続きを読む

青空に恵まれた仙台市街を爽快に歩く

 久しぶりの青空を満喫し、至福のコーヒータイムへここは仙台市青葉区のメディアテーク仙台。昨日は大雪に見舞われた仙台、きょうは市内のあちこちで雪かきする姿が見られた。 昨年秋からずっと図書館通いをしているが、きょうは二週間に一度の返却、貸出の手続き日である。市民図書館は各区に一つずつあるがこのメディアテークの中には青葉区図書館が入っている。  窓ガラスの反射する青空と白い雲が眩しい。厳寒期にこの... 続きを読む

志賀直哉の石巻生家と東京麻布の住まい

   志賀直哉石巻生家と東京麻布旧邸  宮城県石巻市で生まれた志賀直哉は物心のつかない2歳までをここで過ごす。この後、彼は生涯で三度ほど石巻を訪れたが石巻の思い出に対してさほど多くを語っていない。このころの直哉のやんちゃぶりを示すエピソードとして、明治17年(直哉が1歳半を過ぎたころと推定)の直哉の実母銀が祖母留女にあてた手紙の一節を紹介する。(手紙は旧かなづかいなので本ブログが現代の言葉遣い... 続きを読む

エッセイ「ミッドタウンの檸檬」

  街角で出会った檸檬に彼は何を感じたのか? あれは二十代後半のころだった。仕事で帰りが深夜に及んだ時、よくこの交差点の信号で足止めを食らった。町のど真ん中にあるため、この信号は深夜でも点滅にならないのだ。そんな時新幹線の高架橋とJR在来線と国道45号線が交わるところにレンガ色のビルが建っているのに気づいた。 時刻はこの日も午前1時を回っていた。さすがに交通量はまばらだ。私はカーステレオでお気に入... 続きを読む

自作小説「男の縮図」

  時を経て暗闇に葬られようとする男の縮図          短編小説「男の縮図」  今より若い時分、仕事柄あちこちの地方を訪れては夜の町に足を運んだ。その様子はあたかも、海をまたいで様々な港を渡り歩く船乗りとも似ていたのかも知れない。歳を追うごとに、昔花街と言われたこれらの街の昼の顔と夜の顔がまったく趣を変えるが如く多くの人間の内面には明と暗の両面が存在するのを肌で感じてきた。  こ... 続きを読む

131年前に植えられたトチノキ林に見る先人の慈愛

      住宅地に囲まれたトチノキ林の見学 成人の日に降った雪がいまだに解けないばかりか昨日も雪化粧した仙台地方、車道の多くの雪は既に解けたが、日が当たらない細い車道や歩道はまだまだ雪が残っている。しかもそのほとんどが踏み固められて圧縮されいるので、路面コンディションは圧雪やアイスバーンとなっている。  こんな時はバイクにも乗れないしゴルフもできない。それなら家で大人しくしているしかないのか... 続きを読む

瀬戸内の名も知らぬ大小の島々が如何にも物珍しく愉快だった

 知の回廊『志賀直哉 対立から調和への道程』 ※動画の最初(1分23秒まで)には製作者である中央大学のコマーシャルが入ります。知の回廊 第60回『志賀直哉 対立から調和への道程』「瀬戸内の未だ名も知らぬ大小の島々、そういう広い景色が、彼には如何にも物珍しく愉快だった」         (志賀直哉、「暗夜行路」前編より抜粋)  小説の神様と言われる作家志賀直哉は生前に23回の引っ越しをしたと言われる... 続きを読む

今から十年前を描いた私小説「ネリヤカナヤからの授かりもの」

  外海である太平洋の荒波が岩を削り、石を転がす    そそりたつ岩に挟まれた海岸に 波音は唸りのように反響し   引き波とともにさらわれる玉石がぶつかりあい   地中に吸い込まれていく泡が音をたてる   目を閉じれば地球というコンサートホールに拍手の嵐が渦を巻く    以上、山川さら著、㈱星雲社「ムンユスイ」より引用  私にはどんな宝物よりも大切にしている一個の石が... 続きを読む

仙台平野の広大な沖積層を実感する小旅

沖積層が沃土を産み、豊かな稲作を平野にもたらす 今年の仙台はまだ本格的な積雪は見られない。去る1月9日に軽く雪化粧したものの、大した積雪には到らず週末にはほとんど解けてしまった。こんな冬の好日には郊外に行くしかない…、昨日の朝はそんな気持ちで家を出た。  この日の大きなターゲットは三つ、一つは沖積層と言われる広大な仙台平野の東部を実感すること。もう一つは梅田川、七北田川の河川沿いの遊歩道を歩き... 続きを読む

無事是名馬を願いささやかな週末の晩酌をたしなむ

 人よりすぐれいい暮らしをし、いい人生を送りたい…ほとんどの人間には富や名声を得たいという欲望がある。  だがそれは「大河の一滴」のような存在の人間にとって果たしてどれほどの意味のあることなのだろうか?  「無事是名馬」…私はつい最近改めてこの言葉に触れ、数年前ある会社の名刺を頂いたときに経営理念としてこの言葉が書かれていたのを思い出した。  無事是名馬とは文芸春秋社の創始者であり、「父... 続きを読む

ブログを大幅にリニューアルしました

 更に見やすく、よりアピールするブログを目指して お気づきのかたもいると思いますが、年明け早々ブログをリニューアルしてみました。主な変更点は①背景色を白色系に変更【理由:プリンター出力時のインクの減りを最小限に押さえるためなるべく白色に近いものを選びました。】②書庫の整理と順序の変更【理由:書庫の中で一番アピールしたい自作小説、エッセイを一番上のほうに配置しました。】          ... 続きを読む

三十数年前に仕事を担当した大正時代の建物

  あのころの面影は果たして見つかるのか? 去る1月4日のことである。私は年始休暇を利用して三十数年前に自分が改修工事を担当した大正時代の国鉄の官舎の建物の面影を探しに仙台市宮城野区の陸前原ノ町駅を電車で訪ねた。陸前原ノ町駅は仙台と石巻を結ぶ仙石線の仙台から数えて三つ目の駅である。この日は年末休み中とあって電車はガラ空きである。ここで注目してもらいたいのは電車の向うに見える明かりである。実は青葉通... 続きを読む

新春特集私小説第3弾「私の駆出し時代」

 私小説「私の駆出し時代」             はしがき  建築の現場管理という仕事に携わって三十数年が過ぎた。世間ではよく「他人の仕事は実像より、或いは自分の仕事よりも良く見える。」と言われる。果たしてこれは本当だろうか。そういう私もこの仕事以外は内勤で少し積算を経験しただけなので他の職種がどんなものであるのかは知らない。  ただ言えることは自分の采配、行動が会社の信用のみでなく損益にか... 続きを読む

沖縄への回想…いつか再び…

  私小説「ある年の暮、沖縄にて」 ある年の瀬のことだった。仕事で行き詰った私は傷心を癒すために年も押し迫った12月27日、沖縄へと向った。私はここ一ヶ月の間、テンションが落ち込み気味で何もかも全てが嫌になった気がした。  現実からの逃避したいということもあったが、沖縄を選んだのはこの寒い時期南国沖縄に行けば何か心の安らぎが得られるかも知れないし、冬でも気候温暖なこの地で痛み蝕まれた心の療養を... 続きを読む

新春特集私小説「人生の壁を打開する方法」

 私小説「仏閣巡りで人生の停滞を打開する」       はしがき(私が神社仏閣巡りをするようになったきっかけ)   近代文学の巨匠と言われる志賀直哉は当時の小説家としては珍しく88歳の長寿を全うした作家であり、その生涯は順風満帆だったように見える。事実この動画でも紹介されている尾道の住まいも実父からの1000円(今の金で約300万)の援助資金があったからであり、資産家の御曹司として育った彼は... 続きを読む