fc2ブログ
 Himno Nacional de Chile 

エッセイ「大航海時代とチリ」
もし世界史の中でどの年代に一番興味があるか?と聞かれたら迷わずに「大航海時代です。」と答えることだろう。折しも、最近横井祐介著「大航海時代大全」なる本を購入したばかりである。世界史に接して再認識するのはこれまで地球上には様々な小民族が現れては消え、その多くが短期間の間に滅んでいったことである。その数を挙げるならば数え切れない数になる。但し民族は滅んでもその遺伝子は何らかの形で後世に残ることが多い。こうして人類は古来から繁栄と衰退と滅亡を繰り返し、後世に血を残していくのである。


然るに、世に「滅びの美学」なる言葉が存在するが、私は滅んだ民族に目を向けることはけして無意味なことではないものと考察する。むしろ、滅んだ民族の存在を知ることで生き残ることの真意がわかってくるとも言える。広角的視点で今日の人類の発展を捉えるならば、多岐に渡る民族のシャッフルは人類の大対流とその後の大いなる繁栄を促す礎となってきた。私はここに果てしないロマンを感ずるのである。

さて、西欧文明は中世まではけして東洋の文明にアドバンテージを持つものとは言えなかったが、15世紀に始まった大航海時代は未曾有の改革を世界にもたらし、それまでの東高西低の文明の図式を塗り替えるものとなっていった。大航海時代はそれまでイスラム勢力に押されて東アジアやインド進出を阻まれた西ヨーロッパ(ポルトガル、スペイン)に新時代の到来を告げるものでもあった。この時から彼らは世界のイニシアチブを握ったのだ。そして、彼らの武器となったのは帆船と大砲と聖書であった。

大型帆船の開発は一つの航海で数千キロという距離の巡航を可能とし、最新鋭の銃は圧倒的な武力となって彼らを未開の奥地へと進めた。但し単なる力だけでは通用しないのが世の常、彼らにはキリスト教布教という大義も必要であった。三種の神器とも言えるこの三つは彼らの野望を遂げる原動力にもなり、アフリカやアジアやアメリカの各大陸に於いて、それまで無数の少数民族から成り立っていた分布を一気に変えるに至った。

さて、前置きが長くなったが、きょうのテーマであるチリ共和国について語りたい。改めて地球儀を眺めてみるとわかることであるが、球状の地球に於いて、我が日本の反対側に位置するのはアルゼンチンでありチリである。チリ共和国の地図を見て気づくのは非常に細長い国であるということである。縦と横の比率について述べるならばこれだけ細長い国は存在しない。この細長い国土は太平洋プレートの地殻活動のために出来たアンデス山脈の隆起によるものである。



次にチリの歴史について述べたい。15世紀後半にアメリカ大陸がコロンブスによって発見されてから数十年が経ち、チリは16世紀初頭にそれまで前世紀から支配をしてきたインカ帝国はスペイン人探検者ペトロ・デ・バルディビアによって征服された。その後、約300年間スペインの支配を受けるものとなった。そしてスペインからの独立戦争は、マイプ、チャカブコ、ランカグアなどチリ中部での度重なる戦闘の末、南米独立の英雄サン・マルティンの援助を得たべルナルド・オヒギンス率いる独立軍の勝利で終止符が打たれた。

中南米国歌の多くがそうであるように同国の国歌もこれらに劣らず誇り高く尊厳に満ちたものである。また原住民インディオと白人の混血はメスティーソと呼ばれ、中南米諸国に多く見られるが、チリ共和国の場合は隣国アルゼンチンのようにスペイン系白人が多いようである。
関連記事
[タグ] 大航海時代大全

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)