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亘理地方を治めた名将、伊達成実を偲ぶ
私は昔から大晦日や元日に出て歩くことが多かった。無類のへそ曲がりということもあって、日本人特有の年越しとか年の瀬や年始めにけじめをつけるという慣習が全くピンと来ないのだ。但し、罰当たりと称され初詣にも行かない私が元日に出て歩き、何も気にならないと言ったら嘘になる。日頃から他人の好奇な視線にさらされ、心臓に毛が生えているのを自覚している私であるが、元日早々家族からの冷たい視線だけはさすがに気になるのである;

それでも家の中で何もしないでゴロゴロしているのは一番苦手なことゆえ、思い切って早朝に家を出る決意に及んだ。こうしてまだまだ薄暗い6時前に、私は「初日の出を見てくる」と見かけ倒しの置き手紙を書き、家族が寝静まっている間に家を出た。昨夜は少しだけ積雪があったようだ。念のためスノーブーツを履き転ばぬよう慎重にバリバリの凍結路を進んだ。そして仙台駅に着くと既に常磐線浜吉田行きの列車がホームに停車していた。



元日早々気分はワトソンと言ったところである。
左が今朝のミック、右がストランド誌に掲載されたシャーロック・ホームズと友人のジョン・ワトソン(ボスコム渓谷の惨劇より)である。

途中で阿武隈川に掛かる陸橋で初日の出を見ることが出来たが、本記事のテーマから逸れるゆえに敢えて割愛する。



亘理駅から歩いて、早朝から転勤のための不動産(賃貸アパート)やショッピングセンターを下見した。仙台と違って雪は全くなかったが所々の水たまりには氷が張っていた。どうやらスノーブーツを履いてきたのは正解だったようである。

こうした別の目的もあったため、亘理要害跡(現亘理神社)にはかなり遠回りして到着する仕儀と相成った。これがかつて要害があった場所である。



航空写真で亘理駅(黄)と亘理要害本丸(赤)の位置を確認して頂きたい。約1キロほどの距離である。



明治維新前に本丸には二十棟以上の建物があったとされるが、その総てが取り壊されたようである。



亘理要害の航空写真をアップでご覧頂きたい。道路によって分断されているのがわかるが、これは仙台藩が敗戦後に賊軍として扱われたことも影響しているのではないだろうか?



これが亘理神社の社殿である。ご覧の通り雪はまったくない。



伊達成実に関してはこの像と一枚の絵によってのみ往時の風貌が偲ばれる。甲の模様は毛虫をイメージしたものであるが、これはどんなことがあっても後ろに下がらないという決意の現れとも言われている。

彼は猛将として名を馳せた人物であるが、単なる猪武者に非ずインテリでもあった。それを証拠に彼が後世に残した文献「成実記」は往時の伊達家の動向を事細かに書き留めた著物として非常に評価の高いものである。



NHK大河ドラマで伊達成実を演じた三浦友和。会津摺上原で宿敵芦名軍と合戦に及ばんとする表情はまさに猛将そのものではまり役であった。



(以下ピキシブ百科事典より引用しミックが編集)
伊達成実(1568~1646)
伊達実元(伊達政宗の叔父)の嫡男として生まれる。幼名は時宗丸。仮名は藤五郎。政宗とは従兄弟。政宗や片倉小十郎と兄弟のように育。伊達家中の中でも、殊に武勇に高く、人取橋の戦いでは、奮戦して伊達政宗を逃がし、郡山合戦や摺上原合戦では、宿敵蘆名軍と渡り合う。また権謀術数と言われた智将大内定綱を調略して伊達軍に服属させなど武勲のみでなく、交渉術に於いても抜群の采配を見せる

筆頭家老を石川昭光に奪われたことへの不満か、一時の出奔を経て数年音信不通となるも、関ヶ原の戦いが起きた同年になって再び伊達に帰参する。1603年からは亘理城に入城し、その後伊達家中にて数々の大役を担う。戦国武将に於いて享年満78歳は異例とも言える長命であった。子孫は仙台藩内では分家の重鎮となり、明治維新後は北海道の開拓などで地名に「伊達」を残す。



社殿の後ろから境内を眺めた。如何にもつわものどもが夢の跡といった印象である。



城(要害)の周りにはかつては四方堀が巡らされていたが、今はこの南側のみが往時の面影を留めており、他の三方は埋め立てられてしまったようだ。



本丸の一番奥のほうには戊辰戦争で戦死した仙台藩士の供養塔があった。



1868年、相馬藩脱落の後、福島浜通りでことごとく破れさり、この御館で仙台藩は降伏したとのことであった。



伊達成実公がここ亘理地方を司ったのが役400年前ならば戊辰戦争はまだ147年前であり、これらの年代の差は実に250年以上にも及ぶことになる。
但し、歴史は紛れもなくこうした人々によって作られてきたのである。私はその壮大な時間の流れに浸りつつ、大いなる感動を胸に抱き元日の亘理町を後にした。
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