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 Ben Webster-blue Light
   ポエム「若き日に見たBlue Light
歳を重ねる毎に現実と幻の境は朧げになる。然るに、私は今まで多くの幻を見てきたのかも知れない。あれは現実と思えることが実は幻。私は多くの人々の多様な生き様に接するに連れ、そんなことがあってもちっとも不思議でない気がするのだ。どんな御仁であろうが、人の存在など所詮芥子粒のような存在ゆえ、大差などあるまい。

どうせ、大差がないのならいい幻を見たい。あれはうら若き時節の夏の日ことだった。私は一日の仕事を無事に終えて、仕事仲間とともに夜の街に繰り出そうとしていた。間もなく夕闇に飲まれようとする街中はBlueLightに包まれていた。たった一時間の間に夕焼けはBlueLightに包まれていった。私が意識する前に主役が入れ替わったのだ。

この時、私の胸に衝撃が走った。それは、その一時間が私にとって掛け替えのない時間に思えたからだ。夏の日のBlueLightを意識できたのは星の瞬きの如く、己の一生にとってはほんの一瞬である。だからこれをしっかりと受け止め、謳歌せねばならないと感じたのだ。だが、その時の私は余りにも未熟ゆえにそれに至らなかった。こうして私にはずっと先まで後悔だけがほろ苦い思い出として残ったのだ。

そうこうしているうちに私も歳をとった。多くの現実は幻と区別がつかないものとなってきたのだ。現実にしろ、幻にしろ大河のような壮大な人間の流れからすればそんなことはどうでもいいことなのかも知れない。但し、歳をとった今だから言えることがある。それは人の幸せは相対的なものでなく絶対的なものであるということである。だから私は己の価値観にこだわり、現実か幻かを己に問う前に、若かりしあの日の失敗を今でもほろ苦く思い出すのである。
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