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或る土曜日、仙台トラックターミナルを訪ねて
私は人から使われるのが苦手である。だからサラリーマンには向いてない。この性格が災いし、今まで何度も冷や飯も食わせられてきた。だが最近は冷や飯とて悪くないと考えている。冷や飯は水を差せば柔らかくなるし箸も通るようになるからだ。冷や飯とて兵糧には違いないのだ。どんな兵とて兵糧責めされ、食を断たれればたちまち参ることだろう。兵糧責めと冷や飯とはまったくの別物である。従って昨今冷や飯が出てくれば大相撲の関取のように手刀を切って、これをありがたく頂戴することにしているのである。

サラリーマン生活も残すところ後僅かである。今更転業してもしかたない。ましてこんな頑固者を雇用してくれるところなどはどこにもない。ここは惰性で乗り切るしかあるまい。だが私はここで自問自答に及んだ。そんな型破りな人生にあっても、もしもう一度やり直しが利くならばどんな職業が適していたのだろう?

昨日、私は早朝の電車に揺られながら、このような取り留めもないことを考えていた。そんな思いつきを胸に秘めつつ向かったのはJR仙石線苦竹駅である。時刻はまだ七時十分を過ぎたばかり、いつものこの時間は勤め人で賑わうこの駅だが土曜日の早朝とあって人影はほとんどない。

この駅は立体式の高架橋の上にある。ビルで言えば4階建てと同じくらいである。
ホームからこれから行くであろう方角(南東方向)を望んでみた。手前の青い屋根の建物は自衛隊苦竹駐屯地である。

この日のおおよその経路を地図でご覧頂きたい。片道で7キロほどの行程である。

苦竹駐屯地の北門である。確かこの辺りはブログ仲間のKさん(現在青森県在住)が以前お住まいだった近くと記憶している。敷地の外でゴミ拾いをしていた隊員さんらしきかたに道を訪ねたことろ、極めてインパクトの強い沖縄なまりで教えて頂いた。自衛隊員はやはり日本全国いろいろな出身地から来ているのだと察し、感心した次第である。

駐屯地北門から約1キロ歩くと仙台東警察署の前に差し掛かった。

警察署の前の一本道(歩道)を延々と歩くそれがし、目は老眼が進んだものの足は衰えていない。これが唯一の取り柄である。

土曜日の早朝とあって車の通りが少なく気持ちがよい。曇空ゆえに気温が抑えられているのも幸いである。

四車線の歩道をしばらく歩くとこのようなポプラの美しい横丁が目にとまった。
さすれば予定変更してでも、この道を行くしかない。気楽な散策ゆえにもともと予定などあってもないに等しいのである。

ポプラの街路樹を楽しみながら、好奇心の赴くままに歩いた。いつの間にか気まぐれな私は元の四車線のほうに戻されていた。

ここで面白い建物を発見した。仙台T.Sとは一体何なのだろう?

実はT.Sはトラックステーションの略で、トラック協会が作った厚生施設(トラックドライバーのためのシャワー室、トイレ、簡易休憩所)のようである。トイレを借りるつもりで中に入ってみた。

あづま茶屋はちょっとした喫茶店であるが、AM8時開店ということで残念ながらまだ開いていなかった。

トラックドライバーの便宜に答えるために、掲示板にはこのような交通情報が掲載されている。

冒頭の話に戻るが、人に使われるのが苦手な私としては、もう一度人生がやり直せるのなら、このようなトラックドライバーという選択もけして悪くない思った。

しかしながら、これは単なる私の抱いた都合のよい妄想であり、現実は甘くないのかも知れない。彼らは彼らで時間に追われ、眠気と常に戦わなければならない。要は全てに於いて楽な仕事などないのだ。長距離便のトラックを目の前にして私はそのように自分に言い聞かせ次の目的地へと向かった。

次回は若林区霞ノ目地区の横綱谷風の墓についてお伝えする予定である。
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コメント

No title

不あがりさん、真髄に迫るお言葉を賜りました。それがしはこれまで怒涛の荒波をまともに受けながらも一歩も退かない人生を貫いてきました。
その暁として冷や飯を厭わない性格が形成されたと考えます。ボクシングで言えばファイターです。
それがしはこれを貫くしかないというのを百も承知でおります。
昨日はそれを踏まえたうえで取りとめもない妄想にふけって参りました。たまにはこんな自分も許される。想像の世界なら…
そう考えた次第です。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

子供の頃は、バスや電車、汽車の運転手が人気でした。
今は誰でもが手軽に車を運転出来ますからね。
昔、仙台では、車などに乗ってスピード感が気持ちいい事を表すのに、子供達は「アンペー」とか「アンペーなー」と言っていました。
とっくの昔に死語になっているでしょうね。

URL | ginrin ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

こんにちは!

昔、この近くにる国指定天然記念の「苦竹のイチョウ」を探しに歩いたことが懐かしく思い出されました。
ナイスです!

URL | 八甲田の熊 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

こんにちは。
仕事が向いているかいないか?を論ずるのはなかなか難しいと思います。
今の仕事が、好きか嫌いか?も似たような事かもしれません。
実は、自分は今の仕事は成りたかったわくでもなく、好きでもありません。しかし、それでも私の仕事によって、少しでも苦痛から解放されたり、幸せを僅かでも感じてくれる人がいるのなら、それは向いている仕事だと思うようにしています。
ミック様も今までのお勤めの中で、多くの幸せや喜びを生み出してきたのではありませんか?そう考えると、成るべくして成った仕事だったのではないでしょうか?
年下の私が、偉そうな意見を申し訳ありません。
トラック野郎になったミック様もきっとダンディーで格好よかったと思います。

URL | ひがにゃん ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

早朝の都市散歩もいいですね~。。。そして、途中、予想外のものに出くわす…。。。今回トラックステーションですか…。。。

自分の別の人生を夢想していて出くわしたトラックステーションで、トラックドライバーになった自分を想像されたのですね…。。。悪くないと思われたのなら、一時の仮想人生を味わわれたことになりますね~。。。

つづく

URL | boubou ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

私のことを語るならば、子どもの頃、人づきあいが苦手で、一人遊びの好きな性格だった私を見て両親は、研究者か技術者が向いていると思い、その様に私を育てたのですよね…。。。自身もそうかなと思っていたので、何の疑問も持たずに、理科系に進み、一応その道でサラリーマン生活を全うしたのですよね…。。。

しかし、中高年の域に達した頃から、人の心の動きに興味が湧いてきて、自分の中の文系的な要素が気になってきたのですよ…。。。今は、そちらの方で、なにか出来ればなと思っているのですよ…。。。

それと、私の小学校の同級生で、内気でいじめられっ子的だった男の子と50代の半ばに同窓会で会い、逞しいトラック野郎になっていたのを思い出しましたよ…。。。彼の内面でどういう変化があったのかまでは話ができませんてしたが…。。。

いろいろ考えさせられた記事、ありがとうございました…。。。

URL | boubou ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

こんにちは。

ハイ正に苦竹の仙石線沿いに社宅がありました!
自衛隊駐屯地とても懐かしく拝見いたしました。

そしてこの線路沿いの小さな会社に勤めたことで今の仕事がスタートしたのです。
会社の奥さんと仙台放送教養学園でヨガを習い始めなかったら、恐らく今の職業を選んでなかったと思います。
人生何が転機になるか分からないものですね・・・

本日は初々しかった(笑)新婚時代と仕事の原点に戻れました。
深く御礼申し上げます。ありがとうございます。

URL | 和奴 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

銀輪さん、按配いいがなまって「アンペー」或いは「アンペーなー」になったと心得ます。
おっしゃることは御意に御座います。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

boubouさん、人生は下駄を履くまでわからないものです。某も少年期は内向的でした。しかし壮年となり多くのことに開眼した次第です。
思い起こせば貴兄との劇的な出会いは志賀直哉の「自転車」でした。
これからも初心忘れるべからずという言葉を常に思い浮かべながらお付き合いさせてください。
本日は二件に渡る真摯なコメントを頂戴しありがとうございました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

八甲田の熊さん、仙台にいらしたことがあったのですね。深い感慨に及ぶコメントを頂き感謝しています。今後とも宜しくお願い致します。本日はありがとうございました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ひがにゃんさん、昨日は妄想に浸ってみました。休日くらいは許されるだろうと思ったのです。
それがしはよくきょうまで持ちこたえたものです。トラック野郎への願望はNHK1979年放送の洋画「爆走トラック16トン」でした。けして邦画のトラック野郎系でないことを補足させて頂きます。
コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

和奴さん、ご自身の思い出を語って頂き感謝しております。今の仕事は仙台時代に培ったものが開花したのですね。
それがしはここに感激しています。こちらこそ感謝しております。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

記事の内容共感できます。私も人に使われるのは大嫌いです。実際、何度かサラリーマンから脱出を図りましたが、いつも失敗に終わりました。もう一度人生をやり直せるなら、生まれるところまで行かなくても高校生に戻れるなら手に職をつけたいですね。

URL | 単車男 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

単車男さん、それがしのことを連想するのであれば映画「ベンハー」の奴隷船の船底で悶え苦しむ一人の奴隷を思い浮かべてください。
臭くて暗い船底でそれがしは復讐のときが訪れるのを心待ちにしておりました。
御自身のことを語って頂き感謝しております。本日はありがとうございました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミックさん
私もこの職業をしていなかったら何をしていた
だろうと考えることがあります。
なかなか答えがみつかりませんがこればかりは
はっきりとしてないこともそれはそれかもしれません。
はっきりしていると転職しているでしょうから。

URL | ことじ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

こんばんは。
転職は場所が変わっても同じ職業に就いてしまいますが、そのほかの職業になるとしたら、と考えると
楽しそうです。でも、どんな仕事もやはり、見えない苦労があるのでしょうね。
足腰が丈夫なのは、本当に財産だと思います。
丈夫な体で今後も色々と散策されるのも仕事の後の
楽しみですね。

URL | joeyrock ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

おばんです。
私もサラリーマンばかりを続けております。
気楽な部分もありますが、一生懸命に働いても評価されないとか、給料に反映されないとか いろいろと不満があります。
できるならば 自分で何かをやりたいと思ったこともあります。

URL | やまめ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ことじさん、この記事には某の妄想的なものが多分に含まれております。
最初は気軽な散策という感じで書き始めたわけですが、途中からこういう職業の選択肢もあったのだという気持ちが湧き上がり、結果的にこういう記事になったのだと思います。
御自身のことを語って頂き感謝しております。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

joeyrockさん、妄想は妄想、現実は現実、この日は週末ゆえ、妄想も許されるどろうという軽い気持ちで投稿に及びました。
人様の職業がよく見えたこともありましたが、様々な経験を経るうちに、世の中に甘い仕事などないと考えるようになって参りました。
一言で言えば歳相応になってきたのだと思います。
電車通勤と引き換えに読書時間の確保と足腰の丈夫さを得たのは大きかったです。
コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

やまめさん、サラリーマンに関する考察、まことに御意に御座います。
どの職種にも共通するのは人間関係の大切さです。これには少年期の情操教育が相当響いている気が致しております。
それがしの場合は一人っ子という部分がマイナス要因となったと踏んでおります。
気づいた時は遅かったのですが一生気づかないよりはいいと存じます。
コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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