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  もう一つの独眼竜政宗
※日時指定投稿
昨日の日曜日の早い時間に私は宮城野区図書館に向かった。目的は新たな本の物色とビデオ鑑賞である。

本を借りた後、ビデオをいろいろと物色した。その中で目に止まったのがこのビデオ「独眼流政宗」である。「独眼流政宗」と言えば多くの皆さんはNHK大河ドラマ1987年放映のTV版を想像されるのではないだろうか?だがこれは違う。なんと1959年(昭和34年)版の映画作品である。もちろん山岡荘八原作のものではない。

主演伊達政宗役:中村錦之助、恋人役千代:佐久間良子という豪華キャストである。尚、千代は百姓の孫娘ということになっており、これだけで極めて異色の作品と言える。山岡荘八原作よりも極めて創造性の強いストーリーと見た。

伊達輝宗(政宗の父)役:月形龍之介、大殿らしく威厳のある喋り方が非常に特徴的であった。

家臣片倉小十郎景綱役:岡田英次、山岡荘八原作では家臣きっての賢臣ぶりが大きな見所となっているのだが、本作では賢臣というよりは従臣として描かれている。(例:小田原参陣の決定が小十郎の助言によるものでなく政宗本人が決定したことになっている。)

左:家臣(政宗の従兄弟)伊達成実(しげざね):宇佐美淳也、政宗より一つ若いはずだがやや老けすぎていて年格好が合わない。

左:乳母片倉喜多役:浪花千栄子、右:後の妻愛姫役:大川恵子
喜多の口元に注目、このころの映画はお歯黒が忠実に模されていたようである。

左:豊臣秀吉役:佐々木孝丸と石田三成役:徳大寺伸(右)
石田三成は秀吉に政宗が股に出来た腫れ物のようだ。なんとかならないか?と持ちかけられ、密使(忍び)を送り込ませ、政宗殺害を謀ったが失敗に終わる。しかしこの時忍びの者が放った矢が政宗の右目を射抜き、政宗は隻眼となる。このあたりは史実とも山岡荘八原作版ともまったく異なるところである。

畠山義継(左)の策略により罠に掛かり捉えられる伊達輝宗。この辺は山岡荘八原作と変わらない。

政宗自らが放った銃により、畠山義継もろとも撃ち殺される輝宗。これは山岡荘八原作のものとはかなり異なっている。
※詳しくは下記のリンク先より「人取り橋の戦い」編をご参照ください。

あくまで政宗本人の決定で小田原(北条氏攻め)に参陣する伊達軍。

三日足止めを食らった後にようやく秀吉との謁見が許された政宗の服装はご覧の通り。山岡荘八原作版のように白装束は着ていない。

お家安泰を許され帰還する伊達軍を領地の百姓たちが出迎えるシーンは感動ものである。

政宗の背中には家紋である九曜紋と勇猛果敢な鷹の絵が入っていた。

ミック感想
ストーリーは独創性に富んでいるものの史実から離れすぎている感が強い。この辺は好みがあるのではないだろうか?この作品はこの辺を割り切り、あくまでも創作として捉えるべきであろう。また秀吉に媚びない政宗が強調されているような作品という気がした。
 
本ブログの伊達政宗の研究シリーズ
十万石の大名抜擢を蹴った片倉小十郎http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32048810.html
片倉小十郎が仙台藩に及ぼした功績http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32338831.html
政宗の頼れる叔父留守政影と利府城http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32145481.html
宿敵相馬との戦い編(TV版http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31963858.html
伊達政宗ヨーロッパに賭けた夢http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31769819.html
政宗の相馬攻め初陣(現地取材版)http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31623451.html
隠遁させられた曽祖父稙宗の謎http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31614105.html
【新説】弟を殺害しなかった政宗http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31532509.html
【通説】泣きながら弟を切った政宗http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/19616687.html
戦国における伊達と相馬との関係http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31525745.html
生涯で四千通の手紙を書いた政宗http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31481784.html
伊達者の語源となったいでたちhttp://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32104597.html
砂鉄からの製鉄、丸森の筆甫製鉄所http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31618295.html
政宗が現代に残した名木http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31226129.html
伊達家の守護神片倉小十郎と白石城http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31099358.html
中山鳥瀧不動尊の政宗伝説http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/17730885.htm
伊達武者甲冑を着けての行列参加http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32214919.html
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コメント

No title

伊達政宗、片倉小十郎、伊達成実の3人、 Plan・Do・See の、まるでどこか
現代の会社組織みたいだと、思って見ていました。
ン十年前、瑞鳳殿、資料館と見て回りましたが、
さすが政宗と感心と納得させられました。

URL | BOBY ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミックさん、こんにちは。

俳優陣は皆若いのにびっくりです、59年ですね。
その時に見た様な映画です。

懐かしさのあまり、何回も絵を見ていました。

ナイス!です。

URL | 好日写真 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ヘッダーの仙台市内

とてもきれいで 都会ですよね。清潔な感じもします。

伊達正宗の映画を 資料を着々と集められ
次なる野望に向かって ミックさんは 進んでいかれておりますね♪

URL | つや姫日記 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミック様へ
この映画、私、観ています。おそらくですが。お袋の背中の上で。大昔です。配役と目を矢でやられる所で思い出しました。私はこの時のイメージが強く。伊達政宗は無鉄砲な男というイメージが付きまといました。ミック様の所でお教え頂いた政宗のとはまるで違います。それにしても懐かしい。おそらく4~5才の頃だと思います。ナイスです。有難うございます。

URL | 不あがり ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

NHKドラマの印象が強く、今回の配役も
錦之助と佐久間さんくらいしかわかりませんが
懐かしい名優が揃っているのでしょうね。
ストーリーも作家の視点やテーマをどこに持ってくるかで、内容も違うのでしょうが見比べてみると
面白そうですね。

URL | joeyrock ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

銀輪さん、わたくしは以前「ブログという名の社交場」という論文を発表しておりますが、その中でマイナーでマニアックな記事ほど壺にはまりやすいと語りました。
今回の記事はその信念に基づき掲載致した次第です。
わたくしもこの作品は鑑賞者を喜ばせる創作という印象を強くしております。コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

行雲流水さん、おっしゃる通り、これは創作歴史ドラマと捉えて鑑賞するのがベターと思います。
コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

BOBYさん、初コメントを頂き感謝しています。
三者についての比喩は的の中央を射た矢の如し。まさに貴兄の鋭い洞察力がもたらしたものと察します。
政宗公からは学ぶことが多く、四百数十年の時空を経て、伊達者のわたくしはいつも魅了されております。
本日はコメントを頂き本当にありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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好日写真さん、非常にありがたいコメントを頂き感謝しています。
佐久間良子さん、大川恵子さんを除き出演者な亡くなりましたが、わたくしはこの映画に往年の名優の追悼を併せながら鑑賞しておりました。
真の名作だと思います。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

つや姫さん、伊達政宗ほど「野望」という言葉が似合う武将は居ないと思います。彼はうずうずしながらその機会を伺っていたのではないでしょうか?
天下取りを損じても己の領土はやがて百万都市となる。ここ凄みを感じます。
彼の爪の垢を煎じて飲みたい昨今のわたくしであります。コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

不あがりさん、この映画で政宗が失明するシーンはあまりにも衝撃が強く割愛させて頂きました。
史実や山岡宗八版とは全くことなりますが、これはこれで立派な創作であると思います。
それでも小十郎の存在感が少し小さいのが気になりました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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有名人物ですから、いろんな物語が創造されているのですね…。。。私など、詳しくないので、史実と異なる異ならないも、ぜんぜん分からないです~。笑…。。。

URL | boubou ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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joeyrockさん、私はこの二つの「独眼流政宗」を見比べましたが28年も製作された年代の違う二つのストーリーを比べること自体無理があるのだと思います。
私の軍配は昔気質度で1959年版、史実との連動、面白さで1987年版を挙げたいと思います。
コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミックさん
昭和34年の映画とはなんと映画全盛時代でしょうか。
東京オリンピックよりも少し前でこの画像は
かなり制作に力を入れたもののように感じます。
もちろん政宗の人気の成せるわざですね。

URL | ことじ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

boubouさん、伊達政宗は郷里の英雄でありますが時代によって描かれた実像、背景が違っていたのだと思います。
1959年版はかなり伊達の名誉を先んじた気が致します。
コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ことじさん、87年放映の「独眼竜政宗」のインパクトが極めて大きかっただけに、今の政宗の多くのイメージは山岡荘八原作版で作られたもののような気が致します。
このような折に古い作品に出会い鑑賞できたのは主観視にとらわれない、という意味で大きな意義のあることだと考えております。
歴史小説やドラマから史実を学ぶのはナンセンスかも知れませんがまず興味を持つという意味に於いて古い映画の鑑賞は素晴らしいことだと思います。
本作に於いては伊達と豊臣の関係も大きなテーマの一つと感じました。コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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私もNHKの大河しか知りませんでした。
役者さんの名前も知らない人ばかり・・・
佐久間良子さんは判ります。 ^^
描く人によって作品が変わるので
色々見比べると面白いでしょうね。

URL | まゆ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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まゆさん、この映画は昔の時代劇っぽいところが良かったです。
創作ものと割り切って観れば違和感もないと思います。
コメントを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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こんばんは。
同じ人物像も時代によって見方が違い、評価もさまざまになり、いろんな描かれ方をするのを追ってみるのも面白いかもしれません。
共感、違和感のいずれにしても、それがまた、人物像に厚みを持たせることとなるように思います。
古い映画のご紹介、興味深く読ませて頂きました。
ナイス!です。

URL | はぐれ雲 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

はぐれ雲さん、この作品はあくまで創作(他もそうなのですがこの作品は特にという言葉が付きます。)と割り切って観るのがベターと思います。
政宗に於いては白装束を着て秀吉に頭を下げるシーンが登場しないところに原作者の意図を感じました。
コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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