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  カメイ美術館で味わう休日の至福
福島美術館を出た私は徒歩で東二番町を仙台駅方向に進み、杜の都のもう一つの美術館であるカメイ美術館に向かった。

仙台駅の近くにありながらこの落ち着きぶりが意外であった。アールのついたウインドー、入口にはブロンズの像が立っている。

6階と7階がカメイ美術館である。スポンサーは地場では有名な亀井財閥である。

入り口にはこのような木彫りの虎が飾ってあった。牙を剥いた精悍な表情、迫力満点である。

展示室はご覧のように私一人であった。私はこの空間を独り占めできることを知り、軽い興奮を感じた。

作品を紹介しよう。と言っても作品は撮影禁止なのでこの日展示されていた作品をインターネットから拾ってみた。(評価:ミック)
 
パンフレットの表紙ともなった「盛夏高原」1976年、田村一男(1904~1997)。
夏の盛りの高原は開放感に富み、人々に大いなる生命力をもたらす。そして地平線の向こうに何があるのか…果てしない想像をもたらす絵でもある。

「岩と波」(潮岬)1931年、藤島武二(1867~1943)
灰と青緑が複雑に入り混じった海はいつの世にも存在する人間の普遍的苦悩を象徴するようである。また水平線の向こうの明暗のコントラストは人の世の不安と希望の二面を表しているかのような印象を受ける。この日私が一番気に入った作品。

「松島」1921年、和田英作(1874~1959)
大正10年ころの名所松島の五大堂を描いた作品、朝日に染まる海と島の作り出すシャドーには神々しささえ感じ、心を清らかにしてくれる。

「浅間山」1950年、梅原龍三郎(1888~1986)
印象的な手法を用い、力強い線で浅間山を描いている。浮雲の絶妙のバランスには書道のような技工を感じる。

「奥の細道・月山」2003年、傅益瑶(1947~)
月山の雲海にたたずむ芭蕉と曽良、足場はかなりの難所という感じがする。それにしても想像力がすごい。まるで作者は時空を超えた千里眼を持っているようである!

福島美術館の古美術とは異なった近代から現代にかけてのアート、この日は性格の異なる二つの美術館を巡った。双方とも規模は小さいながら展示物の内容が素晴らしかった。ここに展示された作品の作者の多くは故人となってしまったが、作品はいつまでも輝きを失うことなく人の心を捉え続け、煩悩を和らげてくれることだろう
 
連休最後となったこの日だが私の心は不思議と迷いや苦悩がなく澄み切り、晴れ渡っていた。心地よく過ぎ行く時間に身を委ねる様は志賀直哉の「暗夜航路」の結びに登場する大山の麓での一幕にも似ているのかも知れない。私は梅原龍三郎とも親交のあった我が人生の師、直哉に思いを馳せ、初秋のさわやかな午後の日に感謝しつつ帰途に着いた。
 
本ブログ芸術鑑賞シリーズ
※福島美術館特別展「花と女性と広瀬川」&南材木町見学http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31748464.html
※福島美術館「伊達政宗が愛娘に宛てた手紙」http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32043841.html
※福島美術館「伊達政宗が家臣に鷹の世話を指示した手紙」http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/32119718.html
※宮城県美術館「ゴッホ展」http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31942829.html
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