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 関西に向け、米どころ庄内の米を集めた蔵
 土門拳記念館を出た私は徒歩で出羽大橋を渡ってみることにした。ここに紹介する詩は山形県民の歌「最上川」である。海に入るまで濁らない最上川は山形県民の誇りでもある。
 
最上川(もがみがわ) 
 山形県を流れる一級河川最上川水系の本川。流路延長229km。一つの都府県のみを流域とする河川としては、国内最長。流域面積は7,040km²で、山形県の面積の約75%にあたる。日本三大急流の一つ。
 
 山形県米沢市の福島県との境にある吾妻山付近に源を発し、山形県中央部を北に流れる。新庄市付近で西に向きを変え酒田市で日本海に注ぐ。かつては舟運の道として利用され、内陸部の紅花や米が、酒田を経て主に上方(関西地方)に運ばれた。また上方から運ばれたと見られる雛人形が流域の旧家に多く残されている。

この川はとにかく広い。川幅の三分の一近く来てもまだ向う岸には程遠い。

324年前には松尾芭蕉も酒田に来ている。この時は「五月雨を集めて早し最上川」というこの大河にちなんだ有名な句も残している。

私の進路と出羽大橋を航空写真で確認して頂きたい。川幅はゆうに300メートルはあろうか。

 出羽大橋を渡ってから十分少しで支流である鵜渡川に着いた。正面に見える茶色いビルは私が21年前仕事で泊った酒田グリーンホテルである。なにか懐かしさがこみ上げてきた。

そして川べりを200メートルほど歩いてこの日の最終目的地である山居倉庫(さんきょそうこ)に到着した。この欅は大木でなかなか立派である。

欅並木の説明書きがあった。これは強風を遮り、倉庫の温度変化を少なくする先人の叡智とも言える。

それでは私の進路(黄色線)と山居倉庫の位置(赤で囲まれた□)を航空写真で確認して頂きたい。

これが川側から見た山居倉庫である。壁と屋根の取り合いに注目、通気を良くするためにわざと隙間を設けている。外から見たところ内部の通路は非常に長い。
 
山居倉庫(さんきょそうこ)
 山形県酒田市にある米穀倉庫。明治26年(1893年)、酒田米穀取引所の付属倉庫として旧庄内藩酒井家により当時の鵜渡川原村に建設され、同年11月1日開業。管理・運営も酒井家が行った。昭和14年(1939年)に取引所は米穀配給統制法によって廃止されたが、倉庫は引き続き財団法人北斗会、庄内経済連、全国農業協同組合連合会庄内本部(JA全農庄内)と所轄を移しながら現在も運用されている。
 
現在も12棟が残る。うち1棟が「庄内米歴史資料館」、2棟が「酒田市観光物産館 酒田夢の倶楽(くら)」として一般開放されている。倉庫の西側には欅が植えられ、陽射しを遮ると同時に冬の強い季節風から建物を守っている。屋根は断熱を考慮した二重構造、内部の土間はにがりを用いて練り固めた上に塩を敷き、倉庫内の温度・湿度を一定に保つ技術が用いられている。テレビや雑誌で紹介される「山居倉庫と欅並木」が一緒に写っている場所は、倉庫の裏側(西側)にあたる。 NHKの連続テレビ小説「おしん」のロケ地でもある。

庇の舞台裏をご覧頂きたい。なかなか頑丈な造りである。

裏のほうは見事な欅並木が植えられており、並木に沿って石畳が敷かれていた。

このような中庭もあるがこれは火事の時の延焼に配慮したためと思われる。

蔵の内部の見学は有料(一般大人¥300)である。

山居倉庫はNHKのテレビドラマ「おしん」のロケ地としても有名である。

沖積層がもたらした肥沃な土壌と広大な平地が広がる庄内、「庄内は天恵の沃野、まさに之をもって国を立つべき楽土なり」とは当時の藩主酒井忠勝の言葉であるが広大な庄内平野の背景を考慮した名言ではないだろうか。

これは明治26年当時の出来たばかりの山居倉庫の模型である。往時は周囲の建物もほとんどなくこの模型のように川向こうまで見通しが利いたのではないだろうか?

これは倉庫の断面図だが、当初説明した軒先の換気対策をよく理解できる。米を長持ちさせるための知恵といってもいいだろう。

建設費は現在の価値にすると数十億円かかったとのことである。

これは創業当時の米の搬入風景である。この密集度に着目して頂きたい。まさに人と馬でごったがえしている感がある。

酒田は古くは北前船の寄港地でもあったようで千石船の模型も飾られていた。

内部を見学した後で再び外に出て建物を見てみた。欅並木の緑陰の下、薫風がそよぎ非常に心地良い。

 倉庫の北東側では新しい橋の建設工事が進められていた。古くから港町として栄えた酒田、だがここはここは単なる港町だけでなく、米蔵の町でもあった。この一大産業が酒田の経済を、延いては庄内の経済を潤したのである。
 
 時代や場所は異なるものの、太平洋側の石巻も藩政時代は米の集積倉庫が建ち並び、流通で賑わっていた。そういう意味で酒田は石巻とよく似ており、石巻を故郷とする私は親近感を覚えた。
 
 倉庫を離れて全景をもう一度外から眺めてみた。山居倉庫のそばでは新しい橋の建設工事が行われていた。私はそんな彼らに郷土愛の精神を感じ、清々しい気持ちでこの町を後にした。 
初夏の庄内の旅シリーズ              
 
本ブログ「庄内探検隊」シリーズ
本間美術館(国名勝、鶴舞園)へのリンクhttp://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31841549.html
酒田の生んだ写真家土門拳記念館へのリンクhttp://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31847326.html
SSライナー(仙台-酒田直行便)の魅力へのリンクhttp://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/31833810.html
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