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   話すことよりも大切な聞く姿勢
※今から話すことは登場人物の特定を防ぐために一部にフィクションを加えているが大筋で事実である。
 
 あれは一月半ほど前の土曜のことである。私は買い物のためにあるホームセンターにバイクで向った。そして買い物を済ませバイクに乗ろうとした時にスクーターに乗った七十歳くらいの男性に話しかけられた。「こんにちは」の挨拶を交わすとその年輩の男性はご自分の趣味であるバイクツーリングの話をされた。
 
 最初は自身の装着しているナビゲーションシステムの話をして、次の話題となった。「実はこの前バイクで会津に行きましてねえ、そこで腐ったリンゴを食わされてえらい目にあいましてねえ…」彼は非常に雄弁家でまるで機関銃のように話題が次々と出てきた。一流企業に在籍した自身のサラリーマン人生のこと、今まで本を2500冊は読んだこと…、これが5~6分は続いた。最初は聞き役に徹しておとなしく聞いていたが、次第に私はいらいらして、不信感を募らせた。
 
 そのかたは息をつかせぬほどしゃべりまくって私にまったく話す機会を与えないのだ。私が自分のことを話そうとするとそれを遮ってまでも話を続ける。結果的に私は全体の会話のうちで私は1割も話していないどろう。私は一方的にまくしたてられているようで、閉口しそろそろ我慢も限界に達していた。更にそのかたの矢継ぎ早の話が終わった後で最後にこう告げられた。「よかったら友達になりませんか?」と。
 
 人から友達にならないか?と言われるのは友好的な態度であり、普段は悪い気はしないのだが、私ははっきりとこう答えた。「人様との対話はキャッチボールのようなものと考えています。キャッチボールは5対5のイーブンが原則ですが、臨機応変に考え7対3までは譲歩できます。

但し、今のお話は9対1で貴方様が仕切られ、私は聞き役に回らざるを得ませんでした。従ってそのようなかたとは友達になってもきっとうまくいかないでしょう。」私がそんな話をするとそのかたはバツが悪そうに謝り去って行った。私もなにか後味が悪かった。
 
 私は営業職ではないが、あるかたの話で商談を成功させる話術とは買う側に7:3の割合で話させることがコツであると聞いたことがあった。これは商談以外であっても、経験上まったく同感である。この比率が違ってくると心境に微妙な変化を生じてくる。ざっくり言えば8:2になると聞いている側が不快感を伴い、9:1になると閉口してしまうのである。(これはあくまで私の主観であり、この比率を人様に押し付ける意味合いはない。)これが利害を伴うことであればなおさら顕著に感じることだろう。



 実存の人物であった仙台四郎が聞き役に徹したように、ある人と好意になりたければ相手のかたに7割かた話させるように仕向けるのが話術における、コツ延いては美徳というものではないだろうか?私もまだまだ未熟者であるが、せめて人のふり見て我がふりを直したいと思った次第である。
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