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息子との骨肉の争いに敗れ隠遁させられた政宗の曽祖父、伊達
 前回に続き宮城県最南端の丸森町の探索をお送りするが、この辺で丸森町の簡単なプロフィールを紹介する。現在の人口は約1万4千、過疎化が進んでいるが、縄文時代の遺跡が見つかることから、この地が阿武隈川流域沿いに古くから拓けた地であったことがわかる。また藩政時代は水運の拠点としても栄え、齊理屋敷にも見られる豪商の出現を見るほどの豊かな町であった。またこの地は伊達と相馬(伊達の隣国の大名)の争いが頻発した地でもあり、今回紹介する史跡もそれに大きく関係した場所である。
 
 小斎部落を出た私は相馬から丸森に通じる国道113号線を西に向かい、2キロほど走ってから最終目的地の筆甫へ向かう旧道(ショートカットの近道)に出た。すると間もなく右のほうにご覧のような史跡らしきものが目に入った。
 

始めに今回の探索の全行程と今回紹介するセクションを地図で確認して頂きたい。
黄色線が県境、赤線が全行程、オレンジの□に囲まれた部分が今回紹介するセクションである。

史跡のすぐ手前(北東側)にこんな趣のある建物を発見した。観た感じは昭和初期か大正のころの建物か?私には往時の丸森町の豊かかさを象徴するような建物に見えた。果たしてどんな用途に使われたのだろう?

看板を見ると如何にも老舗のようであり、醤油醸造所であることがわかった。
航空写真で確認すると小野醤油店となっていた。

醤油店を見た後はいよいよ史跡へと向う。史跡の名は円山城跡である。そして伊達稙宗(たてむね)の墓碑もあるようで、行ってみることにする。

航空写真で位置を確認して頂きたい。黄色○:小野醤油店、赤○:丸山城跡

城跡に向かう細い道に入った。右を見ても左を見ても竹林、竹やぶは何度も見たこともあるがこれだけ広範囲に渡る竹林を見たのは生まれて初めてだった。これが私の好奇心をそそった。

ここからは舗装が途切れていた。これくらいならバイクで登れないこともないが「車両の乗り入れはご遠慮ください」との立て札もあり、バイクを止めて歩いてゆくことにする。まるで竹のトンネルをくぐり抜けるような気分だ。ここで私はある不思議なことに気づいた。それは時折どこからともなく「コツン」というような音が聞こえてくることである。この日はやや風があったが、果たしてこの奇怪な音が竹同士がぶつかる音なのか、キツツキの音なのか最後までわからず仕舞だった。

そしてもう少し登るとこのような土塁や堀が見えてきた。明らかに古城の跡である。

 丸山城は伊達政宗の曽祖父に当たる伊達稙宗が、息子晴宗(政宗の祖父)と争って破れ隠遁させられた地とのことである。そしてなんと稙宗の世話をした長女の嫁ぎ先の相馬氏がこの周辺の地を所領としてしまったということである。
 以前本ブログで紹介した伊達と相馬の争いはこんなところに端を発していたようだが、これは私自身初耳のことでもあった。

ここで伊達家の家系図をご覧頂こう。始祖はなんと藤原から始まっている。仙台藩祖とされる独眼竜の伊達政宗は赤二重□、稙宗:黄色、晴宗:オレンジはそれぞれ、曽祖父、祖父であることがわかる。また政宗は過去(独眼竜から8代前)にも大膳太夫なる同名の人物が存在したことがわかる。


          伊達稙宗公絵図          


 伊達晴宗公絵図   

 
 これが稙宗の墓碑である。但し墓は現福島県のほうにあるようである。息子晴宗に敗れ、追い出された稙宗はここで78歳で死ぬまでの17年間を過ごしたとされるが彼の心境は如何ほどのものだったのだろう。無念だったのだろうか?はたまた悟りを開いて仙人のような余生を悠然と送ったのだろうか?いろいろと思考を巡らす私をよそに、竹や針葉樹が入り混じったは周囲の林は鬱蒼としており、時折きまぐれに吹く春の風にざわめくばかりであった。


丸山城を後にして私は最終目的地である筆甫へとシェルパを走らせた。道を選ばないシェルパの踏破力を頼もしく感じる。私にとってシェルパはメカというよりもパートナーや馬といった概念に近いのかも知れない。

目指す筆甫の方向である。ここから15キロもあるのでどうやら山の中のようだ。

丸森霊山(まるもりりょうざん)線とは県道45線の別な呼び名である。それにしても段々と人家が少なくなっていく;

山の中を走りしばらくすると、左手に大きな建物を発見。立ち寄ることにする。

やや木立に遮られているがここが国民宿舎「阿武隈荘」である。寄りたいのは山々だが時間も限られているので見ただけで通過することに。やや後ろ髪を引かれる思いだった。

阿武隈荘を出て間もなく左手にこんな巨岩が表れた。あまりの大きさに圧倒される;

左手の河原に目をやると橋のそばに巨石があった。この河原には巨石がごろごろしていており野趣を感じる。この辺からは単なる探索の域を越え、秘境探検のような雰囲気がしてきた。

次回は宮城の秘境とも言われる筆甫の様子をお伝えする。この秘境に何があるのか?
この好奇心は私のアドレナリンを大幅に分泌させた。私はそう思うと急に胸が高鳴ってきた。
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