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  文明の利器によらない日本三景松島探訪
 きょうは日本列島全体が高気圧に覆われ春らしい天気になった。仙台もきょうの最高気温は13度と4月半ば並の温度、年次休暇を取ったきょう私は朝起きると同時に松島に行くのことを決めた。松島は地元なので既に数十回は訪れてはいるがこれは単に訪れたのみで、真の松島の魅力はまだまだ味わっていない気がした。
 
 これは今までは車やバイクといった文明の利器を使って観光客がよく行く目抜き通りの賑わいを見た程度であり、旧道を通っての散策の機会がなかったからである。江戸時代に松尾芭蕉が来たころにはもちろん今のような立派な道路はなく、起伏があり、リアス式海岸のような出入りの激しい地形にできた道を苦労しながら歩いたのではないだろうか?私も自分の足で歩き、そんな風流人のおこぼれに授かりたいものだと感じた。
 
※写真はJR仙石線の東塩釜駅を過ぎたあたり。

そして無人駅の陸前浜田駅で降りた。

地図でこの日のルートを確認して頂きたい。赤□:JR浜田駅、△:瞑想にふけった岬の先端、○:展望台、黄色□:JR松島海岸駅の順で歩いた。

国道45号線沿い海側に「浦嶋荘」というこぎれいな観光ホテルがある。このホテルの脇を通って半島のように突き出たところを周ることにする。

200メートルほど行くとこのような東屋がある。
その名は瑞鳳ヶ丘である。

ゴーー、仙台塩釜方面から都会特有の騒音が聞こえるがこれは気にならないレベルである。
ほぼ中央に仙台火力発電所の煙突が確認できる。

獣道のようなところを通って小さな半島の先端と見られるところについた。
手頃な木の切り株があったので私はそこに腰をおろしてみることにした

 時間がゆっくりと刻む。これはよく離れ小島で感じる感覚に近いのかも知れない。海面は穏やかでわずかなさざ波が立つのみ。海の色はモスグリーンで黒い斑点のような海底の岩が見える。海抜5メートル以上のところには松が生え、その影を海面に落としている。また日影をよく観察すると緑に覆われた島が海面に反射し、その色合いをあえて表現するならば、水彩画の深緑に更に深緑を重ねたような”ダークグリーン”のように感じた。
 
 次に私は対岸の島に目をやった。地層だろうか?崖の白っぽい岩肌は見ようによってはバームクーヘンのような横縞模様が入ったケーキにも見える。頬にオースター(南風)が運ぶ暖かさを感じ、気分は爽快である。

 湾の向うに目をやると幾重もの島が重なりあっていて、淡い濃いのアクセントは5層にも6層にも見える。この加減がわかると松島の魅力は一気に倍増し感動に値する。また興味深いのはこの細長い島が内海と外海を仕切っているようにも見える点である。この様たるやまさに箱庭的な趣があり、盆栽の趣向とも似たものを感じた。おそらく芭蕉翁もこれに近いものを感じたのではないだろうか?
 
 私は改めて松島の魅力について考えてみた。松島には日本人の感性と調和しやすいものがあるのではないだろうか…

しばらく行くとこんな桟橋のように細長い地形が目にとまった。

説明書きがあった。確かに「馬の背中」のようでもあり興味深い名前である。

二つ目の半島に向うにはこの歩道のない国道を歩かねばならない。
大型トラックが通ると本当に生きた心地がしなかった。
事故が起きてからでは遅いので行政側には是非改善を考えてもらいたい。

今まで紹介したのは利府町、ここからが松島町である。
右側に側道が出ており大型トラックの恐怖からようやく解放される。

しばらく行くと休憩所と展望台があった。

 展望台から松島湾を一望してみた。志賀直哉は小説「暗夜行路」の中で尾道の自宅(貸家)がある高台から見た風景を「彼(時任謙作)は瀬戸内の名も知らぬ大小の島々が物珍しくもあり愉快だった。」と語っているが、このシーンはまさにそのような文学的な趣を強く感じた場面であった。

この堤のような形をしたものは一見すると日時計にも見えるが…

実は島の方角と名前がわかるようにした矢印であった。

そしてようやく歩道のある国道へとたどり着いた。それにしてもいろいろな島がある。

遊覧船とヨットが忙しく往来する。ヨットは学生のサークルのようであった。

海岸で日光浴を楽しんでいると一羽のウミネコが寄って来た。餌付けと勘違いしたのだろうか?(笑)

間もなく観光シーズンが訪れ、混みあう松島だが今年初めての小春日和に周遊したという点に於いて、またその細部に潜む魅力に触れたという点で意義のある小旅であった。
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コメント

No title

松島。。。。。。この島にも沢山の松が生きてることが嬉しいですね~!
日本の風景には、松の樹が良く似合いますが。。。。。
私達の住んでる所は、殆ど松を見ることは出来ません。
虫に食われて枯れてしまいましたよ。
日本三景松島の旅、ありがとうございます^^
ナイス~https://s.yimg.jp/images/mail/emoji/15/ew_icon_s317.gif">

URL | Rain ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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ミックさん、こんにちは。

松島へは13年前に家内と旅行しました、綺麗なところですね。
朝日が昇ったところを島と一緒に撮りたいです。

先日、テレビで報道してましたが、志賀直哉は新聞などのインタビューが苦手とか言ってましたが、本当な話でしょうか。

松島の景色にナイス!です。

URL | 好日写真 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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ミックさんのお陰で、居ながらにして初春の松島を散策できました。
松の樹、海岸、そして浮かぶ島、こんな景色は日本にしかないように思います! こんな景観は大事にしたいものですね。

URL | 行雲流水 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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こうして見せて頂くと、さすが日本三景と改めて思います。
松の木立越しに小さな島の点在する海の風景、日本ならではの風景ですね。
時間をかけて島々をめぐり、ゆっくり歩いてみたいところですね。
ナイス!

URL | はぐれ雲 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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こんばんは。
ミック様、松尾芭蕉の心境だったようですが、トラックは危ないですね。お金もかかるでしょうが、遊歩道を整備していただきたいですね。
松島、ニ十年近く前に訪れました。随分と昔ですね。島々が重なる風景は、瀬戸内の風景に似ていました。志賀直哉も尾道から見た風景に、故郷の松島の風景を重ねていたのでしょうね。

URL | ひがにゃん ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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景色のいいところですねえ
ほんの小さな岩の塊のような島にも木が生えているのが不思議です

URL | ひろ-Nyan ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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日本3景の一角ですね。
私はこの歳にしてまだ1つしか制覇?(笑)していません。
日本のベスト3といわれるほどの名勝、
実際に行かなければ絶対わからないんでしょうね。
この記事を読んで、
こういうものに私ももっと意識を向けたくなってきました。

URL | gt_yosshy ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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昔、松島はフェリーで回ったことがあります
歩きながら回る松島も素敵ですね(*^_^*)

URL | CROWN ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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スミチカさん、松島と言えば一昨年を思い起こしますね。
あの蕎麦屋に寄ろうと思ったのですが残念ながら閉まっていました。
この日は松島の新たな魅力に触れてきました。
浜田駅近くは穴場中の穴場という感じで島のような趣があり大変感動しました。
芭蕉の碑があるのは水族館の近くのあたりですがこの日は行きかねました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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joeyrockさん、この辺(陸前浜田駅周辺)は観光客が比較的に少なく松島の本当の良さを味わうには穴場と言えそうです。
少し歩きますがお勧めのスポットです。
ただし利府~松島の堺の国道は歩道がないのでここで折り返し再び駅に戻って松島海岸に行くのも一考なのかも知れません。
松島の新たな一面を発見したこの日の散策でした。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

Rainさん、島の陰になったため比較的被害は少なかったとは言え、この辺にも一昨年の津波が来たはずです。
海面から低いところの松の木も当然海水を被ったと思いますが、立ち枯れはほとんど見られませんでした。
普段何気なく見ていた松の木ですが、お話を聞くと松林は貴重な財産と言えそうですね。
私も感謝の気持ちを持って松の木の織りなす景観を見たいと思います。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

松島は数え切れない程行きました。
小さい時の家族旅行、修学旅行、友人たちとのドライブ、
結婚してからの家族旅行。
沢山の思い出のある地です。
震災にも免れ、そのまま残っているのが、とても嬉しい
ですね。

ミックさんのブログを拝見して、今度は違った視点から
観てみるのもいいなあと思いました。
今度、一人で行ってみようかと思います。

URL | yoko ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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好日写真さん、松島に行かれたのですね。
今度いらした時には地図の△印の岬、○印の展望台の辺りがお勧めの撮影スポットです。
特に△印の辺りには箱庭のような趣を感じました。
この辺りは私自身も病みつきになるかも知れません。

志賀直哉の性格は多くの人が個性派で厳格で、威厳に満ちており、気難しく、とっつきにくいと認識しているようですが、一度信頼関係ができると気を赦し、素晴らしい人生観を持った芸術家という一面を見せ、多くの人を魅了したといいます。(弟子の阿川弘之氏談)
また友人の武者小路に言わせると「志賀の生活自体が作品のようなものだ」とも述べています。
一部の友人や知人には人あたりのよかった直哉ですが、反面マスコミにはいろいろと在りもしないことを書かれるとの理由で敬遠していたようです。
この辺は追ってブログに紹介してゆきたいと思います。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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行雲流水さん、地元びいきと言われるかも知れませんが、やはり松島は違うなと思いました。
この日は新たな魅力を発見できましたがこのルートが良かったのかも知れません。
この箱庭的な眺めには俗世間離れした芸術性さえ感じました。
芭蕉翁の気持ちが少しわかったような気がしました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

はぐれ雲さん、松島の風景は海でありながらどこか茶や日本庭園の趣を思わせるものがあり、日本人の心と共鳴するのでしょうね。
確かに時間をかけるというのはポイントですね。
島時間のような時の流れを感じたのはこの上もない至福でした。
旧道を巡る松島もいいですが今度は遊覧船からも味わってみたいと思っています。
ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ひがにゃんさん、なり切りの多い私ですがこの日も松尾芭蕉や志賀直哉になり切っていたのかも知れません(笑)
ニ十前と変わったのは観光客でにぎわう桟橋の辺りの店が増えたり、伊達政宗人形館ができたくらいと思います。
今度お越しの際はこのルートもお考えください。
特に例の岬からの眺めは圧巻です。

志賀直哉が松島に立ち寄ったというのは私の知る限りはないようですが、書簡集が手元にありますのでよく調べてみたいと思います。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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でぶひろさん、松島は本当に見ごたえがあります。
仙台にお越しの際は是非いらしてみてください。
遊覧船も見どころいっぱいだと思います。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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gt_yosshyさん、宮島と橋立は関西ですが松島は離れていますね。
私は定年後に宮島と橋立を見るのが夢です。
私も四十台後半から歴史や文学に興味を持ち始めました。
こういうものに興味がおありでしたらバイクツーリングと組み合わせるのも一考と思います。
神戸と比べたら宮城はローカルですが蔵王もあり見どころ、走りどころは満載です。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

CROWNさん、私は逆に遊覧船で松島を周ったことがないので今度こそはと思っています。
松尾芭蕉の碑もありますがこの日は歩きすぎて回り切れませんでした。
こちらもお勧めのスポットです。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

yokoさん、松島にはいろいろな思い出があるのですね。
この旧道は観光ナイズドされていないので穴場と言えるのかも知れません。
最初の岬には料亭がありますのでセットで訪れるもの一考と思います。
この日は日本人が松島にひかれる理由がわかったような気がしました。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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