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フランツ・フォン・スッペ「軽騎兵序曲」
 いつもの通勤途中の仙台市郊外の田舎道、忍び来る秋を前にして心なしか稲穂が黄色く色づき始めたようだ。私は路肩に車を止め、朝もやに霞む仙台市街地を眺めた。
 
 都心のビル街は何とか見えるものの、その向こうに連なるはずの奥羽山脈の山並みは全く見えない。もしこ地に初めて来た人ならあのビル街の向こうに一体何があるのか全く分からないだろう。

 そして十時間後、仕事を終えた私は帰宅途中に再び同じ場所に差し掛かった。
それはほんの二三分の間のショーだった。
薄曇り気味の西の空が薄紅色に染まった。
 
 突然、仙台市街のビルのシルエットが幻想的に浮かび上がった。
そして天と地の境目には淡い山の端が現れ、遠近感、立体感を私に印象付けた。
ここは本当に同じ場所なのか?同じところが十時間後には全く違って見える…。
 
 
 実人生の煩悩のもたらす不安や焦燥、或いは過度の自信は往々にして真理を曲げてしまうものである。それはあたかも今朝、今夕見たこの場所の風景と似ているのかも知れない…

 
「見ざる、聞かざる、言わざる」が三原則と言われるこの稼業… 
きょうは少しだけ嫌なことがあった。
 
たまには現実から目をそむけたくなることもあるだろう。
そんな時は酒を飲むに限る。
 
今宵は現実から逃避したかった。
私は家に帰ると「魔界への誘い」の栓を開けた。
 
※「魔界への誘い」:佐賀県鹿島市芋焼酎(光武酒造場)25度

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