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  荒野の用心棒主題歌「さすらいの口笛」 
主演:クリント・イーストウッド、1964年イタリア作品
 
 ここに無頼なる言葉がある。無頼には二つの異なった意味が存在する。一つ目は非道な行いをする者、二つ目は誰も頼るものがない者という意味である。実はきょうここに登場するガンマンも無頼であるが、彼は二つ目の意味の無頼であることをあらかじめお断りしておく。
 
 ガンマンに明日はない。あるのは現在に生かされている事実と自分の確かな腕だけである。彼の生き方は日本の侍とも似ているが無頼であり、明確な主従関係を持たないところが侍とは異なるところである。
 
 彼が生きていくには賞金稼ぎも必要になるだろう。或いは時としてボディーガードをやらなければならないこともあるだろう。一見ならず者のように見える彼の生き様だが、単なるならず者とは決定的な違いがある。なぜなら彼には明確な仁義があるからだ。
 
 ガンマンは銃口を向けていない者に引き金を引くことはないし、不意打ちはしない。これは彼のたった一つの誇りであり、単なる守銭奴(※注釈:金のためにはどんなことでもする非道な者)と一線を画する部分である。 

 彼は相手の出方によって、即座に引き金を引くべきか否かを一瞬で判断しなければならない。それだけに彼には研ぎ澄まされた神経が要求される。
 
 敵が銃口を向けてから引き金を引くことは彼にとって正当性の極みであり、まさにガンさばき(スピードと正確性)が彼の生死を左右しているのだ。

 確かに、常に懐刀という名のマグナム44口径を持ち歩くのは疲れる。もっと平穏な考えもあるだろう。だが現代社会という名の荒野に生きるガンマンにとってはその懐刀は使う使わないに関わらず常に持ち合わせなければならないものなのである。

この44口径が火を吹くか否かを知る由はない。
だが、元来一匹狼であり、無頼である彼にとってけして後戻りという言葉はないのだ。

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