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 ベートーヴェン 交響曲第6番 田園第一楽章  

ベートーヴェン 交響曲第6番 田園 第一楽章
 もし「一年の季節の中であなたはいつごろが好きか?」と問われたら、私は迷わず今の季節と答えるだろう。まだ6時を過ぎたばかりのきょうの仙台市郊外だが驚くことにまだこの明るさだ。
 
 少し大袈裟かも知れないが、この日の私はこの美しい夕方をよく英国で賛美される美しい夏の夕べに重ねていた。

  以下、コナン・ドイル原作、シャーロック・ホームズの回想「ギリシャ語通訳」(1893年ストランド誌発表)から抜粋。
 
 ある夏の日の夕方、お茶をすませたあと、私たちはゴルフ・クラブのことから黄道の傾斜の変化の原因に至るまで、あれこれと、とりとめのない雑談をしていた…そんな折に私(ジョン・ワトソン)はホームズからこう言われた。「どうだね?いま6時だから、この美しい夜の散歩に出かける気があるなら、君に喜んでその変わったクラブと変わった男を紹介するよ…」

 
…5分後に私たちは外に出てリージェント通りのほうに歩いていた…
 
※注釈
①変わったクラブ:ディオゲネス・クラブ:他の会員に一切話しかけることも、関心を持つことを許されないロンドンの風変わりなクラブ。
②変わった男:シャーロック・ホームズより七歳年上の天才的な推理力を持った兄、マイクロフト・ホームズ。
 
 ここはけしてロンドンのような大都会ではない。また22時まで明るい英国の白夜でもない。しかしながらこの景色を見ていると120年前のコナンドイルの感じた「美しい夏の夕べ」の感動が少しわかった気がした。

 
ここを1年ちょっと前には津波が襲ったはずだ
痛々しい傷跡はあちこちに残っていたが、私は大地の持つ自然治癒力を感じた。
 
古代から続く神々しい悠久の時の流れはやがて津波の傷跡を跡かたもなく消してくれることだろう。そして傷ついた私の心をも癒し治癒してくれることだろう。
 
この日の初夏の美しい田園を貫く一本の畔道がなぜか私には限りなく尊く感じられた。
 
その道が続く限り私は明日も自分の人生を歩み続けることだろう。
例えその道が田園の中の名もない一本の畔道であったとしても。
その道がかつて津波に襲われたいばらの道であったとしても…
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