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 私は多感な少年期を伊豆半島の湯ヶ島で過ごした
 多くの場合、歴史や文学は点から線に発展する際に大きな感動を伴うものである。
 
 連休中は与えられた時間を無駄に過ごすことなく有意義に使いたいものである…
 
 そんな思いもあり。今日の午前中、私はその感動に浸るべく今話題の松竹映画「わが母の記」を観に仙台市南部のある映画館に向かっていた。
 
※写真:雪の湯ヶ島(伊豆半島)

私が訪れた映画館は仙台市太白区長町のMOVIX仙台である。
地下鉄の長町南駅で下車するとすぐ目の前はザ・モールである。
きょうの私はあえて思うことがあって車、バイクでなく地下鉄でここを訪れた。

※地下鉄長町南駅とザ・モールの位置を地図でご確認ください。

このビルがザ・モール仙台長町である。

このビルのPart2の4~6階がMOVIX仙台である。

これはMOVIXの6階だが連休とあって4階には既に多くの観客が列を作って並んでいた。
多くの映画が同時に始まるが上映開始時間は10時半である。

今日上映される「わが母の記」。果たしてこの映画にどんな感動が隠されているのか…

主演井上靖(伊上洪作)役、役所広司、母親役、木樹希林、三女(琴子)役宮崎あおい。
原作井上靖(1907~1991)

彼の少年時代を描いた自叙伝小説「しろばんば」
この作品を読んだのが今回の映画鑑賞の決め手に繋がった。

物語は1959年、伊豆の湯ヶ島を訪れた洪作の追憶から始まる。
 
 幼少時から中年期にかけて、彼は長男として生まれながら祖父の妾(おぬい婆さん)のもとに預けられ、それが母の思惑であることを深く恨んでいた。幼少時の彼は極めて聡明であり、周囲の状況からおぬい婆さんの置かれた立場と自分がとるべき道をやがて悟っていく。
 
………
 
 1959年、彼はこの時既に小説家として成功を納めていたが、病床に伏す実父を伊豆半島の湯ヶ島に見舞っていた。その後ストーリーは1960年、1966年、1973年と断片的に展開していく。そして年々実母の痴呆の症状はひどくなっていった。
 
 そんな洪作に大きな転機が訪れる。彼の妻から実は彼がおぬい婆さんのもとに預けられたのは家を絶やさない実母の強い思いが理由だったことを聞かされたのである。
 
 やがて誤解は解け、母への恨みは慕情へと変化していく。この過程は素晴らしくこの映画の肝となるところである。
 
 この日の多くの観客は私と同じ年代(50~60台)だった。映画のクライマックスは伊豆の海辺で母をおぶる洪作のシーンである。

感動が館内に伝わり、もらい泣きしたかたも多く見受けられた。
そんな実母が死ぬ直前に最後の親孝行ができた洪作はきっと幸せだったに違いない…

時刻は12時半を廻っていた。映画から大いなる感動をもらい私はMOVIXを出た。
そして向ったのはザ・モールの中のこの店である。そば処「そば野」

連休の一日、私は井上靖の真摯な小説に思いをはせ、非日常的な時間に染まりたかった。
私は生ビールとねぎそばを注文した。
つかぬ間のひと時であったが、煩雑な日常を離れかけがえのない至福の時間を味わった。

母親への誤解が解けた後の洪作の笑顔はいつまでも私の心に残ることだろう。
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