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KR250のパワーユニットに取り入れられたR.R.I.S(ロータリー・リードバルブ・インテーク・システムの略)
一体、これはどんなメカニズムだったでしょうか?
※ロータリーバルブ式2サイクルエンジンの特徴:極低速のトルクは細いものの中速から高速の幅広い域での力強いトルク発生が見込める。
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ワークスレーシングマシンKR250(350)からフィードバックされたタンデムツインエンジン
このエンジンの特徴はシリンダーを縦に2基並べて全面投影面積を単気筒並みにして、空気抵抗を少なくしようという狙いがありましたが、もう一つの特徴は従来から高トルク、高出力の得られやすいロータリーバルブ方式と低回転域での吹き返しがなくなり安定したトルクが得られるリードバルブシステムも併用した方式、ロータリー・リードバルブ・インテーク・システムを採用した点でした。
※以下和歌山利宏氏著「図解バイクのメカニズム」より転載

2ストロークエンジンのロータリーバルブ方式以外のものを説明しましょう。
これはピストンバルブ方式と言って70年代前半のスポーツモデルに多く採用されていた方式です。特徴はピストンが弁の動きをして吸気ポートを開閉するために構造が簡単で高出力に向いており、高回転域を多用するレーサーにも多く用いられました。
デメリットとしては低回転域での吹き返しにより低速トルクが細くなる点です。

次の方式はリードバルブ方式と言って吸気ポートに逆流防止弁が設けられた方式です。特徴は吹き返しがなくなるため、低速からのレスポンスにすぐれ、始動性も向上します。
欠点としては高回転域ではこのバルブ(弁)が抵抗となって高出力化に向いていない点です。
しかし、その後この欠点を補うべく、ピストン方式との併用によるピストン・リードバルブ方式が開発され、ヤマハのスポーツ車(RDシリーズ、RZ)に多く採用されました。

これはロータリーバルブ方式と言ってシリンダーに対してキャブが横向きにつけられて、クランクと一緒に回転する切り欠きのついた薄い円盤(ロータリーディスクバルブ)で吸気ポートを開閉する方式です。
特徴は吸気のタイミングがロータリーディスクバルブの切り欠きによって自由に変えられることによって、高トルク、高出力が可能となり、ピストンバルブ方式と比較すると中低速トルクが得やすい点です。

そしてKR250に採用されたロータリー・リードバルブ・インテーク・システムの特徴ですが、下図のように低回転域では、三つの穴の真ん中のロータリーバルブだけの作動となります。

これに対して高回転域では両側のポートについているリード弁が解放されて、三つのポートによる吸気が開始されます。(ロータリーバルブ、リードバルブ併用)

これがKR250のノーマルのロータリーバルブです。

川崎重工業で出版したエンジンチューニングマニュアルの一節のロータリーディスクバルブの加工方法です。これは当時盛んだったF3レースに標準を合わせたチューニングと言っていいでしょう。

これはノーマルのバルブカバーですが、リードバルブ用の小さい穴(ポート)とロータリーバルブ用の大きい穴が確認できます。

 

非常に珍しいものをお見せしましょう。これはSUGAテックレーシングKRに搭載されたチューニングエンジンですが、リードバルブ用の穴はふさがれロータリーバルブオンリーの大きな穴が加工されています。(その他、大径キャブ、スペシャルチャンバーなどの多数の改造)
SUGAテックが苦心の末、独自で製作したロータリーバルブ式のこのマシンは、結果的に250CCのままでエンジン出力54馬力(後輪実出力50.3馬力)をたたき出しました。
おそらくかつてのF3レースに出場したKRでもここまで改造したエンジンはないはずです。
このKRはかつて日本最速KRとしてバイク雑誌に掲載されました。
※SUGAテックKR250改へのリンク:http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/19842643.html

 ロータリーバルブ、2軸クランクから生み出される高トルクがKRの持ち味であり、並列パラレルエンジンの回転でパワーを出すような乗り味とは異なります。
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