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 我輩は躁(そう)である。

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 (※注釈:現代の精神医学ではうつ病と双極性の躁うつ病が一般的に知られているが、稀に躁のみの躁病という症状を持つ人が存在する。しかしこの躁病も現在は分類上は躁うつ病の一つと分類される。)
 
 これは有名なゴッホの星月夜という作品である。この絵を見てあなたはどう思うか?激流に渦巻く波のように描かれた月、星、雲、木…人によってはとても正気の沙汰の人間が描いたようには見えない?…狂人の描いたような絵にも受け取れるだろう。この絵をかいた時にゴッホは躁病(超ハイテンション)だった言われている。ハイテンションだったと言われてみると彼から見た町の夜景はこの絵のように映ったのだろう。
 
 フィンセントファン・ゴッホ(1853-1890)は父の意志によって牧師になろうとしたが、元来の奇人(偏屈でかんしゃく持ち)的な性格のためにそれを果たせず絶望していた。しかしながら、彼はそのたぐい稀なる才能を芸術(絵画)に見い出した。
 
 そんなゴッホも常に躁だったわけではない。彼の代表作の一つに耳を切った自画像という作品があるが、この時は逆にうつだった。
 
 では躁病とは一体何なのか?実は私自身もある人から「あなたは躁病ではないか?」と言われたことがある。自分はゴッホとは比べるべくもなくただの凡人であるが、どんないきさつで私が躁病になったのかをお話ししたい。
 うつの時は私もこんなうつろな目をしていたのかも知れない。



  読者の皆さんに既に紹介している通り、私は以前うつ病を経験した。期間的にはうつ病が05年12月~08年1月、躁うつ病が08年1月~08年6月である。(現在は寛解に至る)
 
 うつ病になる前の私を知っている人物のほとんどから「以前(うつ病になる前)と比べて性格が変わった。」と言われた。どう変わったのか?その前に私のうつの状況がどんなものだったのか箇条書きにして説明したい。
 
①全てのことをマイナス思考で考えてしまう。(最悪の結果だけを思い浮かべて物事に対して逃げ腰になる。)
 
②精神的なエネルギーが大幅に不足する。(前にも述べたが、車で言うと排気量が1/10程度になったような状態になる。)
 
③朝早く(2時~3時)に目が覚めてネガティブなことをずっと考えてそのまま朝を向えてしまう。
 
 以上の状態で私は仕事のパフォーマンスを大きく落とし、周囲からいろいろな誤解(任務の遂行能力、積極性に欠ける…)を受けた。だが、うつの時はそれを面と向かって言われても何も言い返すことができなかった。反発するだけのエネルギーすらないのがうつ病なのだ。
 
 このままでは、会社を辞めるしかないのなも知れない。…しかし、このまま社会の藻屑(もくず)となって消えようとしていた私に一筋の光が差した。それは2007年12月末にNHK総合TVで放映された「伊達政宗、ヨーロッパにかけた夢」を見てからだった。
 
 (※:このTVの粗筋:遅れてきた戦国武将(最後の戦国武将)とも言われる伊達政宗は時の権力者、豊臣秀吉、徳川家康と表面上の服従を見せながら、ヨーロッパとの直接貿易を実現するため遣欧使節団を派遣するなど、最後まで天下取りをあきらめず、その後の伊達藩存続の基盤を作った。)
 
 このビデオは繰り返し200回以上見て一字一句違わないほど内容を把握(暗記)できたが、これは政宗の不屈の精神と私の負けん気が同調した瞬間でもあった。特に秀吉から国替えで領土を召し上げられたあとで、新たな領地で幸運にも金や鉄を大量に手に入れて軍事力を増強して復活した伊達政宗が、カメラに向かって銃口を向けるシーンは私を勇気付け、奮い立たせた。(銃口の先がなんであったか?は読者の想像に委ねる)
 
 そして突然鬱から躁へとスイッチが切り替わる…
 
 しかし、一見うつから脱出したかのような私に待っていたのは、躁うつ病であった。この病気のやっかいなところはうつ病と違って自覚症状がない(自分は正常と認識しているが周囲から見るとハイテンション)ということであった。
 
 想像できないことかも知れないが、躁の状態では今までのうつ病のマイナーな精神的要因が全く逆に作用する気になる。一言で言えば天井知らずという表現になる。
 
 夜はほとんど眠らなくても良かった。床につくといろいろなアイディアが次々と泉のように沸いてきた。正直言って世の中の動きが全て自分にとってかったるいと思えるほど、ローテンポに見えた。
 
 わずかな睡眠時間で、深夜2時、3時に起きると私はその有り余るエネルギーを仕事や趣味ににぶつけた。今まで見くびった連中を見返してやりたいと思ったのである。しかしそれは常人の理解できる範囲を大きく超えていた。ハイテンション、疲れ知らずは仕事を遂行する上では大きなアドバンテージをもたらしたが、周囲が全く見えないため、多くの摩擦を産んでいったのである。…続編https://gbvx257.blog.fc2.com/blog-entry-1893.htmlに続く
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[タグ] 我輩は躁である

コメント

No title

うーん、なんだか自分にもあてはまりそうで、一気に読んでしまいました・・・。ただ、夜は寝れるんだよなぁ~、いまのところ。

URL | 魚忠 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

魚忠さん、躁とうまく付き合うコツはいかにブレーキをかけて自己を押さえるかということですね。
でも車やバイクと同じで躁の大きななエネルギーは良い足回り(強大なストッピングパワーのブレーキ、いいサスペンション)があってこそ初めて活かされます。
私はその押さえるコツを覚えて復帰しました。
軽度の躁をいいことに使いましょう。
周囲に迷惑のかかる重度の躁はペケですが、仕事や創作意欲を高めてくれる軽度の躁はありかなと思います。
また起伏の激しい躁うつの再発防止にはゴルフや魚忠さんのやっている散策、山歩きなどの自然に親しむ趣味が最適かな思います。
勇気のいる投稿に深く感謝します。
これからも宜しくお願いします。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

うーなんか、たぶん今、うつ状態なんでアレですけど
うまく付き合っていくのが難しいですねぇ。
どんどん、インナートリップしてるし・・・

URL | すなよし ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

すなよしさん、失礼ですが、4月にいわきでお会いしたときは快活そのものに見えましたが…
気分的に落ち込んだときは無理をしないで、無難に切り抜けた自分をほめるくらいがちょうどいいみたいです。
そのうちにきっとよくなると思います。
魚忠さんのところにもコメントしましたが、躁でも鬱でも野山を歩くなど自然に親しむのはいいことだと思います。
お力になることがありましたら、遠慮なく申し出てください。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

なんとなく わかりますよ^^
鬱の状態から 何かが きっかけで 躁になれる時があるんです。
私は 病院までには 行かなかったけれど・・・
なんとなく このままでは 鬱になってしまうんじゃないかと
思えた時がありました。
ミックさんにも 随分助けていただきました。
ちょっとした 助言とか 気持ちの切り替えが出来た時に
鬱から躁に変わる瞬間・・・・ちょっと わかるんです。
それをうまく 乗り越えた ミックさんは素晴らしいです。

URL | - ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

みぃ~さん、気分が高揚したり、落ち込んだりするのは誰にでもあることですが、その時計の振子が人よりも大きく振れてしまうのが躁鬱病なのです。
特に躁の症状が顕著に表われるⅠ型の場合は心のコントロールが難しくなります。
鬱のときは人に心配をかけても迷惑はかかりませんが、躁になるとこの特有の症状が災いして人間関係に支障をきたすことがあります。
それに歯止めをかけるのが心のブレーキです。
私はここでこれを言っていいのか悪いのかを、冷静に考えてから発言するようにしています。
再発は気になりますが、ゴルフをしていれば再発予防につながるのかな?と思います。
なぜならゴルフは自分のことより人に気を使う大人のスポーツ(マナーが要求される)だからです。
また大自然に身を置くだけで心の平穏が保てるもの魅力です。
私はゴルフを続けている限り、心のニュートラル(人との調和)を保てると信じています。
みぃ~さんもどうぞ散歩を続けてください。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミック様へ
彼の絵は普通のプロの画家が一生に一枚描けるかどうかと思うほどの集中した絵を短期間に大量に描いています。どうしてそんな事が出来るのかが謎でした。躁状態だったのですね。納得しました。絵を見てこの集中力は何なのか。これ程やったら体が壊れると思って見ていました。色々な人にその話をしても怪訝な顔をするのです。しかしどう考えても普通の集中力では無いのです。何というか湧いてくる泉を必死で汲んでいる感じなのです。躁状態がそういうことなら、この画家が描く事の喜びと描かなければならない強迫観念に駆られていた事が判ります。だからその意識を断つために自殺したのだと思います。この気持ちは誰にも判らない。もちろん当時の医者にも判らない。体が持たない状態に追い込まれていたのだと思います。長年の謎が解けました。そして私のこの病気に対する認識の甘さも判りました。勉強になりました。ナイスです。有難うございます。

URL | 不あがり ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

不あがりさん、トラックバック先へのコメントに感謝しております。
ゴッホはこの絵を描いたときに命を削って描いたような気がしております。これは私にも経験があるのえすが躁の状態が続くと危険でもあるのです。
また彼は生前、偏屈で癇癪もちだったようですが、おそらく躁がもたらす強い攻撃性に原因があったと解釈しております。
その過剰とも言える強大なエネルギーを作品にぶつけこのような絵が誕生したのではないでしょうか?
当時はおそらく彼の躁に対しての認識はなく症状を抑える薬もなかったのでただの変人として見られていたようです。
それでも彼にはそんな自分を解釈してくれる弟がいました。
そのことが後年の天才画家ゴッホとしての見直しに繋がった一因なのかも知れません。
感想、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

トラックバックありがとうございます。

今までゴッホの絵を見てもよく解りませんでしたが
そう言う事情が隠されていたのですね・・・
今度見る機会がありましたら、もっとジックリ見てみます。

それにしてもご自身の病気とゴッホの記事
やはり何ていうかミックさんは徹底してますね!
改めて脱帽です!

しかしこの記事に癒しの森がトラックバック出来たこと嬉しく思います。
ありがとうございました。

URL | 和奴 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

和奴さん、躁の場合は鬱のまったく反対で得体の知れないなにかが某を支配しておりました。
但し失ったものも多い;本人は心地の良いものがあっても周囲はまったく逆である。これに気づくまで時間を要しました。
しかしながらこれがあっていまの某がごさいます。ブログ仲間でもこの時の「躁」になった某を見たらきっと引くことでしょう。

某は物書きの端くれとして人様のことをいろいろと書いていますが、その見返りとして自らも裸となって人様に正体を晒す義務がごさいます。
ゆえにこのような暴露的な記事を公開している所存でごさいます。

鬱が7人に一人の割合なら、躁鬱病1型(強い躁状態に見舞われる)は数百人に一人となります。トラックバック先にコメントを頂き、また相互トラックバックを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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