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ノンフィクション小説「支倉常長と私」後編

第3章『新たなる決意を誓う』

男は侍のような強い心がほしかった。そして心の傷(ブログ休止にともなう最近の一連のごたごた)をいやしたいとも思った。平成22年1月10日、男はJR仙台駅仙石線(せんせきせん)6時10分発の石巻行きの電車に乗り込んだ。

日本三景松島を通過すると松島湾ごしに雪化粧した蔵王連峰が見える。景色に見とれているうちに奥松島の陸前富山(りくぜんとやま)駅に列車は止まった。コンクリートの桟橋の上で3人の漁師が海産物を運んで働いている以外人影はない。今男には心の余裕が欲しかった。時間がゆっくりと流れるようなこの光景はせっぱつまった男の心を幾分たりとも和ませてくれた。

やがて列車は2本の川(吉田川、鳴瀬川)を渡った。吉田川を渡る時、朝日が反射して川面が光り輝いた。そして列車から見る仙台湾は鏡のように滑らかで私の心をいやしてくれた。そして鹿妻駅を過ぎると遠方に牡鹿半島のシルエットが見える。

396年前に支倉常長はここを出航してヨーロッパに向かったのだ。出航の日の海もきょうの海のように鏡のような凪だったのだろうか?…いつしか男の胸は高鳴っていた。

写真:鏡のように波のない松島湾の海を見て癒される



終点石巻駅を降りると男は折りたたみ自転車でサンファン館(注釈:宮城県石巻市、伊達政宗が慶長遣欧使節団を派遣するために1613年に建造した500トンの巨大帆船のレプリカが飾られている)に向かった。

写真:終点JR石巻駅



サンファン館に到着すると、男はサンファン号の体験シュミレーター(さながら支倉常長になった気分で、臨場感あふれる巨大映像を見ながら、船の揺れ具合を体験できるシュミレーションマシン)に乗った。

写真:体験シュミレーター



シュミレーションではあるが、船の揺れに耐えた男は嵐に遭遇したのときの支倉常長(船と運命をともにする)になりきっていた。『使命のためならこの船とともに沈んでもいい。それは私の本望だ。』『侍にはこういう強い気持ちが必要なんだ。』(こういう強い気持ちを持てば自分もうつ病にはならなかったのだ。)

支倉がローマで描かれた有名な全身の肖像画(ローマ法王に謁見した際の高貴な絹の着物を着て犬を連れている絵柄)と同じシーンが最後にシアターで上映されたとき、男の眼には涙があふれていた。それは男がうつ病になったことに対しての後悔の念、そして命がけで使命を遂行した侍、支倉常長への敬意の涙だった。

写真:ローマ法王から贈られた高貴な絹の着物を着た支倉常長



そして男は決意を新たにした。その使命とは家族のために自らの命をかける(支倉常長になりきる)ことであった。

男は上映後、涙を拭うと侍のりりしい肖像画を見上げ、決意を新たにして力強い足取りでサンファン館を後にした。

写真:力強くサンファン館を後にする



私は家族のために支倉常長になりきることをここに誓う

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コメント

No title

qaqさん、1月10日にこのシュミレーションシアターを見た時に自分は完全に支倉常長になりきっていました。
その感動(エネルギー)がこの小説を書かせ、私を窮地から救い出してくれました。
これからもいろろと切磋琢磨していきましょう!
そして執筆活動頑張ってください。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

らびらび工場長さん、自分は窮地に追い込まれた時に、歴史上の人物になりきって(エネルギーをもらって)乗りきるようにしています。
またブログ友達からの励ましの言葉も大きなエネルギーになります。
ポジティブに考えて難局を打開していきましょう。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

おはようございます。

前・後編、拝読いたしました、私などには想像も出来ない状態になるものなんですね。
これからも、お付き合い宜しくお願いします。
記事楽しみにしてますよ~。

URL | ビナヤカ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ビヤナカさん、自分がうつになるまでは人ごとかと思っていました。
でもうつから回復した今は前とは別の自分(強い自分)がいるような気がします。
また最初は自分がうつ病だったことを隠していましたが、今は公表してうつに苦しむ人の力になりたいと思っています。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ご無沙汰しておりました。
以前私の妹もうつ病で悩んでおりました。
なかなか周りにも理解されず、分かりにくい病ですので、ここに書かれた以上にずいぶん苦労されたことと思います。

遠くからですが、新たな決意のもと走り出すミックさんを応援いたします。
今後ともよろしくお願いいたします!!

URL | mako ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

私も今まで人生の窮地がありましたが、乗りきれたのは家族、友人、バイク、車のおかげですかね。

URL | gt_yosshy ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

makoさん、妹さんの力になりたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

gt_yosshyさん、これからもいろろと支えてあっていきましょう。
これからもNinjaの記事期待しています。
今後ともよろしくお願いいたします。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミックさん
また記事を楽しみにしてます

でも…
いっぱい頑張らなくても・・・
ゆっくりのんびりじゃあダメですか?

歴史の苦手な私ですけど
ミックさんの記事を理解しようと
支倉常長のことちょっと勉強しました(^^;

URL | kyasarin ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

kyasarinさん、うつ病は頑張ろうとするからそうなるのかも知れませんね。
でも支倉常長のような強い心があれば(自分の命よりも使命を遂行するほうが大切だと思う気持ち)うつ病にはならなかったというのが私の考えです。
うつ病を克服した私は考え方(性格)が変わりました。①物事をポジティブに考えることができる②自分のテンションを自在にコントロールできる③早朝、深夜におきて仕事を苦もなくこなしたりするのは、うつ病というよりそううつ病の副産物だと思っています。そうの状態の時は通常の状態よりも大きなエネルギー(車で言えば排気量が大幅に増えたような状態)を発揮できることがわかったのです。
こう考えるとうつの体験も悪いことだけではなかったのかも知れません。
でもkyasarinさんの忠告はありがたく聞いておきます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

どうもです。
わたしも仕事が忙しくて、最近は気持ちの余裕もなくて、ブログもほったらかし状態です・・・。
自分の気持ちをコントロールするのはこの年になっても難しいです。
とほほ・・・

URL | 魚忠 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

魚忠さん、郡山転勤になったそうですが落ち着きましたか?
暖かくなったら、また折りたたみ自転車の記事楽しみにしています。
マインドコントロールは難しいことですよね。
パワーのある車やバイクが強力なブレーキを必要にするのと、そう状態での気分高揚を押さえるのに強い意志がいることはニュアンスが似ているような気がします。
押さえる(周囲の雰囲気を冷静沈着によむ)ことを覚えることによって私は寛解にいたったような気がしています。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

はじめまして、支倉さんの話、面白かったです。はじめて、聞きました。

URL | nojimapark ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

nojimaparkさん、前に私のブログのウルグアイ国歌にもコメントいただいておりありがとうございます。
自分も支倉常長のような強い心を持って今後の人生を歩んでいきたいと思っています。
自分も常長の立場だったら、迷わず洗礼を受けていたでしょう。
今後ともよろしくお願いします。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

ミックさん、仙台駅、石巻駅など、今日の地震のあった場所ですね。
ミックさんは、大津波の被害にはあわなかったですか?

URL | nojimapark ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

nojimaparkさん、ご心配ありがとうございます。
私の安否については書庫の『震災を越えて』の二つの投稿のうちの最初の投稿にも記しましたが高台(標高130メートル)にあるため津波には合いませんでした。
私が以前取材した気仙沼、南三陸、石巻、奥松島、松島、塩釜、七ヶ浜、仙台港、名取、亘理、相馬、南相馬区小高地区、浪江、いわきはご存知の通り全て津波に合いました。
その面影は撮影した多くのの写真でご覧になれます。
写真のような美しい景観を取り戻すまではあと数十年はかかると思います。
それを信じて復興に努めます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

陸前富山(とみやま)駅は、私が大学を2年遅れて卒業する時に、私に部屋を紹介してくれた友人が勤めていた飯場がありました。
それ以降私はなんどかこの辺りを訪れています。
一番最後に訪れたのは造園工見習いで松島に3年半通った時でした。

サンファンバウティスタ号は入り口まで行ったことがあります。
そして牡鹿半島の先端までその後2回ほど行っています。

海岸が全部やられていろという情報は本当にショックでした。

URL | ☆アツ☆ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

アツさん、この自作小説を書いたときにちょっとした私のピンチがありました。そのことはいずれお話したいと思います。

サンファンバウティスタ館は今回一階部分が津波でやられたようですが、サンファンバウティスタ号は大丈夫だったと聞いています。
そう言えば、さ来年の2013年はサンファンバウティスタ号渡航400年にあたりますが、なにか式典があれば行きたいと思います。

創作の動機ですが、支倉常長であり続ける(任務をまっとうする)ことが今の私を支えているということを、作品を通して訴えたかったのです。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

こんばんは。あっと言う間に続けて拝読できました。
色々な戦いや葛藤があったのですね。
私もストレスからパニック障害になった事があります。
職場に行く途中で引き返して、落ち込んでいました。
でも今が最低なら、これ以上は下がることはない、
これからは上がって行けばいいという気持ちに
切り替えて、少しでもプラス志向で行こう、と
物事を考えるようになりました。
この作品を読んでいても、家庭を持った方は
自分一人の生き方以外でも背負う物が沢山あり
責任感が強く感じるほど、これでいいのかと思う気持ちから
自分に見えない枷でがんじがらめになってしまったように
感じます。
後半から前向きになっていく姿を感じ、とても良かったと
思います。
辛い過去を乗り越えて現在の強さに繋がっているのですね。
超えられない壁はなく、試練を乗り越える力が
人にはあると思います。
時には弱音をはいても一人じゃない事や色々な心の支えがあって
強く生きていけるのでしょうね。

長々と感想してしまいました;

URL | joeyrock ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

joeyrockさん、コメントありがとうございます。
joeyrockさんの心境をお察しいたします。
実は本日あるかたからミックさんにとってうつ病は救世主だったのではないですか?と言われました。
奥の深い言葉だと思います。
なぜなら、うつ病の落ち込みがなければ今の私はないからです。
うつ病で社会的信用を失った私ですが、それを奪回すべく奮起しました。
その過程では躁の力も借りました。当然人との摩擦も生みました。
でも根底はファイター(ボクシングで、けして逃げないで相手との打ち合いを得意とするタイプのボクサー)でありたいと思います。
ファイターの精神は侍の精神とも似ています。
でも自分に恥ずべきことがない限り、貫けるものでないと心得ています。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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