fc2ブログ
前編をお読みでないかたはこちらをクリックしてください。
↓↓↓http://blogs.yahoo.co.jp/bgytw146/23968797.html
日本ブログ村、短編小説ランキングに登録しています。クリックしていただくとランキングと注目度が上がります。↓↓↓↓↓
https://novel.blogmura.com/novel_short/


ノンフィクション小説「支倉常長と私」後編

第3章『新たなる決意を誓う』

男は侍のような強い心がほしかった。そして心の傷(ブログ休止にともなう最近の一連のごたごた)をいやしたいとも思った。平成22年1月10日、男はJR仙台駅仙石線(せんせきせん)6時10分発の石巻行きの電車に乗り込んだ。

日本三景松島を通過すると松島湾ごしに雪化粧した蔵王連峰が見える。景色に見とれているうちに奥松島の陸前富山(りくぜんとやま)駅に列車は止まった。コンクリートの桟橋の上で3人の漁師が海産物を運んで働いている以外人影はない。今男には心の余裕が欲しかった。時間がゆっくりと流れるようなこの光景はせっぱつまった男の心を幾分たりとも和ませてくれた。

やがて列車は2本の川(吉田川、鳴瀬川)を渡った。吉田川を渡る時、朝日が反射して川面が光り輝いた。そして列車から見る仙台湾は鏡のように滑らかで私の心をいやしてくれた。そして鹿妻駅を過ぎると遠方に牡鹿半島のシルエットが見える。

396年前に支倉常長はここを出航してヨーロッパに向かったのだ。出航の日の海もきょうの海のように鏡のような凪だったのだろうか?…いつしか男の胸は高鳴っていた。

写真:鏡のように波のない松島湾の海を見て癒される



終点石巻駅を降りると男は折りたたみ自転車でサンファン館(注釈:宮城県石巻市、伊達政宗が慶長遣欧使節団を派遣するために1613年に建造した500トンの巨大帆船のレプリカが飾られている)に向かった。

写真:終点JR石巻駅



サンファン館に到着すると、男はサンファン号の体験シュミレーター(さながら支倉常長になった気分で、臨場感あふれる巨大映像を見ながら、船の揺れ具合を体験できるシュミレーションマシン)に乗った。

写真:体験シュミレーター



シュミレーションではあるが、船の揺れに耐えた男は嵐に遭遇したのときの支倉常長(船と運命をともにする)になりきっていた。『使命のためならこの船とともに沈んでもいい。それは私の本望だ。』『侍にはこういう強い気持ちが必要なんだ。』(こういう強い気持ちを持てば自分もうつ病にはならなかったのだ。)

支倉がローマで描かれた有名な全身の肖像画(ローマ法王に謁見した際の高貴な絹の着物を着て犬を連れている絵柄)と同じシーンが最後にシアターで上映されたとき、男の眼には涙があふれていた。それは男がうつ病になったことに対しての後悔の念、そして命がけで使命を遂行した侍、支倉常長への敬意の涙だった。

写真:ローマ法王から贈られた高貴な絹の着物を着た支倉常長



そして男は決意を新たにした。その使命とは家族のために自らの命をかける(支倉常長になりきる)ことであった。

男は上映後、涙を拭うと侍のりりしい肖像画を見上げ、決意を新たにして力強い足取りでサンファン館を後にした。

写真:力強くサンファン館を後にする



私は家族のために支倉常長になりきることをここに誓う

関連記事

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)