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函館市旧イギリス領事館

函館港はその昔、黒船に乗ったペリー提督が訪れたことで有名だが、今からちょうど150年前の185

9年に英国領事館は開設された。

その後の数度の火災焼失で大正2年(1913年)に再建されたのがこの建物だった。

ここは計画的に訪れた建物ではなかった。

冒険家が函館の洋風な街並みを見慣れたのをさておいても、それはひときわモダンな建物であり、ひとめ

で歴史と伝統を感じさせる風格と品のある建物だった。

冒険家の足はこの建物の前ではたと止まった…

よ~し、この魅力ある建物を見てやろう!


中庭に回ってみる。

白亜の外壁、煉瓦積の煙突、噴水、ベンチそして石畳が格式ある領事館を演ずる。


中に入ってみよう。

英国の古い貴族などが住んでいた住宅の階段はこんな感じになってるはずだ。

冒険家は一瞬、名探偵シャーロック・ホームズがこの階段から降りてくるような錯覚にとらわれていた。

「やあ、ワトソン」…


初代の豆領事と言われた小柄な人物

この部屋から眼下に望む函館港の船の往来を彼は双眼鏡で見ていた。


函館市旧イギリス領事館説明



函館市文学館

この日の最後にドンキホーテが家来のサンチョ・パンサとともに訪れた場所である。

この建物の外観も周囲と協調するように洋風である。

これも中に入るしかない!


石川啄木をはじめ、函館ゆかりの作家が名を連ねる。



文学館の1階は啄木以外の作家の展示が中心である。

内部は撮影禁止だが、個々の写真を撮影しないという条件で特別に許可をもらった。


当初は第一銀行函館支店として建築され、その後㈱ジャックスが買取り、さらにその後函館市文学館となった建物である。

冒険家は帰りのフェリーに乗るため帰路についた。


さあ本題に入ろう。読者の皆さん、この冒険の当初にお伝えしたフェリーの名前「ばあゆ」(VAYU)を覚えていただいただろうか?

VAYU:インド神話の風の神

敵を追い払い、人々に名声、子孫、家畜、財宝を与える。

なんともいい言葉ではないか?

世俗的な冒険家は、是非ともこの船の名にあやかりたいと思った。

そしてフェリーが出航したあとの函館の夜景を感慨深く、いつまでも見ていた。

この日の平穏な海をもたらし、更にすばらしい函館の異国情緒を見せてくれたVAYU(彼にとっては慈

悲深い先祖にもラップした)の存在を信じて…


今宵はVAYUに感謝してこの酒に酔いたい。

帰りのフェリーで冒険家は甘口の酒「海峡浪漫」の栓をあけた。

VAYUの余韻に浸りたかったのは言うまでもない。

すると同室した二等船室に相撲取りのような恰幅のいいおどけた顔をした漁師風の男がいた。

年のころは50を少し過ぎたころであろうか?

漁師仲間らしい男と話が弾んでいた。

船が出港から一時間半を経過してまもなく大間港に到着するころ、ふと同室した若い母親と一緒にいた3

歳くらいの男の子が、その恰幅のいい男に駆け寄ってお菓子を渡した。

恰幅のいい男はおどけた顔(注釈:本人はまじめだが周囲はそのように受け取れない…タレントで言えば

松村のような表情、雰囲気を指す。)で笑いもせずに、一言ぶっきらぼうに「どうも」とだけ言った…

この一言で船室の雰囲気は明るくなった。

無表情でありながら温かみが感じられたのは、男の持つ一種の神がかり的な雰囲気だった。


この日の航海を無事に終えて、冒険家は再び本州に戻ってその大地を踏んだ。

青白いライトに照らされ、乗客が下りた「ばあゆ」の後姿を見て、冒険家はふと思った。

「ひょっとしてあの恰幅のいい男ははVAYUの化身ではなかろうか?」と…


函館市旧イギリス領事館場所


詳しい地図で見る

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