fc2ブログ

カムダンパーの調整手順について

 本日7月20日はKROG東北支部会員のCさんのKRのカムダンパー(2本のクランクシャフトからミッションに回転を伝えるためのクッションのついたギア:別名プライマリーギア)調整に立ち会いました。

 Cさんからカムダンパー不調(不調になるとエンジンが温まってからの再始動困難やアイドリングしなくなるなどの不具合を生ずる)につき部品調達の依頼を受けた私は東京都大田区在住のtetsuma3yaさん(私のブログの書庫の仙台平野探検隊の「鯨の町へ」からホームページにリンクしている)から新品の皿バネを入手して、私の出入りしているバイクショップ(すでに私のKRは調整済み)に組み込み調整をお願いして実現の運びとなりました。

 Cさんは、宮城県北部から軽トラでKRをショップに持ち込んできました。まず私のKR500レプリカと並べて写真を撮影。外見はノーマルで目立った傷も少なく程度は上。

 以下、KRオーナーのためにカムダンパーの調整方法を写真付きで説明します。尚、この作業を自分でする方は川崎重工業KR250サービスマニュアル1984年10月版を入手した上で、KROGのホームページのKRトラブルシューティングをプリンターで出力して、必ず熟読してから作業に入ってください。




 まずキャブレターのインテークマニフィルドを外した後、クラッチカバーを小槌で軽く叩きながらゆっくりと外していきます。




 クラッチカバーを外すとクラッチが現れますので、スプリングを止めているボルトを一本一本ゆるめて外していきます。最後にセンタークリップを外します。



 
 クラッチを外すとクラッチハウジングが現れますので、これもゆっくりと外します。




 クラッチハウジングを外すとミッションカバーが現れますのでこれも外します。




 キャブレターの左斜め下にあるのがカムダンパーです。右が前側、左が後側です。




 カムダンパーを取り外します。




 カムダンパーの断面図です。中には皿バネが入っていてクランク前軸と後軸のトルクをミッションに伝える際のクッションの役をするようになっています。この皿バネがへたって規定値よりも縮むと前述のような不都合をきたします。




 皿バネをばらすとこの図のようになります。




 ノギスで測定すると前後とも≒49.8mmで規定値(50.3mm~50.7mm)に満たないので新しい皿バネを追加して、規定値になるようにしてやります。




 最後に前軸と後軸の上死点、下死点とクラッチギアの歯車の位置をサービスマニュアルに基づき、合わせて完了です。あとは分解の逆の手順で組み立てていきます。




 組み直した後でエンジンはかかりましたが、アイドリングからの吹け上がりが緩慢なのでキャブレターの清掃を行いました。再びエンジンを始動して、私が試乗してみると今度はGOO!KR本来の力強いトルクフルな走りがよみがえりました↑エンジンも11,120キロと走行が少なめだけに排気圧も十分です。オイル漏れやエアーフィルターが純正でないなどの問題がありますが、大きな問題ではありません。これで8月23日のコバルトラインでのKROG東北ミーティングには出られそうです。tetsuma3yaさん、ありがとう。

 軽トラにKRを載せて、帰り際に見せたCさんの子供のような笑顔が忘れられません。う~ん、ホントに良かった。初期型KRを知る皆さんはKRは故障しやすいバイクというイメージを持っておられるかも知れませんが、このような整備を行えば25年前のバイクとは思えないようなすばらしいパフォーマンスの走りが得られることをここに公表します。




 ※追記:クラッチ用ガスケットは既に欠品となっていますが手作りガスケットの厚さは1ミリは使用しないようにしてください。オイル漏れの原因になります。
関連記事

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)