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 Enrico Caruso - O Sole Mio 
リンク曲について
三連休の後、一日勤務して明日はまた休みである。帰宅して今日一日の労に感謝し、公私のスイッチを切り替えプライベートモードにインターセプトする時、聞きたくなるのがこういう歌曲である。自分は流行に追われるのを極度に嫌う。有体に言えば昨今の若者言葉や造語にはなかなか馴染めない。それは今まで文化を作り上げてきた偉大な先人に顔向けが出来ないからである。少し前までは「新語」や「造語」という言葉すらなかった。「新語」や「造語」が世に氾濫するだけならまだしも、昔人が長い年月を経て築き上げてきた美徳(尊敬や謙譲を言葉に込める)が失われていくのは大変忍びない。

今の自分には堅物と言われても守らねばならないものがある。それは自らの振る舞いに於いて対外的に軽くならないという点である。自分はそんな思いに駆られ、今宵オンザロックを一気にあおり、この壮大な曲に酔いしれ、先人への畏敬に浸るのである。

中世に領地を与えられた郷士は己の領土を必死に守り抜いた。一所に命を懸ける…一所懸命の由来はここにあると言われる。一所懸命は確かに美しい言葉だが、セカンドライフでは根をつめ過ぎないことを自分に言い聞かせている。ゴルフのスイングで良く言われることは、力いっぱいクラブを振らないということである。不思議なことだが七割くらいの力で打ったほうが結果的に真っ直ぐ飛ぶし、距離も出るのである。「何事もほどほどに、力まずに…」これは自己客観視が進めば進むほど顕著に見えてくる普遍的事象である。

そういう自分はもちろん人間としてまだまだ完成の域に至っていない。それでも明日こそは…という気持ちだけは絶やさないようにしている。端的に言えば自分を信じるということである。かと言って自惚れてもいいと言っているのではない。飽くまで、他人には謙虚に振舞い、己の中で見据えるべきものを失わないということである。見据えるべきものとは儒教的な志向である。定年退職して一年半以上経ったが、定年間際の数年間は綱渡りのような毎日だった。いつ首になるか?ならない為にはどう立ち回るべきか?そんなことばかり考えていた。下手に動けば自滅という状況にまで置かれた私が選んだのは儒教思想の修得だった。

ここに礼節を知らない輩が居たとしよう。自分はそんなことに構うことなく自ら頭を垂れ挨拶する。それでも輩が無視すれば、輩を恐れることはない。具体例を挙げて説明したい。武道は礼に始まり礼に終わる。その礼節は一切、上位下位に関係なく対等に行われねばならない。即ち、「私と貴方はこれから行われる勝負において対等であり、一個の人間としても対等である」という気持ちの表現が武道における礼節である。これは何も武道だけのことでない。我が国はれっきとした儒教国である。人と人とが挨拶を交わす礎は儒教思想における礼節そのものなのである。然らば礼節を軽視する者はその真髄を知らないことになる。即ち、礼節を知らない者は役職を問わず秩序に従わない者(無頼漢)となるのである。

この道理を知った自分は、それから礼節を知らない輩を恐れることがなくなった。自分の定年退職は難産だったが、そのような経緯を経て成し遂げられたのである。もちろん、儒教で求められるのは礼節のみでない。仁(他人に対する慈しみ)、信(他人からの信用)、義(他人から受けたはからいに対して誠意を以って応えようとする姿勢)、智(物事の本質を見極める力)も欠かせないものである。私は自分を蔑んだ輩と会う機会を得たが、輩はその席でも悪びれた様子がなかった。その席で私は彼に尋ねた「貴方は儒教思想というものを知っているのか?」と。彼はその問いにこう答えた。「儒教思想は知りませんでした」と。自分はその時点で定年退職が確定したと信ずるに至ったのである。
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横町挨拶
奇遇ながら、セカンドライフで就職した会社は社員の倫理教育に取り組んでいた企業でした。昨年9月の二度に渡る採用面接の際、この企業の要職を担う人物は、初対面の自分に対して一人一人が立って挨拶したのです。私はこの瞬間、迷うことなくこの企業の世話になることを決めました。

精神病を患い蔑ろに扱われた現役時代に学んだ儒教思想がここに来て再び生きることになったのです。私は無神論者であり、仏教もキリスト教も、イスラム教も、神道も信じませんが、儒教だけは己の信条の中核に据えています。

儒教は武家社会のイデオロギーには欠かせない思想でした。我が国の儒教思想の主流としては朱子学(主君への忠誠を旨とする思想)と陽明学(天を敬いすつも、行動と志向の合一こそが目指す道に他ならないとする思想)の二つの流派がございますが、どちらもけして避けて通れない思想と受け止めております。本日も最後までご覧頂きありがとうございました。

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