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HANDEL - ARRIVAL OF THE QUEEN OF SHEBA - PIANO & ORGAN - SCOTT BROTHERS


【コラム】
パイプオルガンの名演奏者ジョナサン・スコットには実は弟がいる。弟の名前はトムである。ジョナサンは単独でも演奏するがSCOTT BROTHERS DUOとして、弟と共演をすることがある。トムはピアノを演奏するが、兄弟だけあって実に息が合っている。オペラはやはりいい。それは人生を俯瞰できるからである。己を非日常に身を置くことで渇き気味の感性に潤いを取り戻せるのである。

人生をもう一度だけやり直せるのなら、若年時から論語に親しみ、余暇時間にはこのようなオペラ曲やクラシックを聞き、自分との対話を試みたい。諺通り、鉄はやはり熱い時に打つべきである。甘やかされて育った過去の自分に欠けていたのが、自分を律する心とオーソドックスは何物にも勝るという思考の二つと考えている。

自分のサラリーマン人生を振り返るならば、セカンドライフに入ってからのほうが肩の力が抜け自らを俯瞰できる気がする。今宵は過ぎ去った若き日の自分の未熟さにほろ苦い思いを感じながら、オルガンとピアノの心地よい協奏曲に酔っている。合わせる酒はスコッチのオンザロックである。

1スコット兄弟

本日の朝、私は数日前からずっと気になっていた場所に向かった。崖っぷちの桜である。現役時代に人間関係に悩んでいた自分が、毎年決まって訪れていたスポットである。住宅地の片隅の崖の縁に咲いている桜は既に壮年を過ぎたかにも見え、そろそろ老木の域に達しようとしている。

2中景

すぐ傍には高圧鉄塔や電柱があって、写真映りはけして良くないが、こんな場所でも立派に毎年花を咲かせる姿に、自分は何かヒントをもらった気がしたのである。雨の日も雪の日も風の日も耐え忍び、たった一週間ほどの開花に備えるソメイヨシノに対して、いつしか自分は自らの進むべき道を見い出していた。それは特別なことではない。人間、地道に為すべきことを日々続けて行けば、いつかはそれが花開く時が必ず訪れるということである。

3崖

別方向から見たアングルである。足場は悪いものの、大地にしっかりと根付いている。花は他のソメイヨシノと比べても見劣りしない、見事な咲きぶりである。

4枝は南へ

ふと、私は花の中に一羽の野鳥がいるのに気づいた。オナガドリだろうか?詳しくはわからないが、桜の中にこの鳥を引き寄せる何かがあったのだろう。論語の「徳は孤ならず、必ず隣有り」、或いは史記の「桃李言わず、下自ら小蹊を成す」を感じた瞬間であった。鳥はしばらく花の中に居たが、私が二三歩近づくと鳴いて飛び立っていった。

5オナガドリ?

しばし、崖っぷちの桜に見入っていると、70~80年代と思しき女性が杖をついて近づいてきた。朝の散歩なのだろう。今までの私ならばこういう際は、黙ってやり過ごすことしか考えなかったが、儒教の教え(仁義礼智信は一体のものである)に照らし合わせ、これでは何か不足しているものを感じ、自ら率先して挨拶してみた。

横町「おはようございます。」

女性「おはようございます。見事な桜ですね。」(ここで桜の話が出なければ会話は挨拶だけで打ち切ろうと思っていた)

横町「十年ほど前から、毎年この時期になるとこの崖っぷちの桜を見に来ていました。自分の境遇である崖っぷちの人生と似たものを感じていたものですから…」

女性「何をおっしゃいますか?それにしても、こんな場所でも立派に花を咲かせるものなのですね。

横町「ええ…」

短い会話だったが、女性の仁を感じた。やはりこちらから挨拶して良かったと思った。

6後継樹

横町コメント
上の写真をよくご覧ください。実は同じ株から若木が出ていたのです。後継樹と見ていいのではないでしょうか?改めてこの崖っぷちの桜の強い生命力に感服した気がします。強い生命力と言って思い浮かぶのが雑草ですが、自分にとっては、人様から「雑草のようだ。」と言われるのが、何よりの誉め言葉です。七転び八起きと申しますが、雑草は踏んでも踏んでも強い生命力によって蘇ります。

自分は数年前の家系図作成により、祖父方のルーツ(先祖代々の言い伝えでは、岩手県から北上川沿いに南下し、伊達政宗公の命によって石巻の河口の開削事業に当たった仙台藩士・川村孫兵衛に仕え、新たな北上川流路の工事に携わったとされる)を知り、まさに雑草のような逞しさを重ねましたが、自分の体内にもそのルーツから受け継いだ血が脈々と流れていることを実感します。窮地をものともしない不屈の精神力は自分の数少ない取り柄と言えるのかも知れません。

本日は崖っぷちの桜を見て大変感動しましたが、益々親近感を増した気が致します。本日も最後までご覧頂き、ありがとうございました。ブログランキング・地域情報・東北地区に参加しています。宜しければクリックをお願い致します。
  


7六百七十横町
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