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本日は去る9月22日~9月26日に青葉区の電力ビルで開催された「如月会仙台水墨画展その2」と題して、前回(9月22日)に引き続き水墨画を紹介したい。墨で描いた美しくも厳しい世界は、時に見る者の背筋を正す。万事において虚飾は無用ならば、水墨画こそが真理と言える気がする。

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岩田竹舟氏作「波」は一週間前に別バージョンの作品(海辺から見た波浪)を紹介したが、本日紹介するのは船から見たと思しき「波」である。波の規模としては大波とは言えないが、波の醸し出す明暗には殊のほかインパクトを感じる。人生に光と影はつきものだが、そんな普遍を感じなくもない作品である。

1岩田竹舟「波」

佐藤信仙氏作「想いでの里」である。誰しも心の中に懐かしい故郷を浮かべるが、こうした幽玄の地に思いを馳せるのは至福のひと時であり、過去の様々な思い出が走馬灯にように駆け巡ることだろう。この画を見て、死ぬ前に一目見たいロケーションなどをしみじみと思い浮かべる御仁もお在りなのかも知れない。

2佐藤信仙「想いでの里」

東條萌仙氏作「松の花」である。同じ題名の小説が山本周五郎によって書かれているが、鳥は敢えて雀としている。松の花が咲くとその松は暫く安泰である。周五郎の小説では武家の妻の内助の功にスポットが当てられているが、或いは作者はこの雀にそれを重ねたのではないだろうか?

人や事物は失ってみて初めてその真価がわかる。この水墨画にはそんな暗喩を感じて止まないのである。

3東條萌仙「松の花」

今回の展覧会の中では唯一の女性渡邉律子氏の作品である。楕円の中から望む一本の滝。下のほうは霞んで見えないが、この滝が人間の煩悩を洗い流すような不思議な印象を鑑賞者に与える画である。山水画の良さを改めて教えてくれる含みの深い作品である。

4渡邉律子「滝」

礒貝守仙氏作「霧幻峡」(奥会津)である。奥会津と言えば人里離れた山奥の秘境を思い浮かべるが、自分も仕事の関係で何度か足運んだことがある。今頃の季節になると、毎日のように早朝から霧が掛かり、川は神秘的な様相を漂わせるが、作者はそれを見事に描き切っているように見える。或いは船を漕ぐ船頭を己に見立て、霧に覆われた川面に人生行路を思い浮かべるかたもお在りなのかも知れない。

5礒貝守仙「霧幻峡」(奥会津)

横町コメント
仏教に、この世で見るものは全て幻とする教えがありますが、一切の有彩色を排斥した水墨画こそが、その幻に最も近い気が致します。そう考えると、水墨画の持つ神秘性が一層浮き上がってくる気が致します。彷彿する対象そのものは人それぞれですが、その無限な可能性こそが水墨画の大き魅力と受け止めております。

ところで、皆さんはどんな画が気に入りましたでしょうか?ちなみに、自分は「松の花」でした。ひょっとして、作者の東條萌仙氏は山本周五郎の作品「松の花」を、ご自身の作品を暗喩したかったのでは?と受け止めております。

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6六百横町
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