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 春の歌 Felix Mendelssohn Spring Song 横内愛弓 


【コラム】
明日は啓蟄である。我が宮城もここ数日は10度前後まで気温が上がり、すっかり春の陽気を呈している。これに週末特有の解放感が重なれば何も言うことはない。中国の詩人白楽天白居易)は『卯時(ぼうじ)の酒』(明け方に飲む酒)と称して、次のようなことを語っている。「一杯を手に持って三口飲んで腸に至れば内臓を春が通り抜けるように温まり、日の光が背をあぶるように火照ってくる。五体が快く伸び伸びするばかりか心意気まで大きく広がる。即座に世俗のことは忘れて終日宮仕えのうさも心から消えてゆく。」

今宵の私はそのような気持ちで酒を飲んでいる。「内臓を春が通り抜ける」とは如何にも白楽天らしいエスプリにあふれた表現と受け止めている。白楽天は才能があるために宮中への批判(詩への風刺)を見過ごすことができなかった。「能ある鷹は爪を隠す」というが、天才と言えど若年時にこれを悟るのは極めて難しい。

一方で、陶淵明は宮仕えの難しさを「五斗米のために腰を折らず」と述べているが、私も宮仕えが苦手な性分ゆえ、陶淵明の気持ちがよく理解できる。然らば今宵も酒を飲み、束の間のトリップに勤しみたい。メンデルスゾーンの「春の歌」はそんなシチュエーションによく似合う曲である。

0メンデルスゾーン

帰宅時に買い物を済ませ、いつもの辻(定禅寺通と一番町)を通りかかった。伊達絵巻のネオンがひと際眩しい。いつの間にか薄暮の中を帰宅できるようになったが、これは自分にとっては何よりもうれしいことである。

1伊達絵巻

定禅寺通を横切る。今年こそはコロナが明けて「仙台・青葉まつり」(5月)と「定禅寺通ストリートジャスフェスティバル」(9月)が開催されることを望んで止まない。恐らく他の宮城県民も同じ考えなのでは?と察している。

2定禅寺

市役所前に出た。仙台市役所は近々建て替えになるが、予定としては令和6年度の建設工事着手、令和10年度中の供用開始であるという。今の庁舎は昭和40年(1965年)竣工だが、後2年ほどの見納めのようだ。

3市役所前

石巻出身の私にとっての真の地酒は墨廼江(すみのえ)の特別純米酒「春陽」である。日高見(石巻の地酒)とは甲乙つけ難いが、生家と酒蔵が近いこともあって私は墨廼江を贔屓にしている。

4春陽

横町コメント
啓蟄を前にして飲む酒を例えるのならば、まさに白楽天が卯時の酒で述べた一杯を手に持って三口飲んで腸に至れば内臓を春が通り抜けるように温まり、日の光が背をあぶるように火照ってくる。五体が快く伸び伸びするばかりか心意気まで大きく広がる。即座に世俗のことは忘れて終日宮仕えのうさも心から消えてゆく。」が思い浮かびます。私の宮仕えがいつまで続くかはわかりませんが、健康寿命を少しでも伸ばし、人生の黄昏時を謳歌したい所存です。

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5六百横町
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コメント

こんばんは

流石に春めいてきました。
故郷の地酒で晩酌して活力を漲らせ、
週末をご堪能される横町さんの姿が
浮かびます。

URL | ichan ID:-

啓蟄を明日に控え、早春を楽しむお酒を飲んでおられるのですね…。

「春宵一刻値千金」の季節には、まだ少し早いのかもしれませんが、気持ちは春へと飛んでいますね…。
メンデルスゾーンの曲とともに、薄暮の風景も楽しませてもらいました…。

URL | boubou ID:-

ふるさとの地酒に、魂が揺すぶられるような思いをされたようです。
まさに「内臓を春が通り抜ける」体験であったと喜ばしく存じます。

ichanさん、ありがとうございます。

おはようございます。ルーツに対して恥ずかしくない生き方を模索する昨今ですが、自分が物心ついたころの祖父の年齢に近づき、身の回りのいろいろなところが見えるようになりました。「平凡こそが非凡である」自分はこの理に気づくのが遅れた気が致します。

それでも、今からでも遅くないと自分に言い聞かせ、昨夜はこんな文に心情を託した次第です。陶淵明や白居易の詩が自分の心情を代弁してくれる。これが漢詩の素晴らしさでもあります。

ご配慮により、本日もお引き立てを頂戴しました。おはからいに感謝しております。ありがとうございます。

boubouさん、ありがとうございます。

記事を書く前に「今の自分の心境を何に託すか?」を考えてみました。その点クラシックや漢詩はいいですね。昨夜は帰宅してから、穏やかな春を迎えられた歓びもあり、地酒である墨廼江の特別純米酒 春陽を飲みました。郷里の酒ということもあり、感慨深い気が致します。祖父が酒飲みだったので、祖父のことを思い出しながらの一興の時間となりました。

話は変わりますが、そろそろ文芸誌の投稿の締め切りも迫ってきたのでラストスパートをと考えています。お陰様で、今回も格別なるエールを賜りました。ご配慮に感謝申し上げます。ありがとうございます。

声なき声さん、ありがとうございます。

春の陽気を感じての帰宅と週末の解放感、これに地酒と音楽が加われば何も言うことがございません。サラリーマン生活も終わりに近づきましたが、陶淵明や白楽天の生き様を振り返り、やはり宮仕えは自分にしっくりこないのを感じます。

憂さを酒で紛らわすのは古今東西変わらぬ人間の性(下戸のかたには申し訳ないですが)と受け止めております。訳は中国文学者石川忠久氏のものですが、原作の意図するものを少しも損じてないところに、石川氏の溢れ出る才覚(文学的才能)を重ねています。

ご配慮により、今回も厚誼を頂戴しました。コメントを頂きありがとうございます。

この数日、梅に椿、そして沈丁花なども蕾を膨らませて、
春が一斉に来た感じです。
啓蟄に地酒を飲む。
下戸の私には羨ましいような季節の迎え方です。

市役所の建物、建て替えですか。
訪れたところが変わって行く、寂しくもありますが、新しい建物を見に行く楽しみもありますね。

URL | スミレ ID:EBUSheBA[ 編集 ]

こんばんは

春の到来を待つ気持ちと共に飲むお酒、美味しいですね🍶白楽天の言葉は初めて知りましたが、その意味が分かるような気がします。
メンデルスゾーンの「春の歌」は本当に春らしい気持ちになれる曲で気持ちが和みます。お酒は日本酒が一番好きなのでご紹介のお酒、飲んでみたいです。

URL | Joey rock ID:-

スミレさん、ありがとうございます。

この時期になりますと、日本全国に散らばるブロ友様から花便りが届きます。これもブログの醍醐味と捉えています。時に酒を飲むのはバーチャルへの誘いでもあり、現実からの逃避でもあります。(笑)
但し、家族に迷惑をかけない条件で、且つ健康を損なわない範囲で、適量(二合以内)を頂いています。石巻の祖父も酒飲みでしたが、隔世遺伝したのかも知れません。

コラムを熟読して頂き感謝申し上げます。本日もお引き立てを頂戴しました。コメントを頂きありがとうございます。

joeyrockさん、ありがとうございます。

おはようございます。この墨廼江は地元の米でなく新潟米の五百万石を使用していると聞きます。藩政時代の石巻は河村瑞賢の拓いた”東回り航路”で他の地域(新潟や北海道も含む)で繋がっていただけに、感慨深いものを抱きます。

墨廼江の酒蔵は生家と近いだけに、祖父も飲んでいた銘柄では?と察しております。この日は在りし日の祖父の人となりを重ねながら、至福のひと時を過ごしました。

白楽天の言葉の「内臓を春が通り抜ける」感覚、これは日本酒通ならば理解できる気が致します。まさに”春陽”の名に恥じない飲み口(辛口ながらマイルドという不思議な味覚)に際し、是非リピートしたいと考えています。

リンク曲への感想を頂き感謝申し上げます。春になると時節に相応しい曲をリンクするのは数年前から行っていますが、メンデルスゾーンの「春の歌」は真打と言っていいほどの意中の曲です。それだけに、聞いているだけで春の気分に浸れます。

ご配慮により、今回も厚誼を頂戴しました。おはからいに感謝しております。コメントを頂きありがとうございます。

こんばんは~☆

メンデルスゾーン作曲の「春の歌」横内愛弓さんの
優しいピアノ演奏、春の訪れです。
柔らかい空気感を感じました。先日の3月5日は啓蟄でした。冬が終わり春の風物詩松にまかれたこも外しが始まっています。
越冬してこもに出てきた害虫も焼却されて樹木も緑が深まって行きますね。
石巻の地酒「墨廼江」の晩酌まさに白楽天の心境ですね。
優しいピアノの音色でうたた寝しません様に~

ボタンとリボンさん、ありがとうございます。

おはようございます。記事を熟読して頂き恐れ入ります。またリンク曲への感想を頂き感謝申し上げます。毎年春になってすることが「春に相応しい曲」であるYOU TUBEスレッドをブログに貼ることです。これによって、四季のある日本の気候が愛おしく感じられます。

横内愛弓さん演奏・メンデルスゾーン作曲の「春の歌」を選んだ理由は、演奏のスキルもさることながら”外連味のない態度”です。このような爽やか挨拶ができるかたはそう居ないと踏んでおります。律義さ、誠実さにおいてはジョナサン・スコットにも重なるものを感じます。

定禅寺通の欅並木の街路樹を見ながらの通勤が、自分にどれだけの追い風をもたらすのか?計り知れないものを感じます。あの頃の祖父の年齢に達した自分ですが、ようやく祖父の心中が見えるようになって参りました。墨廼江はそんな祖父を偲ぶに相応しい地酒と捉えています。

おはからいにより、今回も格別なる追い風を頂戴しました。ご配慮に感謝申し上げます。ボタンとリボン様、今週もいい週となりますことを心からお祈りしています。ありがとうございます。

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