fc2ブログ
先日紹介した著物『日本〇〇宿紀行』(上明戸聡氏著)に続いて、肩の凝らない本を読んでいる。先ずは著者を紹介したい。なぎら健壱氏(1952~)である。なぎら氏はシンガーソングライターであり、エッセイスト、コラムリスト、写真家である。多彩な才能振りだが、髭と眼鏡がトレードマークであり、雰囲気的にはアウトローにも見える。酒や下町に関する執筆やテレビ番組への出演も多いが、まさにそんなシチュエーションがしっくりと来る彼のキャラクターである。気さくで気取ったところがないのも、彼の魅力である。

1なぎら健壱

さて、今回紹介する著作は『町の残像』である。カメラ雑誌に連載されたシリーズもののようだ。

2町の残像

取材した場所は圧倒的に首都圏(それも東京都内の下町)が多い。少数ながら埼玉県行田市や愛知県犬山市なども入っているようだ。

3目次

昭和の頃、こういうモルタル造の商業建築は、よく見かけたものだが、数十年の年月が経ち、今ではめっきり少なくなった。閉店して久しいと思われる大衆食堂だが、哀愁じみた情感が脳裏を過る気がする。彼がこの建物を撮影してから8年経っているが、或いはこの建物は既に解体されてしまったのかも知れない。(撮影場所:羽田、撮影年度:2014年7月)

4モルタル造

なぎら氏は東京のど真ん中の銀座に生まれているが、この写真は2013年3月(9年前)に撮影した銀座の三原橋地下街である。銀座は多様な顔を持つ街と聞いているが、なぎら氏は幼少時からこのような下町特有の雑多な風情に触れながら育ったに違いない。この写真から感じるのは人々の喜怒哀楽である。人の世の移り変わりを横目に見てきた地下街に、なぎら氏は限りない郷土愛を重ねたのでないだろうか?

5地下街

このようなデザインはアールデコと呼ばれる。ヨーロッパやアメリカで1920年前後に流行したデザインである。我が国の年代(年号)から言えば大正時代だが、我が国にこのようなモダンなデザインが流行したのは戦後であった。用途としては遊興施設(待合)にも見えるが、バー、スナックの類なのかも知れない。

6アールデコ

夜は酔客で賑わう下町の飲み屋街だが、日中はまったく別な顔を見せる。なぎら氏はそんな下町にも愛着をもってカメラを向けている。私自身もこういう写真はゾーンである。

7昼下がりの飲み屋街

昭和の頃はこのような煙草屋が多かった。酒や煙草に関しては、専売特許さえ取れば食っていけるという時代でもあった。

8たばこ店

横町コメント
泥臭くて庶民的な印象ですが、なぎら健壱氏は古き良き時代の下町の魅力を、この著を通して読者にダイレクトに伝えようとしたと考えています。実は自分も現役時代に単身赴任で東京勤務を経験しましたが、これを享受するだけの心の余裕がなく、ただ慌ただしく、時が過ぎ去っていった次第です。今となっては、大変惜しいことをしたと思っています。

本日も最後までご覧頂き、ありがとうございました。ブログランキング・地域情報・東北地区に参加しています。宜しければクリックをお願い致します。
 ▼▼▼

9六百横町
関連記事

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)