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 Toto - I'll Be Over You Live1990 
リンク曲について
間もなく定年退職して一年になる。その間にちょっとした曲折はあったものの、幸いにも私は新たな企業に必要な人物として向い入れられた。その背景には以前の会社の連中を絶対に見返すのだという強い意志があった。一念岩をも通すと言うが、まさにその大きなエネルギーが今の私の背中を押すのを改めて、感じるのである。

過ぎ去った私の過去は取り戻せないが、幸いにも私の人生はまだ終わっていない。公私に渡っては自分の気の持ちようで、新たな展開が開けると考えている。TotoのI'll Be Over Youはそんな私の気持ちを如実に表す曲である。もちろんカラオケで歌える曲だが、9年前の出張時、私の唯一の理解者だった上司Sさん(故人)と青森の或るバーで一緒に飲んだ際、私が歌った曲という思い出がある。Sさんのことは今まで何度か書かせて頂いたが、死後6年8箇月を過ぎた今でも、Sさんは私の心の中に生き続けている。

「横町君、遂に君は私よりも長生きしたね。そして君は昨年無事に定年退職も果たした。だったら、もうそろそろ肩の力を抜いて、疲れない生き方を考えてもいいんじゃないかい?」私は、この曲を聞きながら天国の上司からそんな声を聞いたような気がした。
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私はSさんと生涯で3度だけゴルフのラウンドをご一緒させて頂いた。どうあがいてもゴルフ暦40年近いSさんに勝てるわけはないのだが、いつしか絶対勝ってやるという戯けたことを自分の心の中に抱いていた。そんなSさんが癌を患い、職場から去っていったあの日のことは今でもけして忘れない。

あれは2010年の盆前のことだった。電話をして「大丈夫ですか?」と問いかけた私に対して、Sさんは「なるようになるさ」と一言だけ返された。その言葉を思い出す度に私は今でも泣けてくるのである。死後7年近くが経ち、多くのかたがSさんのことを忘れようとしている。私は例え何年経とうが、今の私があるのはSさんのお陰と思っている。
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あれは私が鬱を患い、東北に戻され支店の付き合いで止むなくゴルフを始めたばかりのことだった。「ミック君、ゴルフをやるなら基本が大切だ。今度の週末に手ほどきしてやるから一緒に練習場に行こう。」こうして私は2006年の秋の初め、初めてのラウンドを前にして、仙台市宮城野区のあるゴルフ練習場でSさんから基本的なゴルフの手ほどきを受けた。

Sさんは普段はどちらかと言えば寡黙であり、特に目立った上司ではなかったが剣道で言えば中段の構え、けして大上段に構えて人を威圧するタイプではなく中庸を己の本分とし、人との協調、調和を大切にするバランス感覚にすぐれた人であった。またその一面、人にけして弱みを見せない精神的な強さを持ち合わせた人でもあった。

クラブの握り方、構え、アドレスの仕方…私は基本的な説明をSさんから受けた後、ボールを打ってみることにした。最初の一球は無心だった。いや無心と言うより考える余裕さえなかったという表現が正しいのかも知れない。7番アイアンで打ったボールは距離こそ飛ばないものの、ほぼ練習場の真ん中に放物線の弾道を描いてポトリと落ちた。
 
人づきあいが上手く、多くの社員から人望があるSさんは人を褒めるのもまた上手だった。「最初から曲がらないなんてミック君はなかなか筋がいいね。」私はそう言われて有頂天になった。ようし今度はもっと飛ばしてやる。そう思って二球目を打ったとたんボールは大きく右に曲がった。何球打っても二度と真っ直ぐに飛ぶことはなかった。


力んで空振りした時、私は周囲の目を意識して年がいもなく赤面してしまった「早く上手くなってSさんのような力強い球を打ちたい…」その日から私は毎日、ゴルフ練習場へ通った。プロレッスンも受けた。そして距離を出すために腹筋や背筋も鍛え肉体改造にも励んだ。また下半身を安定させるため、早朝のジョギング(最初はウォーキング)も同時に始めた。五十を過ぎて始めたゴルフに熱中し、一年以内のスコア100切りを宣言し張りきる私を横目に、ゴルフ歴数十年のSさんはきっと笑うしかなかったのだろう。
 
こんなことを繰り返す日々が続いたある日、私の心の中の時計の振り子が突如逆方向へと切り替わった。病状が鬱から躁に転じたのである。今思い起こせば、この変化は無意識のことであり、私が主観的に気づくよりも周囲が気づくほうが早かったのではないかと思う。多くの人に心配をかけたと思ったのはこの病状が落ち着いて寛解(医学用語で躁鬱病の症状が落ち着くこと)に至ってからのことであった。

Sさんはそんな不安定な精神だった私をよく理解してくれ、温かく長い目で見守ってくれた。私は今でも命日の4月3日にSさんの冥福を祈り哀悼の意を捧げている。その気持ちは死ぬまで変わらないことだろう。
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横町挨拶
本日は酒に酔い、在りし日のSさんを偲ばせて頂きました。古いブロ友様の数名はSさんのことをご存知ですが、新しいブロ友様の中には初耳というかたもお在りになろうと受け止めております。私はこれからもSさんへのご恩を忘れないためにSさんのことをブログに残して行こうと思っています。今宵は、今の私の気持ちが少しでもSさんに伝われば、この上もない幸いと感じています。本日も最後までご覧頂きありがとうございました。

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