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通算3826番目の記事(「私にとっての将棋」というカテゴリーとしては2番目)である。最近、図書館で借りた将棋の本を読んでいる。二冊とも大山康晴十五世名人(1923~1992)の本である。大山十五世名人と言えば、受けの達人(特に金の使い方がすごい)と言われたが、40代後半あたりからは振り飛車(飛車を並べた位置に置かずに別な場所に水平移動して戦う戦法)一辺倒であった。(但し相手が飛車を振れば大山名人は居飛車で戦った)私はそんな大山名人の多大なる影響を受け、その昔将棋に打ち込んだことがあった。但し大山名人が得意戦法とした振り飛車は、徐々に時流とともに徐々にプロ棋士からの支持を失っていった。

その理由は振り飛車の将棋は序盤から相手に主導権を渡す(AIの形成判断においては、序盤から居飛車側に数パーセントのアドバンテージがある)ことにあると言われていた。AI将棋の申し子とも言われる藤井聡太七冠(20)もその一人であり、現在では一流棋士の多くが居飛車党であり、振り飛車党はプロ棋士全体の一割前後とも言われる。現在のプロ棋士を見渡せば、久保利明九段、藤井猛九段、鈴木大介九段の三人(いずれも四十代後半のベテラン)は共に振り飛車党であり、振り飛車御三家と呼ばれている。では若手はどうなのだろうか?これは大変気になるところである。

1大山の本

破竹の勢いを続ける藤井聡太七冠(叡王)は防衛戦として、去る5月28日に岩手県宮古市の浄土ケ浜パークホテルで第8期叡王戦5番勝負第4局を戦った。相手は菅井竜也八段(31)であった。最終的な結果こそ、藤井聡太叡王が3勝1敗で防衛を果たしたが、第2局で菅井竜也八段が一矢を報いたのである。

岩手県の観光名所である浄土ヶ浜で記念撮影をする菅井竜也八段と藤井聡太叡王(経済効果の大きさは計り知れないものがある)

2宮古浄土ヶ浜

叡王戦の第2戦で藤井七冠に一矢を報いた菅井八段に着目してみた。なんと彼は振り飛車党であるという。そして今回の叡王戦のすべてを振り飛車で戦ったのである。この話題は本日のNHK将棋講座でも取り上げられ、第2戦(菅井八段が勝利)のAIの分析は、けして藤井七冠の居飛車に遅れを取るものではなかったという。

中盤で主導権を握った第2戦は菅井八段の完勝であった。奇しくも菅井八段は大山十五世名人と同じく岡山県の出身である。振り飛車党である菅井八段の勝利は将棋界に一大センセーションを巻き起こしたらしい。

3菅井八段プロフィール

この棋士は本日のNHK杯トーナメント戦に登場した西川和宏六段だが、彼も振り飛車党と言う。残念ながら郷田真隆九段(52)に敗退したが、健闘ぶりが目立った。西川和宏六段のご尊父は西川慶二八段(昨年8月に60歳の若さで他界)だが、戦後生まれとして初めての親子棋士であったという。ご尊父を亡くしたばかりの西川和宏六段だが人望が厚く、多くの棋士仲間からも慕われている好人物とのことであった。

4西川和宏六段

横町コメント
最近のテレビ対局の多くが居飛車党同士の対局ばかりで、何か寂しいものを感じていましたが、菅井八段の活躍もあり、アマチュア将棋のほうも、近いうちに振り飛車作戦が更に脚光を浴びる日が来るのかも知れません。少なくとも今回の叡王戦でのAIの形成判断(序盤はほぼ互角)がその可能性を示唆している気がします。振り飛車党の私としては、これを機に菅井八段と西川六段のファンになった気がしています。

これまでバーチャルではコンピューター相手に将棋を指したことがありましたが、久しぶりにビジュアルでの対局もしてみたいと考えています。本日も最後までご覧頂きありがとうございました。ブログランキング・地域情報・東北地区に参加しています。宜しければクリックをお願い致します。
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5六百横町
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コメント

将棋に一家言ある貴兄ですが、意外と将棋記事は少ないですよね…。
今回、記事を楽しませていただきました…。また、よろしくお願いいたします…。

URL | boubou ID:-

こんばんは

自分は将棋が不得手なので、ネットで
対戦成績を見るだけです。
藤井七冠の凄さは実感していますが、
菅井八段の活躍は大いに評価するべきと
感じています。

URL | ichan ID:-

boubouさん、ありがとうございます。

振り飛車戦法を貴兄にもわかりやすく説明する為にボクシングに例えましょう。居飛車戦法は正攻法とも言え、オーソドックスなボクサータイプ(適度な距離を保ちつつ攻守のバランスを取る戦法)に対して、振り飛車はファイター(前に出て相手との距離を詰めながら、相打ちを覚悟で打ち合うタイプのボクシング)となります。

要は肉を切らせて骨を断つというような大胆な駒の交換(さばきと言います)を厭わない作戦です。従って序盤に相手に主導権を渡すのは、百も承知ということです。力戦模様になりやすく経験がものを言う作戦とされますが、奥が深い戦法です。メリットとしては多様な居飛車作戦の定跡をいちいち覚える必要がないということです。升田幸三氏や花村元司氏なども好んで多用した作戦です。乱戦になりやすく形にとらわれないという見方もできると思います。

お陰様で本日もお引き立てを頂戴しました。おはからいに感謝しています。コメントを頂きありがとうございます。

ichanさん、ありがとうございます。

おはようございます。叡王戦に挑戦した菅井八段が藤井七冠に一矢を報い、脚光を浴びています。31歳で振り飛車党と聞いて驚いています。彼の活躍が将棋界に好影響を与えるのでは?と考えています。進化したAIは序盤から数パーセント居飛車が有利と見ていますが、将棋はそんな単純なものではない気がします。6:4くらいまでなら、リードのうちに入らないという見方も可能と捉えています。

近年、名人位を含め、多くのタイトル保持者が居飛車党だけに、大山名人のような強い振り飛車党棋士の出現を待ちわびています。例えそうならなくてもファンに夢をもたらすのが菅井八段の存在です。

数年前まではちらっと見るくらいのNHKのテレビ対局でしたが、今は食い入るように見ています。特に局面が振り飛車模様になった際は見逃せない気がします。おはからいにより本日も厚誼を頂戴しました。ご配慮に感謝致します。ありがとうございます。

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