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私は今月に入って二度、或る人物の墓を訪ねた。その人物とは平安時代の貴公子藤原実方(別名:実方中将)である。一度目は10月1日(日)息子と岩沼市のゴルフ練習に行った帰り道に立ち寄った。二度目が10月12日(木)である。

なぜ二度も訪ねたかというと、彼に関しての歴史エッセイを書きたいという強い願望があったからである。二度目の訪問の際は神罰が下って、彼が落馬したとされる道祖神社(佐倍乃神社)も訪ねた。

本日は1019年前に亡くなった彼の生前を偲びつつ、ペンを走らせてみたい。ここは彼が眠る墓所に向かう橋(実方橋)である。1000年ほど前のこの地はどんな情景が広がっていたのだろうか、今は田畑となっているが、往時はススキの原が一面に広がっていたのかも知れない。



橋を渡るとこのような札が掲げられている。ここから彼の眠る場所までは右側の道を真っ直ぐ100メートル行けば良い。



Google航空写真で藤原実方の墓(黄色)と佐倍乃神社(赤)を確認して頂きたい。



西行法師は1186年頃、この地を訪れ「朽ちもせぬその名ばかりを留めておきて、枯野のすすきかたみにぞ見る」と唄い在りし日の実方を偲んだ。



※西行法師(1118~1190)
平安後期の歌人。姓は佐藤、名は義清、別号に大宝房、法名を円位。武家に生まれ鳥羽上皇に北面武士として仕えるが、23歳で出家する。平清盛・時忠、崇徳院・徳大寺実能らと交わる。仏道修行、和歌に励み、諸国(陸奥~四国、九州)を遍歴。仏教観を基として独自の抒情歌を確立。花と月の歌がおおく独自の歌風は飯尾宗祇松尾芭蕉らに影響を与える。『新古今集』に94首収められ、家集に『山家集』等がある。

これは実方の墓所の前にある西行法師の歌碑である。


西行法師が訪ねてから約500年後の1689年、松尾芭蕉が奥の細道で「笠島はいずこ五月のぬかり道」と詠んでい。折りしも五月の雨で道路はぬかるみと化し、残念ながら実方の墓所にたどり着けなかった芭蕉の無念さがにじみ出た歌である。



藤原実方朝臣(生年不詳~998年)


以下名取市ホームページより引用
摂関家の流れをくむ由緒のある家柄に生まれ、平安時代の中頃(990年頃)花山・一条天皇に仕えた公家で、中古三十六歌仙の一人に数えられ、美しい容姿をそなえた貴公子として知られ。藤原道綱、道信や源宣方などとの親交があった。和歌の才能に優れ、清少納言ら多くの女性との贈答歌を残す。「拾遺和歌集」以下の勅撰集に67首入集。 

殿上で三蹟の一人に上げられる藤原行成とのいざこざで、一条天皇より「歌枕を見てまいれ」と陸奥国守に左遷され、陸奥の地に下った。ある日、藤原実方が出羽国阿古屋の松を訪ねた帰り、佐具叡神社(延喜式内社)前を通る際に、村人より「霊験あらたかな神様なので馬から下りて通るように」と言われたが、それを無視し馬に乗りながら過ぎようとしたため神罰が下って落馬し、その怪我がもとでこの地で亡くなったと伝えられ

往時あったとされる五輪塔の墓石は跡形もなく、今は土が盛ってあるだけである。貴公子の墓にしてはあまりにもそっけない趣に憐憫の情を誘われる。



さて、藤原行成とのいざこざについて触れておきたい。殿上人が東山に花見に出かけた折、にわか雨にあった。この時、藤原実方は「桜がり雨は降りきぬ同じくは濡るとも花のかげにかくれん」と詠じて木の下に立ち、雨を避けようとはしなかった。

このことを聞いた宮廷の書道の大家、藤原行成は「歌はおもしろし、実方は痴なり」と評したという。これに怒った実方が行成の冠をとって庭に投げ捨てたのが、一条天皇の怒りをかったとのことである。(源平盛衰記より)



著者挨拶
貴族同士のいざこざが元で左遷に発展したこの話が果たして真実なのか、或いは作り話なのか、私としては想像の域を出ないものと察しております。なにせ千年以上も前のことです。但し、西行法師にしても松尾芭蕉にしても藤原実方の不遇を偲んだのは事実です。私はここに深い感銘を抱きます。この記事を基に更に主観を入れ、エッセイとして完成させたいと思っています。私としては、平安時代を扱ったエッセイはこれが初執筆となります。これを機会に執筆の対象の幅を更に広げて行きたいと思っています。本日も最後までご覧頂きありがとうございました。


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コメント

No title

おはようございます(^^)

歴史はとても苦手ですが、ミックさんの記事では解りやすく書かれているので、とても勉強になりました。
エッセイも楽しみにしていますね!
現場に行って情報を集め、調べて来られた行動力も尊敬します

URL | あ~ちゃん ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

おはようございます。
平安時代へのロマン、その時代の貴族にどのような背景があったのか興味深いですね。
藤原実方がどのような生涯を送ったのか気になります。エッセイ、楽しみにしています。

URL | joeyrock ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

おはようございます。

重要な資料を集められての1000年の日本史、ミックさんの理解と
読みやすい文章により、古代の歴史・人物を学ぶ事が出来ました事
有難うございました。

1000年の昔への輝かしい創造性、ロマンを溢れさせて居られる
ご様子を強く感じました、どうぞ充実されたご執筆を実らせてください、
秋の深まりと共に寒さも増してまいります、おからだ大切なさいますよう。
ナイス(^^https://s.yimg.jp/images/mail/emoji/15/ew_icon_s326.gif">です。

URL | きく枝 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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こんにちは.。o○
平安時代の不遇な貴公子とは興味をそそられます
また歌に優れていたとは相当女性に人気だったかもしれませんね(^^♪
才能があるにもかかわらず不遇な最期だった人の方が同情からか後世に名を残しますよね…
素敵なエッセイありがとうございました

URL | ぼたん♪ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> 不あがりさん
藤原実方という人物は優雅な時代に生きた貴族と捉えています。とにかく女性にもてた。もてた理由は歌に才能があった所以と認識しております。。

彼が光源氏のモデルとなったという話は初めて知りましたが、神前で下馬しなかったことを察するに、彼が型破りな人物だったのは間違いない。

私はここに織田信長のような大うつけ者を重ねております。知っての通り、私も無神論者の大うつけ者ゆえ、親近感さえ抱いております(笑)

貴兄のおはからいにより、本日もお励ましを頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> motoyoshiさん
神仏の存在が絶対だった往時、神を冒涜するような人物は稀有でした。少なくとも彼の死後五百数十年を過ぎ、織田信長なる人物が出現するまでは彼のような異端児は珍しかった。

私はそれだけ、この人物と信長を重ねております。神前で馬を降りなかった彼の奔放さに罰が下ったわけですが、無神論者で坊主無用の私にも天誅が下るかも知れない。ここに執筆へのモチベーションを見出しております。

貴兄のおはからいにより、本日も厚誼を頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> あ~ちゃんさん
神罰が下ったとされる藤原実方ですが、私も無神論者ゆえ、いつ神罰が下ってもおかしくない。

あ~ちゃん様からそう言って頂けるとモチベーションが上がります。今は1000年という数字に圧倒されている私ですが、今に執筆欲に繋がることを見出したい。そう思うことでこのエッセイにチャレンしたいという闘志が湧いて参ります。

あ~ちゃん様のおはからいにより、本日も慈悲を賜りました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

No title

> joeyrockさん
平安時代と言うとやはり和歌の時代ゆえ、清少納言と光源氏との恋愛などのロマンを感じます。その張本人がここに眠っている。これだけで執筆欲が高まります。

ここに左遷されたという説と全く異なる説(彼は自由奔放に奥州という土地を楽しんだ)が存在します。彼の型破りで自由奔放な生き様が千年超の時空を経過して、今ここに再び蘇る。私はここに己の出番を認識しております。

joeyさんのおはからいにより、本日も格別なるエールを賜りました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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この記事を読んだだけでも、藤原実方と言う人、興味がわきましたが、今からもっと面白いエッセイに仕上げて行かれるのですね。
楽しみにしていますね~♬

URL | 布遊~~☆ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> きく枝さん
私はきく枝様に対して懺悔がございます。それは私が神仏を尊ばぬ大うつけだからです。そんな私から見て大いに心を引かれたのが藤原実方にございます。彼には織田信長との共通性を感じる。それが今の私の感想です。

セカンドライフの就活で自分の身も固まり、そろそろ創作活動に精魂を傾けなければならない時期到来と受け止めております。

きく枝様のおはからいにより、本日も厚誼を頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> ぼたん♪さん
私は全く神仏を信じない大うつけ者ゆえ、彼に親近感を抱いております。彼にとっての奥みちのく行きは左遷とは名ばかりの新天地だったと認識しております。

実際に左遷であってそれを絶対に認めない。これが長きに渡ってサラリーマンを継続する秘訣と察しております。ぼたん様の旦那様に万一そういうことが降りかかっても案ずることは何もない。そうお伝え頂ければ幸いにございます。

ぼたん様のおはからいにより、本日もお励ましを頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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今晩は、

ミックさんには又一つ壮大な夢が広がりつつありますね、
千年前に在りし日の風景を想像しながら歴史エッセイを
執筆される意欲が湧かれた事は素晴らしいです、
既に現場で情報収集と着々と準備をされてるのですね、
刊行される日を楽しみにして居ます。

URL | 雲MARU ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> 布遊~~☆さん
やはり在り来たりの人よりか、変化富んだ人物のほうが描き易い。藤原実方の生き様にはそう感じました。ともあれ彼の名を知っただけでよいと受け止めております。

布遊さんのおはからいにより、本日も格別なる追い風を頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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>ミック様こんばんは😃🌃
ようやく歴史エッセイを書かれるのですね
1000年も前の夢のよぅなロマンの作品ですね💕
楽しみですね🎶

URL | ともたん ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> 雲MARUさん
歴史エッセイを書く際、先ずは情報を得ることが先決ですが、自分の主観が入らないとただの史跡レポートに過ぎないものとなります。彼がこの土地で何を考えどんな生活をしていたか…これが見えて来ないとなかなかペンが進まない。

その為には平安時代に文人と言われた人物の考証を進めねばならないと認識しております。まだ締め切りまで期間がございますので、司馬遼太郎氏などの作品を読み、そうした背景を探りたい所存です。

貴兄のおはからいにより、本日もお励ましを頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> ともたんさん
実方中将の墓と落馬したとされる神社の現地調査はしましたが、エッセイを書くにはまだまだ充電が足らない気が致します。それは平安時代の文人の趣向をもっと強く感じ取らねばならないと考えるからです。

但し、モチベーションは十分にUPしましたので、これを絶やさないようにして参りたい所存です。

ともたん様には、本日も激励を賜りました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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おはようございます。
平安時代、1000年もの昔の日本はどのような風景だったのでしょうね。
その時代に生きた方の墓所を訪ね、古に想いを馳せるのは素晴らしいことだと思います。
その方についてのエッセイを執筆されるとのことですが、頑張ってください・・。

URL | やまめ ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> やまめさん
実方中将の墓には以前から訪ねたいと思っておりました。イメージとしてはもっと山の手のほうにあるのかと思いましたが、以外にも平地でやや起伏のある丘陵に挟まれた地域でした。

但し、エッセイを書くには往時の実方をもう少し偲びたいと考えています。平安時代の文学をもっと学ばねばならない。今はそのように認識しております。

貴兄のおはからいにより、本日も格別なる追い風を頂戴しました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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平安時代の人物をエッセイに~
凄い事です。人物の考証など大変でしょうが
頑張って書上げて下さい。いつも格調高いブログを書いているミックさん応援しています。

URL | ボタンとリボン ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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> ボタンとリボンさん
分不相応なお言葉を頂戴し恐縮しています。平安時代のことを書くのは初体験ゆえ、身が引き締まる思いで居ります。恥ずかしくない内容とする為に先ずは文献を読みあさっております。昨日も別な図書館に行って資料を入手して参りました。後は自分自身がどう感じたかに焦点が移って参ります。

ボタンとリボン様のおはからいにより、本日も激励を賜りました。コメント、ナイスを頂きありがとうございます。

URL | 横町利郎 ID:79D/WHSg[ 編集 ]

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