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次に読みたい本
着々と断捨離を行い読書環境を整えつつある私だが、本日は次に読みたい本を紹介したい。本日AM雑誌類の断捨離を進めていたところ、このような雑誌が私の目に止まった。2000年のサライ深秋特大号である。この雑誌は広告にしても内容にしても中高年にピッタリといった感じがする。40代の頃はやや背伸びして読んでいたこの雑誌が、今の私の感性にピッタリとはまるのは、何か不思議な気がする。

井伏鱒二が58歳のときに執筆したのが随筆集『七つの街道』である。右側の写真は山形の酒田の山居倉庫である。鱒二は庄内酒田にも足を運び、この地の随筆を残している。

井伏鱒二(1898~1993)
本名満寿二。広島県生。文芸協会員、早大仏文中退。直木賞受賞・文化勲章受章。著書に『ジョン万次郎漂流記』『本日休診』『山椒魚』等がある。

これは鱒二が30歳のとき、伊豆熱川で太宰治(右)と温泉旅館に宿泊した際に撮影されたものである。右から三番目が鱒二、もう一人は劇作家の小山祐士。この時の太宰の年齢は21歳で東京帝国大学仏文科の学生時代と思われる。太宰治は井伏鱒二を尊敬し、この頃から師事していたようである。

この時三人の泊まった木屋旅館の一室は当時のままの佇まいを残している。

これは庄内酒田に行った際の酒盛りの様子をユーモラスに描いた図(七愚人飲酒之図)である。右端が井伏鱒二、左から三人目が太宰治である。

庄内に至る前の足取りは芭蕉の奥の細道をたどる旅でもあったようで、石巻~平泉~一関を経て、酒田に行っている。

昭和39年には岩手の三陸海岸の最北端の久慈にも行っている。右側は久慈街道の旅を誘った三浦哲郎(小説家)である。

井伏鱒二のベレー帽姿は有名だが着物とベレー帽がこれだけ似合う人も珍しい。79歳頃と思われるが、瀬戸内海の六口島で釣りを楽しむ鱒二は矍鑠としており、笑顔が素晴らしい。右側は小説家の永井龍男である。

ミック挨拶
95歳まで長生きした井伏鱒二ですが、残念ながら彼の作品は殆ど読んでおりません。サライを見る限りでは、彼は旅行や釣りや酒を楽しみ不朽の文学作品を残しながら、人生を謳歌した作家に見えます。また、絵心のある点においては、彼より13歳年上の武者小路実篤を彷彿します。

旅に関する随筆はやはり根底において旅を心から楽しみ、様々な角度からその地を見据える必要があると受け止めております。58歳でこうした旅に出た井伏鱒二は持ち前である純な、そしておおらかな心で作品を書いたのではないでしょうか?このあたりは早世した太宰治とはまったく違った持ち味を感じます。

すっかり季節もよくなって参りました。私は近いうちに東北各地の街道や名所を尋ねて随筆を書いてみたいと思っていた矢先でした。従って井伏鱒二の『七つの街道』は是非読んで、己のモチベーションアップに役立てたいと思います。本日もご覧頂きありがとうございました。

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