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昨日、私は仙台市泉区古内にある慈眼寺を訪ねた。目的は寛文事件(伊達騒動)で重要な役割を演じた仙台藩士・古内志摩義如の墓所を訪ねることである。

旧来までは仙台藩重臣の伊達安芸宗重が江戸幕府大老酒井雅楽頭忠清邸で斬殺された際、仙台藩家老・原田甲斐の乱心が原因とされてきたが、山本周五郎の小説「樅ノ木は残った」では、幕府の陰謀(大老酒井雅楽頭忠清と仙台藩をのっとろうとした伊達兵部の癒着の口封じ)によって行われたものとされている。いずれにしても、その場に居合わせた唯一の生き証人(後に仙台に帰還)が古内志摩義如である。
黄色:航空写真で古内志摩を祀った賀茂神社
赤:古内志摩が葬られた慈眼寺

慈眼寺の入り口にはこのような案内図が掲げられている。これだけ見ると志摩の墓までは近いようだが…


実際は古内家第代の墓を遥かに通り過ぎ、このような滑りやすい急峻な登り坂をひたすら登り続けねばならない。(加茂団地側から行ったほうが、坂もなくて行きやすい)


古内志摩一族と見られる墓である。震災後に訪れた際は墓石が崩れたり、割れたり惨憺たる有り様だった。完全とはいかないが、ようやく復旧されたようである。


中央が古内志摩義如の墓である。


志摩の墓石は割れたものの、接着剤で修復されていた。
仙台藩士・古内志摩義如について触れておきたい。

NHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」での古内志摩(俳優は若林豪)

※以下仙台市ホームページより引用
古内志摩は、名を義如(よしゆき)といい、初め治太夫と名のっていた。三代藩主伊達綱宗公に仕え、四代藩主綱村公のときに家老となった
寛文11(1671)年、江戸幕府大老酒井雅楽頭忠清邸で、伊達騒動(寛文事件)が起こった。

伊達安芸宗重は、幼名亀千代(四代綱村)の後見人である伊達兵部宗勝の藩政を糺そうと、幕府に訴え幕府執行部による再度の対審が酒井邸にて開かれた。その日伊達安芸宗重、藩奉行原田甲斐宗輔、柴田外記朝意、古内志摩義如、案内役として伊達藩聞番役、蜂谷六左衛門可広が呼び出されていた。幕府の訊問が終了し、控室に戻ると原田甲斐が突然、安芸に斬りかかり、甲斐も柴田外記、蜂谷六左衛門によって斬殺された。古内志摩は別室にいて難をまぬがれ、実情を知る志摩は、一連の騒動の処理に活躍した。延宝元(1673)年43歳で没し、慈眼寺に葬られた。

下の看板は慈眼寺の入り口に掲げられた看板(仙台市教育委員会の見解)だが、現在の仙台市のホームページとは違ったことが書かれている。


仙台市のホームページでは、伊達安芸に斬りかかった原田甲斐を斬ったのは柴田外記、蜂谷六左衛門とされているが、この看板では古内志摩も原田甲斐を斬ったことになっている。となると、
1、仙台市のホームページ
2、慈眼寺の入り口の看板(仙台市教育委員会の古い見解)
3、山本周五郎の小説「樅ノ木は残った」
では、全て違ったことが書かれていることになる。逆に言えば寛文事件はそれだけ、わからないことが多いということである。これは仙台市博物館の学芸委員から直接聞いた話だが、私は寛文事件で忠臣、逆臣にこだわり過ぎるのはナンセンス(真実を知るのは神のみ)と考えている。それよりも多くの伊達の家臣が藩の存続について真剣に考え、己の命と引き換えに仙台藩を救ったと考えるほうが的を得ていると察している。
この資料をご覧頂きたい。寛文年間における古内志摩の所領は伊達領の最北端で今の岩手県北上市の辺り(青い□)であった。古内氏は寛文事件の後に四代藩主・伊達綱村公のはからいで、現賀茂神社に祀られ、神社の辺りに新たな所領を賜ったと思われる。

筆者考察
本日は久しぶりに寛文事件に関係する記事を掲載しました。歴史関係の記事はあまり一般受けしません。中には過去を振り返ってどうなる?肩が凝るので…と言われることもごさいます。私はそういう際はこうお答えしています。「歴史は事象として見れば過去に起きたことに過ぎないのですが、広い視点で見るとこれを掘り下げることで現代や未来が見えてきます。私はそうした広角的な視点を持てるよう歴史という教材を用いて、自分の眼力を高めるようトレーニングしているのです」と。

文学、歴史、哲学はそういう意味で兄弟です。背景に存在する思想が見えたとき、充実感を感じるのがこの分野(人文科学)です。私はこれからもブログにおける人文科学を自分に課せられた課題と受け止め、人様に様々な問題を提起するブログでありたいと考えております。余談ですが、寛文事件の中心人物伊達兵部宗勝(事件後の幕府の裁定で土佐藩主・山内豊昌預かり)の墓所は四国の土佐にあります。現在、私には四国のブロ友様が二名おりますが、その情報をお寄せ頂く日が来れば幸いと考えています。本日もご覧頂きありがとうございました。
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