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 JET STREAM Ending(夢幻飛行)

「夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは遠ざかるにつれ、次第に星のまたたきと区別がつかなくなります。お送りしておりますこの音楽が美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように…」
ジェットストリーム・ナレーター城達也
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エッセイ「間もなく着陸を向かえる我が人生」
間もなく定年を迎える私にとって、この動画ほど心に響くものはないと感じている。「光陰矢の如し」という言葉があるが、長いようであっという間のサラリーマン生活であった。過去形を使うのはまだ早いが、既に心は定年してからのことに向けられている。今の心境としては振り返ること半分、将来を見据えること半分といった感じである。

人の一生は短い。これは多くのかたが実感していることと察している。そういう私も、やがては城達也氏のセリフのように「星のまたたきと区別がつかなくなっていくのだろう…」そう考えると少し寂しい気がするが、先ずは長きに渡って飛行を続けてきた機体を無事に着陸させることである。

マラソンに君原選手(1941~東京オリンピック8位、メキシコオリンピック銀メダル、ミュンヘンオリンピック5位、国際大会優勝12回)という偉大なランナーが存在する。彼の走りの特徴は後半になって苦しくなると首を左右に振ることである。そんな彼の言葉で最も印象に残るのは「私は走っていて苦しくなった時、あの電柱まで走って棄権しようと思うことにしています。そしてその電柱に達したら、次の電柱に達するまで頑張ろうと思うことにしています。そのようなことを何度も繰り返すうちに完走に至るのです。」という言葉である。

              

間もなく現役を終えようとしている私のサラリーマン生活を振り返れば、当に君原氏のようなスタンスを思い浮かべるのである。サラリーマンを辞めるのは簡単である。紙切れ一枚を出せばいい。しかしながら私は独り身ではない。家族を抱えている。然ら、ばどうしても辞めることはできない。そんな私に君原氏のこの言葉がどんなに慰めとなったのか、今思えば計り知れないものがある。

但し、ただ単に忍ぶだけではない。辞めない為には時として積極的に打って出なければならない時もある。そんな際に私の心に喝を入れてくれたのが、兵法で言われる「出るべきところは出る。引くべきところは引く」という言葉であった。継続は力なりという言葉があるが、サラリーマンにとっての自己防衛の極意がこの言葉に濃縮されているような気がする。「生き残りの極意」を模索するならば、出世した人間よりも辞めていった人間にそのヒントが隠されていると私は感じるのである。

多くのサラリーマンは窮地に追い込まれると逃げに入る。逃げに入ることで一番対話しなければならないキーマン(直属の上司、その上の上司etc)と話ができなくなる。逃げ腰になりかけた私にブレーキを掛けてくれたのは、実は辞めていった先人の生き様であった。もちろん、私は辞めていった人間イコール敗者と言っているのではない。

辞めていったかたの中には、別な職場で生き生きとして働いている人も多くいる。私がここで言いたいのは、「逃げることが楽になると思ってはいけない」ということである。どうしても逃げたいと思った時は、君原氏の言葉をもう一度自分に言い聞かせるようにしているのである。

駆け出しのころは年月の過ぎ行くのが遅く感じられたサラリーマン人生も終局が近くなると、その度合いが一気に加速するのを感じる。同じ時間なのに心の在り方一つで速くも感じるし遅くも感じる。人間の感性とは本当に不思議なものである。さて、そろそろ点滅する滑走路が見えてきた。後は着実に我が機体を着陸させるのみである。

皆さん、本日もご覧頂きありがとうございました。
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