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久しぶりの福島美術館探訪
転勤で仙台に戻ってから十日が過ぎた。身の回りのものがようやく落ち着き、今は生活にリズム(仕事とプライベートの区切り)が形成されようとしているところである。そんな境遇の私が本日向かったのは若林区土樋にある福島美術館である。ここは、古くからのブロ友様を初めとした常連様に於いては、既に何度かお目通し頂いた美術館である。

本日の特設展のテーマは「旅する絵画」である。この作品は17世紀の満州民族の男女の服装や風俗を表した画で、なかなか興味深いものであった。中央の男性の髪型に注目。辮髪である。また女性のポーズには中国的なものを感じる。

この画の名称は満人男女風俗図である。漢族から満州族に支配が変わったときの満人(満州民族)を描いた画である。

これは今の季節に相応しい日本画「秋草に安寧を願う」である。秋の草原に佇む鶉は作者の暗喩とも受け取れる。バックは薄と野菊であるが、長閑な秋の草原の風情を感じる風流な画である。

作者は何と、仙台藩五代藩主・伊達吉村である。登場するものの語呂を合わせると「安居延年」(平穏な日々が永く続くようにと言う願い)を意味するとされる。

仙台藩五代藩主・伊達吉村(1680~1751)は歴代藩主の中で最長の40年に渡る在位であったが、文芸への造詣も深く、多くの和歌や書、そして日本画を残している。仙台藩では「中興の栄主」と言われるほどの名君振りであったとされる。

最後に間もなく定年を迎える私にぴったりな画を紹介する。その名は「詩仙堂図」である。

「月明かりに浮かぶ、文人の理想郷」とは一体何なのか?石川丈山(武士、詩人、書家)の京都の隠居所とされるこの閑居は、多くの文人の理想とする「書斎」のイメージに近いのではないだろうか?実は、私も頭の中に理想的な書斎を描いている。丈山のような理想郷には及ばずとも、雑念を断ち切り、執筆に専念できる空間に憧憬の念を抱くのである。

ミック挨拶
皆さん、そろそろ秋も深まって参りました。秋の夜は長うごさいます。然らばこれを心置きなく堪能したいものにごさいます。ところで、皆さんは秋の夜長をどうお使いになっておられますでしょうか?読書に興じるも良し、音楽を聞くも良し、ドラマに没頭するも良し、執筆活動に勤しむも良し…実はそういう私は何も決めておりません。

それは日によって欲求が変化するからにごさいます。本を読みたい日もあれば、エッセイを書きたい日もあるし、音楽を聞きたい日もごさいます。然らば最初から線を引くような野暮なことはせず、その日の己の感性に委ねたいと思います。

これを平たく言えば行き当たりばったりという言葉になります。人間は時に繊細さも求められますが、そればかりでは長続きしません。従って、時にそのくらいのラフなスタンスがあってもいいのではないでしょうか?前置きが長くなって恐縮しておりますが、本日の福島美術館に於ける古美術鑑賞の中で、私が一番心に残ったのは最後に紹介した石川丈山の隠居所にごさいました。

定年後にこのような閑居が己の手中に入るかどうかはわかりませんが、全く出ないサイの目ではないと考えています。それは田舎暮らしにごさいます。田舎暮らしが叶わないなら、せめて自分だけの書斎を持ちたいものです。

皆さん、宜しければ、本日のコメント欄にはご自身が秋の夜長に一番したいことをお書きください。何でも結構です。もし、こういう質問を私自身が受けたなら恐らくこう答えることでしょう。「今宵は月と薄を肴に、美酒を飲んで、世俗を離れ酔狂に至り、ぐっすり眠りたい」と。
本日もご覧頂きありがとうございました。


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