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BEETHOVEN - Symphony no. 6 - Leonard Bernstein (1)
田園に囲まれた我が町、亘理を心行くまで堪能する
ベートーベンの「田園」(Symphony no. 6)は今年だけで3、4回はブログにリンクした記憶がある。あれは忘れもしない。希望に溢れ、期待を胸に抱いた私が宮城県南部の亘理に移り住んだのは2015年3月26日のことであった。

その後引越し後のごたごたで何かと忙しいかったが、二日ほどしてようやく落ち着き、バイクで近傍を回った際に近年味わったことのない感動に見舞われたのである。それは我が町亘理の周囲が緑の絨毯(田園)で囲まれていることであった。その時ブロ友様から頂いた慈しみに溢れたお心遣いは今でもはっきりと覚えている。

今まで歩んできた人生を振り返ると、故郷石巻の活気に溢れた港町の風情も捨て難いものがあるが、亘理町の緑の絨毯は港町石巻にまったく遜色のない印象を私にもたらした。移り住んで間もなく私は亘理町をとことん好きになった。このときに獲得したモチベーションは今日に至るまでずっと継続している。「郷に入れば郷に従え」という言葉があるが、こんなに敷居の低い「郷」を迎えたのは我が人生に於いて、初めてのことであった。

前置きはこのくらいにして、冬至を六日ほど過ぎた冬晴れの本日、私は愛用の折りたたみ自転車を携え、JR常磐線の上り列車に乗りこんだ。悠里館(図書館&歴史資料館)は既に年末年始の休業に入っていた。堂々と聳え立つ天守閣。初氷が見られ肌寒さを感じた朝だったが、漆喰の白壁に反射する光が眩しく感じられた。

亘理駅の隣の駅である浜吉田駅には5分ほどで着く。亘理駅もローカルだが浜吉田駅はそれ以上にローカル。但し、そのローカルさが殊のほか優しく心地よいものをもたらす。その風情は東京と正反対であるが、時間がゆっくりと過ぎていく感覚は何ものにも得難いアドバンテージである。

ローカルにはローカルならではの味わいがある。これは還暦を目前にした私が多くの試行錯誤の末にようやく到達した指向である。中国の詩人李白が閑を幽境としたように、少しでもその境地に近づき、あやかりたいと思うのが昨今の私の偽らざる心境である。

浜吉田駅前のロケーションである。わずかな店舗と住宅、道路以外はすべて田園と言っても言いすぎでない。

時刻は午前11時を過ぎた。私はお目当ての食堂福を訪ねた。浜吉田駅からは400メートルと大変利便な立地である。

経営者と見られる年配の女性が切り盛りしていたが、此処は人も環境も全てが心に優しい。よって心が通う。

私が頼んだのはインターネットでたった一つヒットしたカツ丼であった。麺類もあったが、迷うことは大嫌いゆえ、初めからカツ丼をオーダーするのを決めていった。

甘さを控えた分厚い肉はジューシーで噛み応え、食べ応え満点。是非リピートしたいメニューであった。

腹ごしらえした後、自転車で西側の新興住宅地に向かった。宅地分譲中の看板が目に入った。太平洋側気候と黒潮の恩恵を受け、東北地方の中で此処は常磐(福島県浜通り)に継いで温暖な土地柄である。

「閑を幽境」とする心さえあれば、老後にこうした土地に住み、己の終焉の地とするのも悪くないと私は思った。

南側に向かい、宅地を抜けると私の目の前に広大な田園が開けた。なだらかな阿武隈の峰々は季節がよくなった暁に、是非息子と訪れてみたいと今から楽しみに思っている。

仙台市と緯度はたった20分ほどしか違わない亘理町であるが、仙台では長いと感じられた冬が短く感じられる気がする。厳寒期の亘理と仙台では着るものがシャツ一枚違うと言われる。間もなく新年を迎えるが、私はこれだけで大いなる心の高揚を感じている。
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