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志賀直哉 愛知県蒲郡の常盤館滞在
一ヶ月ほど前、或るブロ友様から文豪・志賀直哉が愛知県の常盤館に滞在した期間についてお尋ね頂いた。本日はその返答を兼ね、往時のことを偲びたい。この写真が愛知県蒲郡市にある蒲郡クラシックホテル(常盤館)である。直哉がこのホテルに滞在したのは今から60年前の1955年(昭和30年)10月下旬のことだった。彼は1883年(明治16年)生まれゆえ、72歳の時であった。
※写真はインターネットから転用



往時の彼の足跡を調べるのに、インターネットで得た情報をもとに私は相馬図書館に足を運び、志賀直哉全集を片っ端から調べた。



岩波書店刊行『志賀直哉全集』の中で、蒲郡ホテルから妻と知人に宛てた手紙の掲載があるのは第21巻である。



発刊に携わった編集委員のメンバーをご覧頂きたい。愛弟子の阿川弘之を始め、直哉の長男である志賀直吉氏らが名を連ねている。



これはホテルに滞在した直哉が妻の康子(さだこ)さんに宛てたはがきである。汽車の食堂で食べた海老が原因?という体調不良(下痢)に見舞われた中で三河湾のことを「箱庭式」云々と表現している。ホテルの一室で
医者に往診に来てもらい、ブドウ糖の注射を受けたということがはがきから窺える。



蒲郡クラシックホテルから見た竹島のロケーションである。
※写真はインターネットから転用



三日後に再び妻に手紙を出しているが、下痢が続いて汽車に乗れずに滞在が延びていることが書かれている。



インターネットから直哉の肖像を検索してみた。三十前後の肖像写真(左)は阿川弘之著の『志賀直哉』上巻の文庫本の表紙となったものである。シャープと気難しさの同居するものを感じる。一方で老境に至ってからの写真(六十代後半か?)を見ると穏やかであり、見方によっては別人にも感じられる。



全集第21巻に掲載されているお孫さんとのツーショットであるが、若い頃からの気難しい性分もすっかり影を潜め、微笑ましいものを感じる。



最後に蒲郡クラシックホテル(常盤館)の位置をご覧頂きたい。
住所:愛知県蒲郡市竹島町15ー1



直哉のホテル滞在は最後まで体調不良で、祭り見物以外ホテルからほとんど出掛けられなかったようでとても残念である。私はもし彼の体調が良かったら、此の地に関する随筆でも残したのでは?と捉えている。
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