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エッセイ「我が町亘理町の魅力」
宮城県南部の亘理町に移り住んで、早七ヶ月が過ぎた。私は宮城県を代表する港町石巻に生まれ、幼少期に亡父の仕事の関係で石巻と仙台を一度往復した後、仙台に移り住んだ。その後、自身の転勤で僅かながら東京生活も経験したが、人生の大半を故郷宮城県で過ごすことになりそうである。

出張で様々なところに行った私だが、故郷宮城に帰ってくるとなにかほっとしたものを感じる。その理由はわからないが、土豪同士の権力争いに巻き込まれながら、或いは幾度にも渡る飢饉に見舞われながらも、生き残るために先祖が勤しんだ宮城の気候風土、地域性が私の遺伝子に深く染み付いた由縁なのかも知れない。

そんな私が一昨日訪れたのはJR亘理駅の悠里館(ゆうりかん)である。季節は晩秋ゆえ、標高が高い山は既に紅葉の盛りを終えた場所もあるが、ここは宮城県では最も温暖な土地柄ゆえ、まだまだ紅葉が楽しめそうだ。

文化の日にちなんだオープンミュージアムで悠里館の展示物を無料で観た。その後私は小春日和に誘われ、城のそばにある並木道を歩いてみた。

この城はあくまでも亘理町のシンボル的な位置づけを託した擬似天守閣である。
本当の亘理城はここから1キロちょっと、北西西に行ったところ(以前の記事で紹介済み)にある。

悠里館から南方向を望んでみた。図書館の利用客の駐車した車が並んでいるが、ローカルな土地柄ゆえ無料である。

「住めば都」という諺がある。また「郷に入れば郷に従え」という諺がある。何れも的を得た言葉であるが、自分のものとして受け入れるのには時間を要する。これを別な言葉で言い換えれば「板につく」という表現になる。

私は此の地に七ヶ月居住してようやく此の地の風土が板についてきた感がある。具体的に言えば居住地である亘理は仙台に比べ情が厚いのである。朝の出勤時、犬を連れた見知らぬ人から挨拶をされる。これは仙台ではけして有り得ないことである。

このような律儀な町民性に最初はとまどった私だが、今はすっかりこれに慣れ、自分のほうから挨拶をしている。そうすると朝から気分がいい。昨今は、それがすっかり板についてきたのである。やはりローカルな土地柄はそんな素朴さがいい。周囲は田園に囲まれ繁華街などはないし、毎日夜はスーパーが閉まる9時半には真っ暗になる。

そして長い夜が明け、清々しい朝が来る。ありがたいことにこの日も朝日が私を迎えてくれた。「平凡こそが何にも勝る非凡である。」という言葉があるが、私はこの言葉の持つ真意がようやくわかってきた気がしている。

向こうから犬を連れた顔馴染みの人が来る。「お早うございます。」自ら挨拶に及んだ私は清々しい気持ちに見舞われ、きょうも何かいいことがありそうという駆られ、晩秋の田舎道を職場に向かうのである。
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