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SCOTLAND THE BRAVE
エッセイ「まだ見ぬスコットランドへの憧れ」
昨日のことだった。煩悩がもたらす新たな悩みが昨今の私の頭を悩ませていた。なんとか心の中のもやもやを晴らしたい。私はそんな一心で日が傾きかけた亘理町内に繰り出した。気温は22度、すっかり初夏の気候である。夕方5時になってもまだまだ明るい。

こうした中、私が歩きながら口ずさんだ曲はSCOTLAND THE BRAVEである。 私は一回もスコットランドに行ったことはないが、この威厳に満ちた曲を聴くにつけ大いに憧れを感じる国である。スコットランドはゴルフ発祥の地に相応しく起伏に富んだ丘陵と雄大な原野が広がり、如何にも野趣に溢れた国柄と察している。

家を出て15分、竹林の屋敷林が私の目に止まった。先祖伝来の竹林が冬の季節風を防ぎ、夏の強い日差しを防ぎ日陰をこしらえ、人に潤いをもたらす。子孫の行く末を思う気持ちは掛け替えのないものであり、尊いものでもある。こうしたことは古今を問わず数限りなく繰り返されてきた人間の営みに違いない。

これはけして人里離れた山間の地でない。亘理町にはこうした原生林とも人工林ともつかない林が所々に存在するのである。

林に囲まれたところに葱畑を発見した。すぐ傍には人家がある。東北にしては温暖な気候、そして自然と人工のほどよい調和が亘理町の大きな魅力である。

一時間ほど歩いて家に戻った。まだまだ日は沈まない。還暦は目の前に迫った。今年もこうして一年で一番いい季節に巡りあうことが出来た。これ以上何を望むことがあろう。私は阿武隈山地に沈み行く夕日を見ながらそんな取り止めのないことを考えた。

そうして私は様々な迷いを捨て、今の自分にとって進むべき道が何であるかを推し量った。SCOTLAND THE BRAVEを心の中に口ずさむうちに朧げに目指すべくものが浮かんできた。

それは「人生に於いては多くを望むことなく、一つのことに身を傾けるべし。二兎を追うことなかれ」ということである。とにかく自分を信じて過去を振り返ることなく、前に突き進むことが迷いを振り切る唯一の方法である。

夏至まで一ヶ月少しに迫った。西の空はまだまだ明るかった。今宵は酒を友に己の歩んできたことを肴として心地よい酔いに身を委ねたい。そんなことを胸に私は降り注ぐ夕日の中、帰途に着いた。
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